青春編「ビーストモード発動」

囲炉裏真智子に続き、黒田夕圭もまた青山家に同居という事実。
豆田姉妹を動揺させ、更なる過激行動へ駆り立てるのは明らかだった。
春樹の妹、晴香(通称ルカ)を交えた女の戦いは更に激しさを増す……

しかし蚊帳の外に置かれた一人の少女。
「何てエロゲの状況よ…春くんへまた一匹泥棒猫が…!!」
最近めっきり影の薄い幼馴染み・遠山理奈。
「だいたい、春くんがフラグ乱立させ過ぎなのよ…はぁ」

ここ最近は春樹に近付く隙もなく悶々とする毎日。
「…勝ち目ないかなぁ」
公園で一人甘酒を飲んで、気をまぎらわしてはいるが見通しは暗い。
思わず下を向き、溜め息をついてしまう。
「はぁ……」

「大丈夫?」
理奈が顔を上げると、同年代の少女が心配そうに見つめている。
「…あ、大丈夫です。具合が悪いんじゃなく、ちょっと悩んでるだけで」
「そう…あなたも」
声を掛けた少女の表情は冴えない。
「あなたもって…そっちも?」
理奈と少女はお互いに顔を見合わせる。

一時間後、甘酒とお酒入りチョコの力で意気投合した二人。
「気持ちわかる!!あたしから積極的にアピってるのに、何で逃げるかね~!?」
「鈍いのよ!!私は『早く押し倒せ!!』って思ってるのに他の女とフラグ立てるし!!」
「やっぱり……」
「こっちから……」
「「襲うしかない!!」」
大笑いする少女、というよりオッサン臭のする二人だった…
(しかも話題は微妙に噛み合っていない)

「なんかスッとしたわ。あなたと幼馴染み君が上手くいくといいね!!」
「そっちも硬派の彼にアピってモノにしちゃえ!!」
固く握手を交す二人。

翌朝。寝ている春樹の横へ、潜り込む寸前の理奈を阻止した夕圭はこう語る。
「…あの娘何者?熟練兵の様な動きはともかく、目が飢えた獣だったよぉ…」

春樹の貞操や如何に!?

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最終更新:2008年04月27日 20:45
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