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ROCK&PUNK

【亡者裁判*野次の掟(仮)】
演説前のmoja達は台詞に従ってギャグ調の野次。
演説済のmoja達は演者の台詞中に心無いフリースタイル野次
OP
mojaたちは地獄の⑩番法廷に一同に会し、閻魔の到来を待つ。皆それぞれに我慢するには永すぎる時を過ごして、つい
この前ようやく再審を申し渡された。やっと、自分の無実を晴らす時、謂われない地獄の責め苦から解放される時が来
たのである。皆それぞれの興奮と不安と希望に胸を膨らませ、EMMAを待つ。周りのキモチワルイ奴らはいったいなん
だろう。どんな悪さしたらあんなキモチワルイ顔になるんだろう?そんな考えも頭を巡る。


A:あのぅ、わたし、死んだんですよね?
光:もしかして、キミ、はじめて?そうだよキミは立派に死んだ!
光:ようこそ、地獄へ!
A:どうして?
光:どーしてだろうね、みんなわかんないって。まあ、こっちにおいで。きっとすぐ、始まるから。

そうしていよいよ痺れを切らした頃、颯爽とEMMAが登場する。様々に最高潮なmojaたち!

閻:(満面の笑みで)地獄の最高裁、合同審理を始めまーす。お静かに
白:待ちくたびれたぞ、閻魔
Q:金、金、かね!閻魔、私を金はどうなった?
閻:(満面の笑みで)お静かに、願えますかー?
綺:おばさん、唾飛ばさないでー。きんもー。
Q:だとお、小娘。
綺:何よ、ばばあ。
A:み、みなさん、おちついて?
Q&綺羅:あんたは黙ってな、ブス!
閻:(事務口調で)お静かに、願えますか?
A:ひ、ひどい…
進:(ハンドガンを作りながらA子をかばいながら)こら、化け物ども!射殺するぞ!
光:こらこら、レディにその口の聞き方はないんじゃないか?
進:(光に銃口を向け)うるせーこら。Bang!Bang!
光:(撃たれて)おう、おう、おう。
賢:もう限界だ、閻魔!はやくしてくれ!
白:そうだ、すべてを明らかにする時だ。
Q:かね、金!
綺:ねむたーい。

閻魔、演台に立ち拳を叩きつける。

閻:お前ら、静かに、しろー!

静まり返る法廷。

ゴ:ウッホ?
閻:手前ら好き勝手ばっかいいやがって、この亡者ども!3.11からこっち冥府の庁はてんてこ舞いの忙しさ。
  あんたらみたいな畜生、相手にしちゃーいらんないのよ!だいたい再審請求⑩回目?はあ?おまえら、ば
  か?そんなに救われたいなら、勝手に救われな!蜘蛛の糸、show down!

天から一筋の光明が垂れ、一本の綱となる。感嘆するmojaたち。事務の装いになる閻魔。

閻:救いは先着一名限り。よろしいですね?

閻魔、手元の時計を見てまた雰囲気が変わる。満面の笑み。

閻:それじゃわたしもうあがりなんでー、後はみなさまでご自由に往生ねがいまーす。そーだんあったら
  いつでもそっから呼んでね!チャオ♪

ちょっと待てよと、口々にEMMAを引き止めようとするmojaたち。

閻:もう、しょうがないなあ。

指を鳴らすEMMA。テーマ曲が始まり、ムーブが始まり、そして亡者裁判が開廷する。
ムーブが終わると共に、きららを盾にとって糸ににじり寄る賢人。

<1回目の人質イベント>

進:こうして平和は守られた!
Q:で。どうすんのよ。上に行けない七人はどうやって選ぶのさ。それにあれだよ、(トーンダウンしていく)あのぼんが
  ナイフこっちまで持ってこれたんだったらわたしが棺桶に敷いといた札束だってあったはずだよ。(身悶えしながら)
  畜生…ちょろまかしやがったな…閻魔めぇ…!
進:(畜生…あたりから覆いかぶさるように何か直球シュール面白い提案)
光:(それに応じるように何か変態耽美的な提案)
綺:(それに応じるように何かお腹が空いたと提案)
ゴ:(それに応じるようにバナナ食べる?と提案)
賢:馬鹿馬鹿しい。
光:君のことかい、ぼーや?
賢:なんだとっ!
A:みんなぁ、落ち着いてぇ!
綺:(バナナをもぐもぐしながら)オマエガなー(ビシッと指差す)

