理「やっほ~~春くん!!遊ぼ!!」
とある土曜日の朝。青山家の玄関に一人の少女が勢い良く飛び込む。…強い決意を胸に秘めて。
理『春くんを拉致して泥棒猫どもから奪還する。…そして私の部屋、必要なら○○○に連れ込んで…一つになる!!!』
しかし、この闘志は見事に空回りだったりするあたり、この少女は幸運の女神とは縁が薄いのかもしれない。
春母「あら理奈ちゃん。…残念だったわね。春樹なら、囲炉裏ちゃん達と旅行に出かけていったわよ。」
理「え…?ぇええええええ~~~~~!?そんなぁぁぁぁ!!」
『春くんの浮気者ぉぉ~~~~!!!』
春「っ!?何だ、このプレッシャー!?(ガクブル)」
真「はるくん、だいじょうぶですか?」
XOジャンこと豆田貴子。彼女進呈のチケットを利用し、青山春樹、春香、囲炉裏真智子に黒田夕圭はとある温泉宿に着いていた。
発案者たる豆田姉妹とも数時間前に駅で合流している。
チェックインを済ませ、春樹たちが向かった宿泊部屋。
離れ一棟の貸切であり、その離れには露天風呂もくっ付いている。ざっと見た所、3~4人向けの大きさの浴槽だろうか。
さらに露天風呂からは太平洋を一望できるという絶景ポイント。
部屋の中に目を移せば、上品な雰囲気の一輪挿しや山水画の掛け軸、繊細な細工が施された欄間に襖。
うん。壊したら高そうだ。
そして各々、浴衣に身を包んだところで、違いが分ってしまった青山春樹。
…こいつは良い仕事をしている。粗末に扱えないな。
春「先に釘を刺しておくが…プロレスと枕投げは禁止な。特に豆田!!」
豆「えぇぇぇぇ!?じゃ、何しろって言うんだよ!!!!」
甜「UNOもトランプもあるじゃない…。」
XO「………それも嫌なら一人で豊胸体操でもやってればいい。」
豆「orz」
ルカ「あ、あははははは。それにしても引率の先生みたいだよ、ハル。」
XO「……それよりも、春樹さん。…疲れているのだから、温泉はいかがです?お背中お流しします。」
『…プランα。障害となる3人を引き離し、春樹さんと混浴。…そしてお姉ちゃんと二人掛りで色仕掛け(///)。』
豆「と、言うことだ!!さっそく入るぞ!!囲炉裏とルカと夕圭は、後からゆっくり入って来い!!」
そして妹と共に春樹の手を引く。…露天風呂まで押し出し、扉を施錠すれば自分たちの勝ち。
甜「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!!」
反射的にテンメンジャンも立ち上がる。
春樹が豆田姉妹を入浴すれば、自分はルカと囲炉裏の二人と入浴。悪くはないのだが…。
しかし、目の前で春樹を掻っ攫われるのも面白くない。
そしてブラコン妹、ルカも兄を手放すつもりは毛頭ない。
彼女らは春樹の後ろに着き、羽交い絞めにする形で豆田姉妹の暴挙を止めんとする。
春『く、黒田もルカも、胸があたってる~~~~』
出遅れた囲炉裏真智子も、負けじと手近にいた陽子の帯を引っ張って抵抗する。
真「…はるくんといっしょにはいるのはわたしです!!」
…そして、事件が起こる。
ふさぁ。
少年は見た。控えめ、小ぶりながらも胸であり、男たちが求める黄金郷。
下の方も、控えめな茂みが見えたことからお約束どおり『履いてない』のだろう。茂みの奥には神秘的な一本の筋。
原因としては、なんとなく想像はつく。
浴衣も含め、和服というモノは帯はキツめに巻くのが定石である。
しかし、トウバンジャンこと豆田陽子は窮屈さを嫌い、妹が着付けた帯を勝手に緩めたのだろう。
そして囲炉裏の手によって解け、現在に至る。
豆「は、裸見られた!?春樹に裸見られた!!!?ぅうううううううう!!(///)」
身体を隠しつつ、トウバンジャンは唸ることしかできない。
彼女の脳裏からは【初期プラン:貸切風呂でドキドキ色仕掛け】など遥か彼方に消え去っている。
XO『この馬鹿姉…。』
XOジャンは内心で毒づきながら、姉の帯を調える。…もっとも、同じハプニングに遭遇すれば、自分も同じ様に固まってしまう気もする。
XO『…ちょっぴり過激すぎる。このプランは破棄(///)。
夕食時の【はい、あ~ん。プラン】および就寝時の【静か過ぎて怖いの…。一緒に寝て?プラン】に切り替える。』
ただし、春樹の方も全く話を聞いていない。…聞ける状態ではない。
鼻腔から血液を激しく迸らせ、仰向けに倒れこむ。
春『豆田って色黒だと思ってたのに、脱いだら色白なんだな…。
真っ白な雪が積もった小さな丘に、季節違いの桜が可憐に咲いてるみたいだ。』
青山春樹。生乳の衝撃により、美乳属性に加えて微乳属性も目覚めてしまったようだ。
しかしながら、現時刻は一日目の午後4時。青山春樹をめぐった攻防戦はまだ24時間以上続く。
最終更新:2008年07月11日 22:15