野望編「漁夫の利」

一触即発まで殺気を高めた囲炉裏真知と遠山理菜。
「…あなたは、わたしのてきなのですね?」
「ならどうする?……そんなことより覚悟はいいわね?泥棒猫!!」

気勢を上げ、一気に距離を詰めて攻めかかる理菜。
「はぁ!!!」
フェイント無し、さらに踏み込みの加速と全身の体重を乗せた右ストレート。
しかし、真知の左手に払われた拳は空を切り、理菜はたたらを踏んで体勢を整える。
「ちっ!!」
続けて後ろ回し蹴りを放つが、これも受け流される。
「むだです!だげきなんて、ただのべくとるです!だから、べつほうこうのちからをかけることで、かんたんにむりょくかできます!!」
『ちっ!このロリ娘!!それでも私の打撃を見切らなきゃできない芸当じゃない!!
 …でも、組み付いたらどうかしら!?』

戦術を変え、タックルを仕掛けてテイクダウンを奪う理菜。マウントポジションをとった以上、勝敗は決したにも等しい。
「どう?これだけ近接したなら、よっぽど強いベクトルを与えないと直撃は避けられないよね?………じゃ、さよなら!!」
理菜は止めを刺すべく拳を振り上げているが、こんな危機的状況ですら真知は余裕の表情すら浮かべている。
そして……。
「たすけて~~~~!!はるくん~~~~!!がちゆりさんにおかされます~~~~!!!」
「ちょっ!?な、なんて事を!!?」

うろたえる理菜に対し、勝者の笑みを隠さない真知。
『はたからみれば、がちゆりさんがわたしをおそっているようにしかみえません!
 これではるくんがかけつければ、わたしのかんぜんしょうりです!!』
だが、その声に呼ばれて現れた人影は彼女にとっても想定外の人物だった。

「おや?校内での淫行沙汰はご法度だよ?…でも、私の居室なら問題はないぞ。
 ……ふふふ。天国に招待してあげるよ?」

「え?ぇえええ!?なんではるくんじゃなくてこうちょうせんせいがくるんですかぁ~~~!?」
「そんなに思い通りに行く訳ないでしょ!?…でも、何、この人。すっごくヤバ目な格好と目付きしてるんですけど!!?」

「…喧しいな。えい。」
騒ぐ二人に一瞥をよこす校長。ハンカチに含ませた薬品を吸引させ、手早く意識を刈り取る。
「え?なに?ちょっとオバサン?…う(くたっ)」
「こ、こうちょうせんせい……。…なに…を(がくっ)」

「ふふ…。囲炉裏真知ゲット…だな。それにこの娘は遠山家の…。ふふふ、美味しそうな身体をしている。」
脱力した二人を抱え上げ、己が根城へと歩を進める恥女校長。
果たして真知と理菜の運命や如何に…。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2008年07月11日 22:28
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。