収拾がつかず、混乱する法廷。思わず泣き崩れそうになるA子。
その時である。

白:みんな、落ち着け!このお嬢さんの言うとおりだ。

mojaたち、白木を注視する。白木、席を立ち上がる。
白:誰にだって、話す権利はあるはずだ。(亡者を指差し)そう思うだろう?(亡者の反応を傲岸に窺いながら)フンッ、まあいい。
  みんな、向こう岸の亡者共に聞かせてやろうじゃないか。自分が如何に正しく生きたかを。どうだっ?
進:望むところだっ!
久:結果は見えてるけどねぇ。
ゴ:(それに応じてゴリがチェストドラムでアピール)
白:異存はないな。
綺:ちょっとお、訳わかんない!

蝉時雨がはじまる。きららの回想である。娘(EMMA)は体操座りで身をぎゅっと縮めたまま、柵の中で
息を殺している。

綺:訳わかんない…もう、訳わかんない…。


鏡を見ては懸命に化粧を直すきらら。娘が堪えきれずゴホンと咳をする。

綺:ちょっと、あんた、うるさいよっ!
娘:ご、ごめんなさい。
綺:可愛くない。誰に似たのよね、まったく。
娘:…ママに、決まってるじゃん。
綺:なんだって。

きらら、娘に近寄ると髪を引っ張り上げる。

綺:ほんっと、可愛くない。

娘、焼ける様な憎悪できららをねめつける。きらら、睨み返す。

綺:あんたなんか、産むんじゃなかった。

蝉時雨が鳴りやむ。
光、気障に立ち上がりきららの肩に手を置く。

光:メルシー、おてんばさん。まあまあ。

光、mojaの前を自己アピール満点で通り過ぎながら

光:まずこのワタクシが、お手本を見せよう。

演台に立つ光。

光:みなさん、ワタクシの名は光。思えば恥の多い一生を、愛の多い一生を送ってきました。
進:ひっこめ、ひげー。(Bang Bang)
光:スポットライトなんて浴びるはずのない裏道を
Q:暗転しろ、暗転。
光:夜空を照らす綺羅星の輝きを頼りに、ワタクシは歩きました。
賢:ただのチッコーだろ。
光:色んな愛がありました。逃げることも、逃げられることも。追うことも追われることも。
光:ワタクシは、弱かった、ずるかった。しかし!
ゴ:(応じて何か面白いアクション)
光:貴方しかいない、生きていけない。そう縋られてワタクシは…綺羅星たちを愛する以外に、何が
  できたでしょうか!みなさん!

光、ジャケットから朱に染まったシャツを覗かせる。

光:結果は、ご覧の通りでしたが。
進:ケチャップに一票。
Q:二票。
ゴ:ウッホウ(三票)
光:…ワタクシは愛に生き、そして死んだ。これだけは真実だ!真実の愛を勝ち得た
  ワタクシこそが、夜空に輝く満天の綺羅星となるべきだ!
A:(立ち上がり、手を前に組み)す、すて…

台詞を言い終わらぬ間にA子を突き飛ばし席を立つきらら。

綺:ぴかぴかー。
光:キミは…
綺:ぴかぴかでしょー!?もとNo.6ホストの綺羅星光!
Q:まさか源氏名かよ!
綺:あたしのこと、覚えてるっ?
光:(間髪入れず)もちろん。地獄に仏さ、いや女神さまかな?ちぃちゃん!
綺:ちがうけど。
光:(微かな間)ごめん、舌がすべったよゆぅちゃん!
綺:(数瞬の間)…そうだ、思い出したよ。あれはたしか32の夏…
綺:27って言ってましたー。
光:(深刻な間)…それでもそこに、真実の愛はあった!

抱きしめようとする光に鮮やかな右ストレート若しくは目の覚める飛び蹴りを決め
るきらら。

綺:しねぇド外道!
A:…うわー。
Q:だいたいあんたさ、どんだけ女コマしてんの?
光:いや、ほんの107人。
皆:は?
光:でも、×はたったの7つ!

