魔王「ふむ………」
勇者「ん?どうした。あ、お前また新しい本買ってきただろ」
魔王「固いこと言うな。それよりヒロト、貴様必殺技はないのか?」
勇者「必殺技?」
魔王「これを見よ。主人公は秘められた力を解放し、必殺技を以って邪悪なる魔王を倒すのだ」
勇者「……お前こんなの読んでるのか?」
魔王「我とはあまりにかけ離れすぎてて腹も立たぬ。それよりホレ、魔王城でも必殺っぽい技は見なかったのでな」
勇者「……目覚めたばっかの力なのになんで技名を叫べるんだろう……?まぁそれはいいとして、俺、必殺技なんて持ってないぞ」
魔王「何?」
勇者「剣の型とか、細かい技名とかはあるけど……もう半分自己流にアレンジされてるだろうしなぁ」
魔王「炎や氷を剣として使うのはどうだ!主人公っぽいぞ!」
勇者「俺、魔法使えないぞ。剣一筋だし。……そういえばローラがそういうの得意だったなぁ」
魔王「ロ……!ふん!そんなこと、造作もないわ馬鹿者が!!」
勇者「ああ、そう言うお前だって必殺技なんか持ってないじゃないか。魔法だっていちいち術式叫んでるわけじゃないだろ?」
魔王「ぬ………………」
勇者「だから、それでいいんじゃないか?」
魔王「………………………………」
勇者「………………………………」
魔王「え、エターナルフォースブリザード!」
勇者「……寒い」
最終更新:2007年07月27日 00:47