「ちょっと其処の貴方」
「はい?」
「私、今度こちらの学園に転校してきたのだけれど…広すぎてよくわからないの。
申し訳ないけど、案内頼めないかしら?」
「いいですよ。何処から行きま………っ!」
「ど、どうし―――」
「くっ…此処にも居ないか!君、此処にちっちゃい男の子が居なかったか?!」
「ちっちゃい…?いえ、居ませんが…」
「くそっ…わかった、ありがとうっ!」
「何処だぁぁぁあああ!!蓮華ぇぇぇええええ!!!」
「…助かった…」
「貴方の事なの?」
「はい、あれは恐らく僕の事です」
「…大変なのね」
「よく言われます…」
「それでは参りましょうー」
「ええ、お願いね」
「蓮華、見つかったか?」
「いや…何処に居るんだ…っ」
「折角今日は手錠を用意しておいたというのに…」
「先輩、何してるんですか?」
「やあエレミー。ちょっとな…あ、蓮華は見てないか?」
「蓮華?居ましたよさっき。転校してきた子の案内してますね」
「何処でだ!?」
「三階じゃないですk…ちょ、案内の邪魔しちゃダメですよー!?」
「知った事かぁぁあぁぁああああ!!」
「待ってろ蓮華ーーーー!!」
「…マズいかも……?」
「ありがとう、助かったわ」
「いえ、これぐらいならお安い御用ですよ」
「貴方は…蓮華、君?」
「はい。風守 蓮華です」
「宜しくね。私は―――あら?」
「………しまった!じゃ、僕はこれで…!」
「え、あ、ちょっ…」
「待ぁぁぁぁぁあああああてぇぇぇぇぇ蓮華ぇえええええええ!!」
「待てって言われて待つ人なんか居ませんよーーっ!!」
「…本当、大変なのね……」
最終更新:2008年07月15日 00:24