「侵入者だ!殺せえぇぇぇぇ!」
満月が美しい夜、神秘的な雰意気に合わない男達の怒声が
山奥の古びた屋敷から鳴り響いた。
「居たぞ!」
男の一人が廊下の向こうの人影に指を差す。
「ウザッてーな、異教徒の屑どもが。」
人影が動き出し、月明かりに姿が照らされる。
木の様に茶色い髪と目、黒い布地に赤いラインの入ったジャケット、
そして両手には黒光りする一対の銃剣。
彼が陽炎と信念の国の勇者、レイジュ・ランディスである。
レイジュは男達の姿を確認していくと、ゆっくりと口を開く。
「・・・・・剣も振るう気にならねェな」
からかった口調で男達に言いつつ、両手の銃剣を鞘に収める。
「!?」「舐めんじゃねえェェェ!」「殺す!」
リアクションは其々違うが、一斉にレイジュに襲い掛かる。
レイジュはそれを見ると笑みを浮かべ右手で十字を切りながら
ブツブツと何かを呟く。
「・・・・・地獄カラノ叫ビ(ヘルハウリング)!」
そう言うとレイジュの影が一瞬のうちに廊下中に広がったその時
ズガガッ ブシュッ グサッ
大小様々な棘が男達を貫いた。
影は何も無かったかの様に縮んでいった。
「誰がお前等を殺らねェつった」
男達の屍にそう言い放つと屋敷の奥に進んでいった。
「さてと、指導者はドコダ?」
悪魔の進軍は止まらない。
最終更新:2007年09月15日 17:12