新ジャンル「積ん読」

女「ふう、ふう、ちょっと買い過ぎたかな..」
男「よお、女、買い物か?」
女「うぁあああお、男!ななんでアンアがここにいるのよ!」
男「なんでってチャリで外にくらい出るぜ?それよか重そうだなその荷物、なんだ本か?」
女「ななななんだっていいでしょう!」
男「ふーん。ま、いいや乗れよ」
女「へ?」
男「送ってってやるよ、その荷物じゃ大変だろう」
女「い、いいわよそんな」
男「遠慮すんなよ今更、ほら汗だくじゃないか荷物貸しな」
女「あ...うん...」
(あ...男の背中て結構広い..やっぱ男なんだな...え、何考えてるんだあたし.
こんなの只の親切に決まっるじゃん...でも、こんあののもいいかな...)


男「ふーやれやれ、ほんと重たい荷物だよなぁ、お前も買い物は程々にしろよ、じゃぁな」
女「ちょっ、ちょっとまってよ..その、なにか冷たいものでも飲んで,飲んでいきなさいよ!」
男「え?お、そうかさんきゅ」
女「か、勘違いしないでよ!お礼くらいしないとわたしがコキ使ったみたいじゃないのよ」

男「おじゃましまー..うわぁなんじゃこりゃぁ」
女「な、なによ、ちょとちらかってるかもしれないけど」
男「いやスゲー本だな、これ全部お前のか、へー凄いなぁ」
女「うん新刊でたら好きな作家さんのは全部買ってるから...」
男「お、これもう次ぎの出てるんだ、、もう読んだのか?貸してくれよ」
女「あ、まだ読んで無い」
男「じゃぁこれ」
女「あ、それもまだ」
男「じゃぁこれは?」
女「まだ」
男「えーとこのあたりは流石に...」
女「まだ」
男「お前...じゃどこまで読んでるんだ」
女「えーと..こっからこの辺り..」
男「お前..それって」

新ジャンル「積ん読」



時計を見る、1時5分前。
何回見てるんだろう、バカじゃないの。
髪にブラシをかける、これも何回目だ、バカかわたしは。
気を緩めると顔がニヤけてくる、ああ、どんどんバカになって行く!
これと言うのもあのバカの所為だ、どうせ今日も時間ぴったりに来るんだわ。

どら焼き持って。

そんなに嬉しそうな顔してた?『そんなにこれが嬉しいのか』ですって!
バカ、
バカバカッ!

「だって本当に来てくれると思わなかったんだもの(はぁと)」

なんて言えるかっ!バカッ!

ああそうさ、とりあえず『うん』ってっ言ったさ!言っちゃったさー!
それから毎回かよ!
そのバカの名前は生駒竹生(いこまたけお)、
『竹の様に真直ぐに成れと付けたらしい』っその、て?ああそう。
ああ親御さんの望み通りね、ホント真直ぐだわ。
真直ぐ過ぎるわっ!見たままか!

『本は貸せないけど..読みに...来るのならいいよ..?』
『そうか!いやーすまんなぁ、何時ならいいんだ?』
『え?ええ!えーとぉ..そ、そうねぇ、や、休みの1時くらいなら...』
『そうか!1時だな!』

それから毎週きっかり1時。
そんなに本を読むのが好きかっ!
ホントにずーーーと読んでるもだもん...5時まで
『お、もうこんな時間か、うーんじゃまた来週だな、お前どこまで読んだんだ?
 なんだー全然進んでないじゃないか、ホント読むの遅いなぁ』

読めるかぁあああ!
気になって読めるかぁあ!

借してもらってる通学用兼書庫の2K、どこにも逃げ場がないわぁ!
それでなくても本だらけでスペースが無いのに!
大体あんた、年頃の女の子と二人っきりでなんとも思わないのか!この朴念仁!

まぁね...そうね...
単にクラスメートに親切しただけだもんね、あんたは誰にでもそうだもんね。
わたしみたいな魅力無いのに興味ないよね...

知ってるもん
クラスの男子がわたしの事「ススキっ原」って呼んでるの、
ススキの原っぱみたいに色気が無いですって。
煩いわ、こっちこそあんたらみたいなガキな男はご免だわ。
まったく、なんでクラスの男子って、現実の男って、ああもガキっぽいんだろう。
でも
でも貴方は...生駒はこう言った
「すすきかぁ、夕陽に映えるすすきっ原て見た事有るか?、一面のすすきが夕陽に照らされて、
先が金色に光るんだよ、一面の金色。
あれ綺麗だよなぁ..うん、葛城すすき、いい名前だな!」

そうなの、お父さんがお母さんにプロポーズしたのが、そういう時のそういう所だったんだよ。
だからすすきって付けたんだよ。
そう教えてくれたのもそういう時のそういう所、金色の原っぱだったんだよ。

だから

嬉しかった、
うれしかったよーーーーーーーー!!

バカ!バカバカバカバカバカッ!バカのくせにどうしてそんな事さらって言えますか!
もうっ!どうしてくれるのよ!この気持ちーー!
ワシャワシャワシャ
あああ!しまった、髪の毛グシャグシャ!
もー何やってんのよわたしー。
ふう、
あ、そうそう、そろそろお湯かけないと、お茶の用意とか、ね。
うーん、このエプロンどうかなぁ、前の学園祭でメイド喫茶やったときのだけど。
あの時は死ぬほど恥ずかしかった..生駒、来てないよね?違うクラスだったし。
やっぱアホっぽい?ちうかエプロンしてるのって変?変じゃないよね、自炊してんだし。
うーんでも、この胸のヒラヒラとか..ああでもこっちのって汚れてるしなぁ。
ど、どーせ気が付かないよね、なんたって朴念仁だし、
でも...
意外に気が付くかも、「お、なんだ葛城、今日のエプロン可愛いなぁ」とか...
さらって言いそう、ちうか、い、言われたらどうしよう..キャーーー!!
ワシャワシャワシャ
ああ!エプロンがぁ!

ピンポーン
「おおーい葛城、いるかー」

「うわっ!わっわわわっ、ひゃひゃっひゃい!」

うわぁ来た!来たぁ!なんで今来るのよー!バカーーーッ

新ジャンル『積ん読リターンズ:日曜日のツンデレラ』

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最終更新:2007年08月03日 16:47
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