裏新ジャンル「猫耳」

獣人バステト。
一見人間そっくりなその一族はしかし、よく見ると耳や尾などのパーツが人間と異なっている。
ふさふさとしたそれらは特殊な恰好をした人間の少女たちに見えなくもなく、
しなやかで気まぐれで猫耳な彼女たちは古来から数多の男たちを色香で惑わせてきた。
特に耳――――俗に言う猫耳は人気であり、
バステトの猫耳に嫉妬したある国の王女が猫耳カチューシャをつけたところ、
世界中の猫耳愛好家たちがデモを起こし、その王女は断頭台の露と消えたという。
ある者は言う。
バステトが猫耳なのか、猫耳がバステトなのか。
ぴんぴんの猫耳はそれ自体が魅了の魔法を振りまくかのようだ、と。

――――――だが、俺は真っ向からその意見を否定したい。

猫耳がバステトなのではない。
猫耳それ自体に魅力があるのではない、と。
文句があるヤツは前に出ろ。一瞬で黙らせてやんよ。

さて。
バステトにはもうひとつ面白い特徴がある。
雌しかいないのだ。
精を他種に頼っている種族は別段珍しいものではない。
彼女らは異種であるハンデを埋めるため人間にとって愛らしく、チャーミングになったと思われる。
だからこそ、ああ、だからこそ俺は恨む。
何故。
何故。
何故俺はバステトなのかと。
何故俺は――――――――雄なのかと。


「…………野郎に猫耳付いて何が楽しいんだよ!!村ショックで壊滅したよ!!
 俺だって性別選びたかったよ!もう魔獣の領域だろ筋骨隆々猫耳男!!」
「落ち着いてシュレディンガー!ほーら猫じゃらしー」
「やめろよマオ!やめっ……や………にゃ!にゃにゃーっ!!」


猫知識:三毛猫は染色体の関係で雌しか存在しません。
    雄の場合、毛の色が三色ではなく二色か一色になってしまうのです。
    しかし極稀に雄が生まれてくることもあるといわれています。
    その出生確立は三万分の一。昔は新聞に載るほどのニュースだったとか。

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最終更新:2007年10月14日 17:03
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