遠山家から脱出し、青山宅のドアノブに手をかけた豆田陽子。
…しかし、後方からの闘志に反応し、身を翻す。その場に突き刺さる油性ペン…。
「このプレッシャー…。遠山?いや、違う!…囲炉裏か!!」
陽子が身構えた瞬間とほぼ同時に、咆哮しながら突貫してくる小柄な影。
「まぁめぇあぁねぇぇ!!!!さっきはよくも!!!!」
真智子の右の貫手を受け流しつつ、左方向へ飛び退く陽子。
「まさか、遠山じゃなくてアンタが来るとは!あの状況でヤツを倒すなんて、やるじゃないか!?」
逃がすまいと追撃する真智子。左正拳突きの後に右の横蹴り。
「あたりまえです!!わたしのていそうをうばっていいのは、はるくんだけです!!
…それよりも、まめあね!!いったい、だれのむねがふさくなんですか!?」
陽子とて、黙ってやられるつもりはない。拳を捌き、横蹴りに合わせて囲炉裏の足元を狙う水面蹴りで応える。
「お前だよ!囲炉裏!!第一、小学生サイズのお前にはブラすら要らないだろ!?」
とんぼを切って回避する囲炉裏。
両者とも距離をとった状態で、口による攻防が始まる。
「しつれいな!!あなただって、にたようなものです!!えぐれむねです!!」
「バーロー!!貧乳と無乳の間には越えられない壁ってモノがあるんだよ!!お前とあたしの立ち位置はちがうんだ!!」
「いってはいけないことを……。……ぜったいに。ぜったいにゆるさないです!!!」
気炎を吐いた囲炉裏真智子…。…だが、突貫しかけた彼女の足は止まる。
同様に豆田陽子も、首は動かさずに視線を横に向ける。
「……なぁ。……遠山は確実に仕留めたんだよな?」
「…はい。…ですが、このさっきは。」
両者が動きを止める程の殺気…。その発生源に立つ、一人の少女。
「お姉ちゃん…。それにちびおばさん…。…まとめて潰してあげる。」
最終更新:2008年07月15日 00:20