トウバンジャンの陰謀が潰えた頃、テンメンジャンは一人の少女を求めて彷徨っていた。
甜「ふふふ。真智ちゃん、どこかしら?…こっちはお菓子の貯蔵は十分よ。」
真智子の胃袋は昼食時にも弁当5つを平らげたにも関わらず、放課後近くには空腹を訴えていた。
その音を聞きとったテンメンジャンは確信する。
トウバンジャンから没収した大量の菓子。これだけの餌があれば、釣るのはた易い。
己が手にしているお菓子をもきゅもきゅを頬ばる少女の姿を想像し、笑みをこぼすテンメンジャン。
そして間もなく、獲物は彼女の元に飛び込んで来た。…しかし、彼女が想像していた展開とは違う方向に話は進むこととなる。
獲物のはずの囲炉裏真智子…。彼女はテンメンジャンを見つけ、一直線に走りよる。
真「はるくんをいっしょにさがしてほしいのです!!」
甜「………え?」
これってチャンス…だよね? などとテンメンジャンが考え込む暇も与えられなかった。
なんせ、テンメンジャンの袖をぎゅっと握ってきたわけだから…。
甜「ちょ?ちょっと、真智ちゃん!?」
真「おねがいです!!くろださんのちからがほしいのです!!」
庇護慾…。もともと可愛いもの好きな彼女には、同年代の少女たちと比べても母性が強い面があった。
普段はそう自覚もしていなかったソレは、真智子の願いに強く燃え上がり、テンメンジャンの心を揺り動かす。
うん。とりあえず青山を探して、一発殴ろう。…機嫌次第では、5~10発くらい殴るかも知れないが。
そして改めて校長に渡すなり、自分のモノにするなりすればいい。
甜「行こう。真智ちゃん。」
真「はい!」
手を取り合った少女たちは歩きだす。…待ち受ける運命に向かって。
最終更新:2008年04月27日 20:39