青山兄妹の悲鳴が響いた同時刻の豆田邸では…
XO「…第1回、春樹さん奪回会議…!!」
豆「おー」
豆田姉妹による作戦会議が行われていた。
もっとも真剣なのはXOジャンこと貴子だけで、トウバンジャンこと陽子の気勢が上がらない事この上なし。
XO「…お姉ちゃん。もっとやる気を…」
豆「ん~、何か腹減ってやる気が…」
XO『馬鹿姉……!!』
十分後、改めて会議を再開する二人。
豆「(シーハー)しっかし、どうすんだよ?囲炉裏だけじゃなく、テンメンジャンの奴も春樹の家に住み始めたじゃんか!!」
XO「…折角、通い妻状態で…有利だったのに…」
豆「(でもあたしにとっても貴の独走は避けたいからな)…う~ん」
XO「……私達の味方を使うべき…」
豆「誰だよ?」
XO「…芝村 麻里愛…」
豆「チーマージャンか?あいつ最近男を追っかけてるし、手伝ってくれっかな?」
XO「(ピラッ)…これを使う…」
豆「…!!異種格闘対決の『ツンデレ VS 素クール IN ジャンルドーム』のチケットじゃんか!!
あたしが買えなかったのに、貴がどうして…!!」
XO「校長の任務成功報酬…で貰った…」
豆「任務なんて…あったのか?」
XO「…写真の提供…」
豆「へー、囲炉裏のか。くそっ、あたしに言えば良いのにな!!」
XO「…(ごめんなさい、お義父様…)」
貴子が提供した写真。
それは春樹の父、ナイスミドルな春父の写真だった…
チーマージャンとの交渉を終えた貴子が、携帯を懐へしまった。
豆「どうなんだ?」
XO「…失敗。チケットには興味があったみたいだけど……」
豆「ど?」
XO「…『今回は恋より友情を取る』と」
豆「かぁ~訳わかんねーな、あいつは」
陽子は畳の上に大の字となる。
少しも揺れたり、弾んだりしない胸を貴子が気の毒そうに見る。
XO『私は…成長期…だから気にしない…』
豆「貴…何だよ?その、『生でやらないか』視線は」
XO「……それを言うなら『生暖かい』…」
豆「なんか腹立つな!!」
XO「…チーマージャンが手伝ってくれないなら………次の手」
豆「あんのか?」
翌朝。
貴子が一人(陽子は寝坊)で青山家に入ると、春樹の様子がおかしい。
XO「……春樹さん?」
春「おはよう…」
どことなく落ち込んでいる様だ。
XO「…元気出して…」
春「貴子ちゃんは優しいなぁ…慰めてくれて嬉しいよ(なでなで)」
XO「…(///)…春樹さんに…これを…」
春「温泉旅行券?」
XO「たまたま…貰って…皆で行きたい…」
春「ありがとう。でも四枚もいいのかい?
一泊二日の高級温泉旅行券を…」
XO「私達…いや私は……春樹さんと一緒に行き「温泉~♪」」
突如会話に割込む夕圭。
春「黒田!?その顔はいったいどうした!?」
甜「まあ気にしない~、それより温泉♪」
春『顔面に足形を付けてるのが気になって仕方ない…』
XO「…『クサレおっぱい女には、負けない!!』」
甜「えへへ~…真智ちゃんとルカちゃんとお風呂なんて~はぁ…まるで天国だよ~
『あと青山くんにも…』」
春樹は感じていた。
『やばい、この不穏な空気はヤバすぎる…』と。
最終更新:2008年04月27日 20:55