ヒロジは激怒した。必ず、かの邪智暴虐のふじやまを除かなければならぬと決意した。ヒロジには部屋の外がわからぬ。
ヒロジは、ヲチスレの主人である。尺八を吹き、ヲチ民と楽しく暮して来た。
けれどもりょうこに対しては、人一倍に脊髄反射するのであった。
きょう未明ヒロジは布団を抜け出し、PCの電源を入れクーラーを点け、2時間離れていた此のヲチスレにやって来た。
ヒロジには金も、仕事も無い。彼女も無い。十八の、具現化したたくましいヒロジと二人暮しだ。

この具現化したたくましいヒロジは、ヲチスレの或る調子に乗っている住人に、近々、たくましい制裁を与える事になっていた。
その計画実行も間近かなのである。ヒロジは、それゆえ、Tバックやらペニコプターやらを求めて、はるばるヲチスレにやって来たのだ。
先ず、そのネタを書き込み、それから黒きエッフェル塔をぶらぶらさせながらROMった。
ヒロジには竹馬の友があった。アキーラである。今は此のヲチスレで、名無しをしている。
その友を、これから叩いてみるつもりなのだ。久しく叩いてなかったのだから、どんなスルーをされるか楽しみである。

自演しているうちにヒロジは、ヲチスレの様子を怪しく思った。BL厨が絶滅している。
もう既にタカオミも消えてから日も経ち、騒ぎが沈静化しているのは当りまえだが、
けれども、なんだか、BLのせいばかりでは無く、スレ全体が、やけに馴れ合っている。
もやしのヒロジも、だんだん不安になって来た。
スレで逢ったソウセキをつかまえて、何かあったのか、半年まえに此のスレに来たときは、夜でも皆が冤罪をでっち上げて、
スレは賑やかであった筈だが、と質問した。ソウセキは、尻を振って答えなかった。

ヲチ民の中からも、罵声が聞えた。
暴君ふじやまは、モニタを通して二人の様を、まじまじと見つめていたが、
やがて静かに二人にY理論で近づき、自身をあからめて、こう言った。
「おまえらのスレ立ては叶ったぞ。おまえらは、わしの妨害に勝ったのだ。
たくましさとは、決して空虚な存在ではなかった。どうか、わしをヒロジファミリーに入れてくれまいか。
どうか、わしのアナルに入れて、おまえのアナルパートナーの一人にしてほしい。」
どっとヲチ民の間に、罵声が起った。
「氏ね、休暇氏ね。」
ひとりの少女が、緋の褌をたくましいヒロジに捧げた。逞しいヒロジは、そそり立たせた。
メガリスト・アキーラは、無駄に気をきかせて教えてやった。
「たくましいヒロジ、君は、普段どおりまっぱだかじゃないか。早くその褌を着けるがいい。
この可愛いりょうこさんは、たくましいヒロジの裸体を、ヲチ民に見られるのが、たまらなく口惜しいのだ。」
ヒロジは、ひどく赤面した。

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最終更新:2009年12月11日 17:55