一同、黙する。

光:…セーフ?
皆:(親指を立て)アウトォ!

蝉時雨。光の回想が始まる。男連れの女に声をかけて叩きのめされる光。仰向けに
倒れる光、その顔を覗き込むようにしゃがむきらら。

綺:(親指を立て)アウトォ!
光:だれ、おまえ。
綺:おっさーん。声かけんなら相手みなよー。ばっかじゃないのー?
光:あぁん?おっさん?まだサンジュ…27だぞっ
綺:おっさんじゃーん★
光:なめるなよ、小娘っ!これでもこっちは月間No.3…
綺:(ずいっと近寄り)ほんと?
光:No.4…
綺:ほんと?
光:6、6!ほんとだっ!(恰好つけて)おれの名は綺羅星光、い・ま・は・こんなだけど、必ず満天の綺羅星になt
綺:じゃあ、ぴかぴかー!
光:ぴかぴか?
綺:だって、光でしょ。あたしわぁ…きらら!ぴかぴかきらきら、素敵でしょ?
光:何言ってんだこいつ。
綺:ね、ぴかぴか。(かおを近づけて)つれてってよ。
光:どこに。
綺:ここじゃない、どっか。

蝉時雨が終わる。

進:どうやら、出番のようだな。
進:おい、どけよエロピカ。(ビシッ)
光:…チッ。

進:亡者ども、よっく聞け。みよ、この輝かしい正義の光!私は愛を以て弱きを助け、力を
  以て巨悪をうちのめしてきた。
野次(「嘘つけ」「むしろ、うちのめされてんじゃん」)
進:黙れーい。
進:わからないか、全身から溢れる善のパッション!
進:私が如何に正義を全うしたか、教えてやろう
進:(舞台を走り抜け)お前とお前とお前、こい!

蝉時雨。進の回想シーン。

【】

蝉時雨が止む。

進:こうしてわたしは、死にました。
Q:…ばっかじゃないの?
光:やっぱりただの変質者か。
綺:へんたーい★
進:正義は不屈なんだっ。
賢:薬もらったほうがいいんじゃないのか?
進:おれは、戦い続けるぞ!
光:こいつぁーいかれてるや。
進:不愉快極まりない!
愛:(優しく、おののき)…じゃあ、だれを救えたの?
進:だれを?
愛:そう、誰を救ったの?

また、口々に野次を飛ばすmoja達。進には何も届かない。

進:母も…父も…救えない。

ゆっくり歩き着席。ベルトを見る。

進:何だ、こんなもの。

進、ベルトを外す。

Q:どいつもこいつもだらしがないねえ。
進:だと、こら、ばばあ。
光:聞き捨てならないな、ご婦人。
Q:…やるかい?
進:う
綺:はっくりょくー★
賢:暴力的だな。

Q江、壇上に立つ。

Q:彼岸のみなさま、稼いでますか?車も金も地位も名誉も、何もかも!地獄の沙汰まで金次第
  で御座いますよ、ねえ殿方の皆様。お金がないのは、もっとも重い罪!お金がなければみん
  なが困り果て、うつむくしかありませんのよ。お金さえあればなんだって思いのまま。自慢
  じゃありませんが私の息子達、三人とも立派に育てました。それもみんなお金様のお陰。神
  様仏様お金様!ですよね?みなさん。わたしはありとあらゆる因習を打ち破って、それはそ
  れは懸命に働きました。お金が世を回し、それがみんなの笑顔をつくる。これぞ最大の利益
  !これぞ最高の正しさ!ですよね、みなさま。

Q江、堂々と席に着く

Q:いかが?

Q:そうだっ…わすれてた…わたしのかねっ!


