あの騒動から数日…。
春樹たち新醤油学園の生徒たちは平穏な日々を過ごしていたのだが、嵐は別の場所で吹き荒れていた。
夏季休暇期間中とはいえ教職員と、補講に参加する生徒には登校する必要があるわけであり…
「…青山先生ぇぇ。なんで補講をこんな時期にやるのよ~?」
「別に生徒が優秀なら、補講なんてやる必要ないけどね。」
「あ、あははははは~。…今度、春くんに家庭教師お願いしよ。」
しかし、そんな彼女らに迫る4つの影。
「…遠山理菜を貰い受けにきた。」
東部味噌工業高校の学生に身を包んだ男子学生の姿があった。
「ん~~。誘ってくれるのは嬉しいけど、知的な感じの男の子が趣味なんだ~~~。」
「校内でのナンパを見逃すわけには行かないわね~~。」
そんな2人に対し、返答代わりに襲撃してくる男達。
『この子たち、出来る!!相手は4人でこっちは2人…。私の方で3人を抑えないと、理菜ちゃんにはキツイかな…。』
しかし、彼らは二人の分断を狙い2人組で戦闘を継続し、やがて………。
「くっ?!きゃぁぁぁぁ!!!」
「理菜ちゃん!?」
目の前に立ちはだかった相手を左右両手のアイアンクローで仕留め、理菜の応援に駆けつけようとした矢先の悲鳴。
仕留めた筈の2人も既に起き上がり、理菜を連れ去った2人に続いて逃走していた。
「東部味噌工業が動いていたのは聞いていたけど…。…まさか理菜ちゃんが狙いだったなんてね。」
しかし、青山夏実とてこのまま引き下がるつもりもない。
この動乱は、やがて春樹たち新醤油の生徒達も巻き込んで拡大してゆく…。
新ジャンル「桜吹雪動乱」新醤油学園野望編
一方、遠山理菜を抱えて駆け抜けている4人。うち、2人が上の空で走っている。
夏実の足止めをしていたのは彼らだけに、ダメージの蓄積を心配した前方を走る2人が声をかける。
「おい!?お前ら大丈夫か!?」
「「…………」」
「しっかりしろ、大した傷じゃないだんろ?…どうした?」
「………やべぇ。」
「…………きたな、アレ。」
「「???」」
「………惚れた。」
「…俺って熟女趣味、無かったハズなのに。」
若作りだが誤魔化し切れていない目尻の皺がいいとか、ほんのり漂う香水と加齢臭がブレンドされた匂いが良いとか…。
手入れは怠っていないのに、年を重ねて荒れてきた手が良いとか…。
熱弁しだした2人を放置し、理菜を抱えた2人は足早に去って行った。
既出ジャンル「一目ぼれ」新醤油学園野望編
最終更新:2009年01月24日 02:36