囲炉裏真智子がテンメンジャンと合流した頃…。
別の場所にて、己の失態を包み隠さず白状させられる羽目になったトウバンジャンの姿があった。
尋問するのは見た目は囲炉裏真智子と同程度の少女、四天王が一人のXOジャン。
血を分けた実の姉に対しても容赦なく、厳しい問いを投げかけ続けるその姿には、なんの感情も見出せなかった。
豆「…というわけなんだよ!チックショ――!!」
Ⅹ「…そう。…やっぱり無様。」
豆「…悪かったな。で、お前は何しにきたんだよ!?」
Ⅹ「…助けにきた。…バカだから困ってるはず。」
豆「う、うるさい!先にバカって言った方がばかなんだぞ!!?」
Ⅹ「……じゃあおバカ。あと、アホ、マヌケ、タワケ辺りも追加しておく。」
豆「…………(orz)」
Ⅹ「…ともかく、囲炉裏真智子の追跡を開始する。」
豆「…何でもいいが、どうしてそんなにヤル気なんだよ?お前、さんざん会議をサボってただろ!?」
返答がわりとばかりにとあるパンフレットを差し出すXOジャン。
Ⅹ「…これ。今回の任務の報酬。」
豆「えーと。『古都奈良浪漫ツアー:寺社仏閣フリーパスに加え柿の葉寿司、鮎寿司、奈良漬に鹿せんべい食べ放題の特典付き』だと!!?」
Ⅹ「…それに十津川温泉も入り放題のペアチケットが貰える。…だから、お姉ちゃん。」
豆「何だ!?妹よ!!」
Ⅹ「…奈良に行こ?」
無表情ながらも、XOジャンは奈良に行く事を楽しみにしている。
そして再び燃え上がるトウバンジャンの闘志。その心は怒りでも悲しみでもない、明鏡止水の境地。
真のハイパーモードな境地に達した姉を見つめつつ、口を開くXOジャン。
Ⅹ「…一つ確認。…この任務ではテンメンジャンもチーマージャンも敵。」
豆「そうか…。チーマージャン、最近男ができたっていってたからな…。確かに欲しがるだろし。
チーマージャンは…。……いや。むしろアヤツにはラリアートとお菓子の恨みがある!!ぜってーブっ潰す!!!!」
Ⅹ「…一つ質問。…お姉ちゃんの邪魔をしたのはこの男?」
そこには気絶しつつも幸せそうな表情を浮かべている男友。
時折、「アッ――!だ、ダメっすよ会長…。」とか「は、初めてなので、優しくして…。」などと呻いてる辺り、命に別条はなさそうではある。
豆「ああ。コイツがぶつかってきたせいで、青山を取り逃がした!!」
Ⅹ「…そう。」
冷ややかな瞳の奥、憎悪の炎が静かに燃え上がる。
Ⅹ「………(私のお姉ちゃんに…。…許さない。)」
それから5分後…。追加で止めを刺された男友だけを残し、二人の影は消えていた。
追われる者、追う者、さらに追う者達が集いつつある。彼らを待ちうける運命、そして彼らが紡ぐ未来は、誰も知らない。
最終更新:2008年04月27日 20:31