青春編「巻き込まれ体質」

春樹への制裁を済ませた後に、ルカは真智子と相談を始めた。
「ハルは無事だったから良かったけどさ。豆田姉と夕圭ちゃんは一体どこへ?」
「…わかりません」
真智子としても首を傾げるしかない。すると、部屋の隅で(痛みから)頭を抱えていた貴子が口を開く。
「…それより…問題が」
「貴子ちゃん…ちゃんと反省してるの?」
ここは大人しく従った振りをしよう。貴子はそう判断し、深々とお辞儀する。
「…ごめんなさい」
「まめこ…わかってくれたですか」
貴子の手を握り締めて喜ぶ真智子。貴子は内心後ろめたく感じてしまう。
「わたしとはるくんのしんきょで、かせいふとしてやとってあげます!!」

この言葉の後、某埼玉の一家で有名なお仕置きがあり………

「…でここは危険て?」
えぐえぐ泣いている真智子を尻目に、ルカは貴子の意見を聞く。
「ここは密室…万一居所が判明すれば…」
「逃げどころがない…って事よね」
小さく頷く貴子。
「…問題はもうひとつ…追手の正確な数が掴めてない…」
「はるくんをねらうのはどこのわるものですか!!わたしがぎたぎたに!!」
「…まあ、過去にも例があるから…校長と…理菜が候補よね」
疲れた表情で呟くルカ。貴子も無言で首を縦にぶんぶん振る。
「がちゆりさん…!?このまえはにげられましたがきょうこそは!!」


そんな会話がされている所とは別の場所で。
「ねぇレーファ。一応、僕は貴子様に任務を…」
「ふんふんふーん」
「それにまだ授業中なんだし、こうして脱け出してお茶するのは…」
陽子の直属の部下であり豆田家チャイナメイド、カナダからの留学生レーファ。
彼女は学園を脱け出し、相方兼恋人の少年と喫茶店でひとときを楽しんでいた。
「ねぇ…レーファ?」
「気にしないネ、こうして楽しみながら情報を集めてるのネ」
すっかり上機嫌のレーファに対し、相方の少年は落ち着かない様子。
「タマには息抜きも必要って陽子サマも言ってたシ、ダーリンとデートも久し振りネ」
『この前の買い出しの時も確かそんな事を言ってたよなぁ…』
疑問には思うが、目の前の楽しげな少女を見ていると心が和む少年だった。

そして少年は気付いていなかった。携帯へ入っていた、主人からの連絡メールに。

『指令変更。ポイントM0へ移動するので護衛を命ずる』
『指令無視とは…給料更に10%カット』

少年の仕送り額は更に減少の一途を辿っていくのであった。

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最終更新:2008年08月23日 20:36
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