野望編「バトルロリヤル」

トウバンジャン必殺の一撃による危機は脱したものの、別の意味の修羅場に巻き込まれた青山春樹。
喋る内容の優先順位を考えている内に、火急の要件を思い出す。

春「そ、それよりもだ!副会長が誘拐されたんだろ!?」
XO「……(テンメンジャンが!?誰に?)詳しく聞かせて、おばさん。」
真「お、おば…(ぴきっ)。…くっ…そうですね。そちらがさきです。」

囲炉裏の説明に耳を傾け、状況を分析するXOジャン。
テンメンジャンが誰にやられたかは不明だが、囲炉裏が疑っている校長が犯人ということはまずありえない。
そして、ニアミスこそしたが校長は囲炉裏に対してアクションをおこしていない。つまり校長は彼女に目撃はされたが、彼女は校長に目撃されていない。
現段階で校長が新醤油学園校長室に居る可能性を囲炉裏に示唆するだけで、標的は勝手に罠に飛び込み、手を汚すことなく任務成功で報酬はひとり占め…。
…ただ、今の段階で囲炉裏を校長室に誘導すれば、必ず青山も彼女について行くだろう。

『…青山さんを巻き込みたくない。…私の正体も知られたくない。…この機会は諦めて、囲炉裏が単独でいる時を狙う。』

そして彼女はこの場を収束させるべく、行動する。
XO「…副会長は貧血持ち。そして倒れたところに校長がたまたま通りかかったのかと。
  校長はああ見えて薬学も専攻していた。下手な校医より腕が立つ。介抱は彼女に任せて大丈夫。」
真「そ、そうだったのですか…。…なら、ゆかさんもだいじょうぶですね。」

囲炉裏の疑念は氷解できた。その結果に安堵しているXOジャンに、青山が抱いて当然の疑問をぶつける。
春「…そういや会長、急にどうしたんだ?俺自身には恨みを買われる覚えはなかったんだが…。」
XO「…多分逆恨み。…青山さんが試験で好成績を保持しているから平均点が高くなって、結果として姉さんは常に赤点。」
 『…お姉ちゃんのバカ。フォローがすごく大変。』
春「…俺が悪いのか?まぁ良いや。会長に依存なければ勉強を教える形で埋め合わせすれば。いいかな?貴子ちゃん」
XO「…はい。」
真「む~~~~~~~~~ッ!」
かなり際どい質問だったが、どうやら禍転じて福となったようだ。囲炉裏はむくれている様子だが、こちらは放置。

しかし、そんな幸運もそうは続かなかったようだ。
春「…ワッフル食べ損なったけど、会長がコレじゃ放っておけないよな。よっと(ひょい)。
  貴子ちゃん、会長を送るから悪いけど家まで案内してくれない?あと囲炉裏、カバン頼めないか?」
XO「っ!?………はい(お姉ちゃん、ズルイ)。」
真「う~~~~~~~~~ッ!しかたないです。」
転じた福もあっという間に禍に逆戻り…。とりあえず囲炉裏と一緒にむくれておく。

そして禍に戻った事態は改善どころか悪化の一途を辿っていた。
豆「ん…。ぁ、アレ?あたし?」
春「お、気が付いたか?」
豆『え?何だ?青山の顔が近いぞ!しかも背中と膝裏に腕の感触!?こ、こここれは!?お姫様抱っこ!!?』
豆「………はぅ(くたっ)」
春「お、おい!?…大丈夫なのか?」
真「む~~~~~~~~~ッ。はるくん!かおがちかいです!!」
XO「………………………………………(お姉ちゃん、あとでお仕置き)。」
春『な、なんか余計に空気が重てぇ。』

かくして、後年【ワッフルの乱】と名付けられた騒動は幕を落とした。
しかしフラグを乱立させている青山春樹、ライバル一挙多数出現の囲炉裏真智子たちにとって平穏な日々は遠ざかっている。

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最終更新:2008年04月27日 20:26
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