電話のシーンが始まる。注連縄(蜘蛛の糸)を必死に振るQ江。
着信を受けてEMMA。

Q:金、かね、かね!
閻:どーしましたー?
Q:閻魔、わたしの金、どこにやった!
閻:へ?ああ、ちょっと確認しますねー。
Q:わたしは知ってるんだぞ!
閻:あ…おめでとうございます。
Q:えぇ!?
閻:全財産を寄付なされて。死後の善行は功徳マイレージ2割増、2013年の減刑です。おめでとうございます。
Q:は?
閻:残りの刑期は…切り良く4000年。いやー、頑張りましたね。
Q:寄付…きふ?どうゆう、ことだ、閻魔。…そうだ、息子たちはどうしてる!
閻:むすこ、むすこ…ああああ、ありました。どうやら相次いで亡くなられたようで。お悔やみ申し上げます。
Q:…どうして。
閻:手元の資料に寄りますと、相続争いの果ての過労死、ですね。
Q:(無言で電話を切る)
ゴ:(様子が変わって)お前は自由な金の不自由な奴隷だ。
綺:さ、さるさるー?
ゴ:…ウッホ?ウッホォ。
賢:くだらないな、茶番は見飽きたよ。
光:ぼーや、それは、ワタクシたちのことか?
賢:ほかにだれがいる?ちっとも合理的じゃない。
ゴ:ウッホォ、ウッホォ!(ぼくは、ゴリだっ)
綺:さるさるのことじゃないよー?

ゴ:(様子がかわって)お前は自由な金の不自由な奴隷だ。
綺:さ、さるさるー?
ゴ:…ウッホ?ウッホォ。
賢:くだらないな。茶番は見飽きたよ。
光:ぼーや、それは、ワタクシたちのことか?
賢:ほかにだれがいる?だまれよツルピカ。
光:フンッ。みせてご覧よ通り魔、人殺しの正しさってやつを。
賢:言われなくても判ってるさ、愚者。

賢人、演台に立つ。

賢:亡者ども!この僕が、現代知性の最高結晶たるこの僕が、地獄いき?ありえない!

賢人、演台から降りる。

光:え、え、え?
賢:なんだ。
光:ひょっとして、おばかさん?
賢:なにっ。ばかにするなよ?ぼくはなんでも知ってるんだ。
光:ではここでクイズです。
賢:クイズ?ばかばかし…
光:第一問!
Q:一万円札、諭吉が書いてあるのは裏?表?
進:刑法第28条は?
綺:ばなながみっつありました。たろうくんはふたつ食べて、残りは何個でしょう?
賢:そんなの、ぜんぶたべるにきまってるじゃないか!
皆:やっぱりばかだー。

蝉時雨。賢人の回想シーンである。玄関(下手)へと向かう賢人。リビング(上手)
から母(EMMA)が登場する。

母:賢人ちゃん、どうしたの?どこ、いくの?
賢:熱い。
母:?
賢:熱いんだよ、ママ。部屋のエアコン、壊れてる。
母:ごめんなさいね。今すぐ、修理の人呼ぶから。リビングくる?バナナあるわよ?
賢:熱いんだ。
母:なに?
賢:熱いんだ。なにもかも。熱い!

飛び出ようとする賢人。しがみつきとめる母。

母:許して、私が全部悪かった。
母:ママにはあなたしか、いないの。

俯く賢人。

蝉時雨が終わる。

場が煮詰まり、苛立つmoja達。恐る恐る手を挙げるA子

A:(挙手しながら)あのお…
光:おいおい、学級会じゃないんだぜ、お嬢ちゃん?
Q:プッ。お遊戯会じゃない?
綺:おゆーぎかいってなにー?☆
賢:ひとさまを使って遊ぶんだ、お遊びだよ、お・あ・そ・び。
綺:そっか☆(挙手しながら)せんせー、といれー★
ゴ:ウッホウ(僕のバナナ、食べる?)
ヒャハハハハ
ウッホヒャハハウッホッホ

白:やめないか!

一喝され、静まるmojaたち。

白:お嬢さん、さあ、自信を持って(マッチョ笑い)

A子、ぐっと涙を堪え演台に上る。

A:私は、私はいじめられていた!ぼうりょくよりも、つらかった!…でも、お家では
  できる子だから、そう望まれたから!いじめられてるなんて、いえなかった。言っ
  たら家族に、迷惑がかかる。逃げる場所なんて、なかった!死ぬしか、なかった…
  私は、ただしいですよね?
Q:甘ったれんなよ。

Q江、立ち上がる。

Q:あんたみてると虫唾が走るんだよ、小娘。
A:ひどい。
Q:わたしがあの世で一番ふこうですー、みたいなツラしやがって。どーせちやほや、されてたんだろ?

