露天風呂から見上げる夜空。星が瞬く…と言いたい所だが、夜なのにヘリが飛んで
今ひとつ風情に欠ける。
しかし…
「はぁ~いい湯だなぁ」
色々あった夕食後、春樹は一人のんびりと温泉を楽しんでいた。
春樹との混浴を企んだ貴子や真智子、それに浴衣をはだけ挑発してきた夕圭。
たが彼女たちも、春樹の「覗いたら絶交」発言により、一時的撤退を余儀なくされた。
「たまにはのんびりするのもいいな…」
「そうだね春くん…」
「ああ………って理菜!!な、なんでお前、ふ、風呂に入って!!!!その前に帰った筈じゃ!!!!」
「いやぁ、電車乗り遅れてね。泊まる宿も無いから、春くん達に合流しようかなと。えへっ」
理菜は小さく舌を出して笑う。もっともその顔は、小さな擦り傷や髪の毛が少し焦げて
たりするのだが、テンパった春樹には気付かない。
「し、仕方ない……が!!な、何で風呂入ってるんだよー!!!!」
「やだなぁ、昔から一緒に入ってたじゃない。…ルカも一緒だけどね」
「か、『から』じゃねぇよ!!『は』だろーが!!」
反発する春樹だが、その視線は理菜の無防備な胸に釘付けである。
『り、理菜の胸…け、結構でかいな…く、黒田程ではないが…お、お椀型の…そ、それに小さい乳首…
ま、紛れもなく…日本代表級の美乳!!!!!!』
『春くんの視線を感じちゃうよ~…あ、ゾクゾクしちゃう…』
春樹と理菜、二人だけの入浴は長時間に及んだ…
その結果。
「もお、ハルったら!!鼻血出したのに長風呂なんて!!!!」
「はるくんしっかり!!」
「青山くん大丈夫~?」
見事にのぼせてしまい、再び看病される身の上。
「…春樹さん…はい…」
貴子が冷たい濡れタオルを春樹の額に宛てる。
「た、貴子ちゃん…ありがとう…」
「…気にしないでください…これも(未来の妻の)勤め…」
「そのいみしんな()はなんですか!?」
「ま、真智ちゃん落ち着いてよ~」
むくれる真智子となだめる夕圭には目もくれず、貴子は春樹の世話を焼く。
『…これで春樹さんの評価アップ間違い無し……プランθ【甲斐甲斐しい年下少女】………………大成功』
かくして入浴に関しては豆田貴子の勝利に終わった………
だが、この後も春樹を巡る仁義なき戦いは続く………
最終更新:2008年04月27日 20:48