「……僕は、必ず貴方の元へ生きて帰ってきます。そして、もし僕が帰ってきた暁には、
僕の……僕の、その」
「………」
「僕の、つ、つ、妻になっていただきたいのです!」
「……はい」
「え?」
「嬉しい。嬉しいです、とても。私、待っています。いつまでも、貴方のことを———」
「ほ、本当に!?は、はは……!はははは!!やったーっ!!やったぁぁああ!!
父ちゃん、俺、やったぞーっ!!」
「……行ってらっしゃいませ、あなた———」
そう、それがあの人を見た最後の姿でした。
あの人はそのまま戦争へ行き、そしてその地で亡くなったと聞きました。
私はその後、夫と出会い子を授かりましたが……あの人を忘れたことは一度もありませんでした。
今までずっと、口にしたことはありませんでしたが……。
私にはわかるのです。
もうすぐ、あの人が私を迎えにやってくる。
生涯たった一度、恋をしたあの人が………。
「……おばあちゃん、素敵……」
「そうかぁ?前聞いた話では米軍の若きエースパイロットを匿って逃避行したって言ってたぜ?
それから闇市の首領に見初められたとか、竹槍でB29を撃墜したとか。ボケてんだよ、結局さ」
「アンタはなんで自分のおばあちゃんを信じてやれないの、このバカーッ!!」
「痛、痛ぇ痛ぇやめろやめ、ごめんなさいすみません」
この子たちは、貴方が守った国の子供たちですよ。
——————お久しぶりです。おウメさん——————
………ねぇ、あなた?
三ヶ月後、そこには元気に走り回るウメの姿が!
ウメ「もう死亡フラグ立てたりしないよ!」
最終更新:2008年02月10日 13:40