【二人愛】
<<Q>>
蝉時雨。A子の周りを男性陣取り囲み、ちやほやする。女性陣とゴリ、演台に集まる。
いじめのリーダー(Q)、女(きらら)、そしてゴリ子(ゴリ)。

女:なにあれ、ちやほやされちゃってさ。
ゴ:お高くとまっちゃって。ちょっとかわいいからって勘違いしてんじゃない?
女:ねー、やなかんじ。
リ:…こらしめてやる。

リーダー、A子を突き飛ばして輪の中に入る。(A⇒Q)輪が広がり、みなでひそひそ、指さしながら
Q江を取り囲む。

ゴ:かーわいそ。
女:あんな汚いカッコで学校くるから。
リ:ちょっとー、みんなやめなよー、かわいそーだよ?
女:だって、ねー?
ゴ:ねー。
リ:しょうがないじゃん、ビンボーなんだから。
女:うわ、直球ー。
リ:たすけて、あげよっと。

リーダー、Q江に近寄ると輪の中から引っ張り出す。(Q⇒A)(中の輪)

ゴ:いいきみ。
女:ちょっとは懲らしめられちゃえばいいのよ。ねー?(リーダーに同意を求める)
リ:…
女:どうしたの?

リーダー、A子に近寄り手を差し伸べると引きずり込まれる。背中合わせとなる二人。(Q&A)輪は
女、ゴリ子を加え更に広がる。みな顔を手で覆いながら、ひそひそと話し始める。

Q:びんぼーなのが、そんなに悪い?
A:わたし、こんなに悪い子なんだ。
Q:金があったらそんなに偉いの?
A:みじめだな、わたし。
Q:絶対、見返してやる。
A:もう、終わりにしよう。

輪は崩れ、Q江とA子舞台中央に向かい合う。蝉時雨が止む。

<<A>>
A:あなたに、何がわかるの。おばさん?
Q:あんたよりは世の中わかってるよ、小娘。
A:人の気持ち、何にもわからないくせに。
Q:なにおう!?
A:かぞくの気持ち、何にもわかってなかったくせに。
Q:わかってたまるか、あんな奴ら!
A:それはおかしいよ
Q:おかしいのはお前だろ、メスガキ。
A:ずっとずっと、いいこだった。
Q:勝手に生まれて勝手に追い詰められて勝手に死んだ、勝手じゃないか!
A:ちがう!
Q:いーや、ちがわないね。甘ったれのいいこちゃんさ。
A:家族の前ではいいこだったから、いじめられてることを言ったら家族に迷惑がかかるから…だから死ぬしかなかった
Q:言ったじゃないか、自分で稼いだ金で、息子を立派に育てたって!
A:でも、かぞくはしあわせになんか、なってない!
Q:お前だって同じだろ!家族を不幸にした!弱虫で甘ったれた小娘が!
A:いじめなんて…もし言ったら、パパもママも苦しんだ!
Q:どーせたいしたことないんだろ?弱虫!努力もしなかったくせに!
A:何にも、知らないでしょ、ばばあ!
Q:あたしは、死になんかしなかった!自分ひとりで、金の力で這い上がった!
A:お金さえあれば、幸せ?
Q:そのとおり!
A:まちがってる!
Q:甘ちゃんのお前に、何がわかる
A:わかるわけない!ひとりでいきてた顔した、あんたなんかに!
Q:お前も一緒じゃないか!人知れず死ねば、迷惑がかからない?ふざけるな!
A:お金のことばっかりで、息子さんたちのことなんて、家族のことなんて考えてもいなかったくせに!
Q:家族がお前を失って、どうおもったと思う!
A:わかんないよ!…もう、死んじゃったから。

互いに絶句。蜘蛛の糸を指差すQ江。

Q:あんたも、きいてみるかい?
A:いい。
Q:何故。
A:いま、わかったから。

ふたり、見詰め合う。A子は手を差し伸べ、Q江は震える手でそれをつなぐ。そして抱き合う二人。

妙に強張った雰囲気のmoja達。

綺:ねーみんな、どーしたの☆あそぼーよ★
ゴ:ウホッォホッホ!
賢:うるさい。
綺:えー、何怒ってるの?
賢:黙ってろよ!

