妙齢の女教師の胸を、事故とはいえ揉みしだいてしまった青山春樹。
その事実を部分的に誤認され、見事に修羅場な流れに突入している。
「………春樹さん。浮気は駄目。」
「ハル?私なら良いけど、他の女性を押したりしちゃダメだよ?」
珍しく怒りを露わにしている豆田貴子に、凍りついた表情で空ろな視線を向けてくる青山春香。
…正直、怖い。慄いた春樹は助けを請うべく、もう一人の当事者の千所舞に顔を向ける。
そんな少年に対し、美術教師は艶然とした笑みを浮かべた。
私に任せるが良い…とでも言いたげに。
だが、期待と言うものは常に裏切られる為に存在する。
…発火点ギリギリまで加熱された少女達の怒りは、魅惑の女教師の放り込んだ火種によって爆轟となる。
「そうだぞ、青山くん。女性の身体は壊れ物なんだ。胸一つ揉むにも、もっと優しくしてくれないとな。」
「「お仕置き決定!!!」」
「ちょっと待ったぁぁぁぁ!!!」
飛び掛ろうとした彼女たちの前に立ちふさがる一人の少女の姿。
「……お姉ちゃん?」
「豆田姉?」
困惑する少女達に、珍しく真剣な表情をした豆田陽子が口を開く。
「それよりも緊急事態だ、貴!!哨戒に出ていたL班から、桜吹雪女学園方面より重大な脅威が迫っているそうだ!!」
通常の3倍の速度で走ってるらしく、もう1分もしたら本校に突入する!!」
「ね、ねぇハル…。…何なの?」
「さ、さあ?」
困惑する青山兄妹を脇目に、肩を並べて身構える豆田姉妹。
「…お姉ちゃん!」
「ああ!来る!!」
やがて校舎を揺るがす爆音と振動。
煙が立ち上るその中心部にて立ち上がる、一人の影。
「
新醤油学園よ!!私は私は帰って来た!!…なんてね。ふふふ。春くん、迎えにきたよ?」
最終更新:2008年07月11日 22:26