賢人、ブラウスを剥がす。体中に痣が垣間見える。

綺:…ふぇーん
賢:泣くなょ…お前いったい、幾つなんだ?
綺:…やっつ。
光:え。

蝉時雨がはじまる。きらら、そして母(EMMA)。

母:訳わかんない…。なんでなんだろう。
母:あんな軽薄なやつ。出会うんじゃなかった。
綺:…おとーさんのこと?
母:きらら、うるさい!

きらら、娘に近寄ると髪を引っ張り上げる。

母:ほんっと、かわいくない。
綺:ぴかぴかパパ…
母:うるさい!あいつはあんたを、わたしを捨てたんだ!
綺:パパ…

蝉時雨が鳴り止む。

光:どうゆう、ことだ…

光:やめろ、やめろ、やめろ!
綺:ぴかぴか?
光:近寄るな!
綺:…パパ?
光:やめろ!

きららを突き飛ばす光。そこにしがみつくきらら。

綺:おいてかないで。

賢人、二人の間へと飛び込む

賢:逃げるな!現実に立ち向かえよ!
光:ぼうや、これが現実だ。
綺:ちがう、ちがう、ちがう!こんなの、現実じゃない!

怯えながらも近づくゴリ。退け腰ながら、精一杯の勇気で近づく。

ゴ:ウホッ(バ、バナナ、食べる?)
光:ゴリ…お前…
綺:さるさるー…
ゴ:ウホゥ(ぼぼぼぼくのバナナ、食べる?)
綺:…フッ、あははは
光:クッ、くくく
賢:合理的、じゃないな…ははは、ハハハハ。

賢人、きらら、そして光が席へと戻る。皆が俯き、静まり返る法廷。余裕の笑みを浮かべるのは
ただ独り、白木のみである。

進:お前いったい、何なんだ。何様なんだよ?
白:知りたいか?

白木、演台に立つ。

白:地獄の諸君、ご機嫌よう。みたか、この亡者共の醜い姿!自分が、自分が、自分が!
  私は、断じて違う。諸君、思いだせ。誰が私たちを地の底に追いやった?誰が熱くて
  苦い汁を私たちの口に注いだ!?(上を指し)あいつらだ。甘い夢を貪って生き、安楽の
  内に眠る様に死んだ豚のような奴等。忘れるな。あいつらから受けた痛みを、苦しみを!
  約束しよう。私は、諸君らの怒りの代弁者だ。さあ、いまこそ蜂起の時だ、立ち上がれ!
  (客席、反応が無い)どうした?怒りすらも諦めに変えたか?さあ、立ち上がれ!(客席、
  反応が無い)…どうした、どうした?…何故、なぜ、なぜだ!

白木、舞台中央に跪くと蝉時雨。白木の回想が始まる。舞台裏から心(EMMA)が現れる。

白:なぜだ!

打ちのめされる白木。

心:なぜだ、なぜだ、なぜだ。
白:(これで)終わりか?
心:矛先を向けるのは俺じゃないだろう?
白:諸君、相手を間違えたな!!
白:…覚悟しろよ(にらみまわす)
心:善悪の区別もつかないのか?…お前等は、俺の駒だろう!?
白:まだ、間に合うぞ…
「てめえ」(白木、殴られる)
心:ついてきたのはお前等だろ?
白:諸君を救えるのは、俺だけだ。
心:世界はまだ、俺を必要としている。
「そうゆうのがうざいんだよ!」「殺してやる!」
(制して)「いいのこすことはないか?」
白:地獄行きだぞ、虫けら共。
心:さあ、平伏せ。
(白刃がきらめく)
白:…おい、何を考えてる。
心:まさか、そんなはずは。
白:諸君、考え直せ。
心:そんな、ばかな。なぜだ。
白:落ち着け。何が正しいか、よーくわかってるはずだ。
心:…しにたくない。
白:やめろ
心:しにたくない。
白:諸君!考え直せ!
(そして振り下ろされる)
心:しにたくない!
白:しにたくない!

蝉時雨が止む。

Q:ひとりだったんだねぇ。
白:…だまれ!お前みたいなやつがいるから、地獄は益々深くなる!
A:さびしいの?

A子、白木ににじりよる。

白:寄るなっ。
A:さびしかったんでしょ?
白:やめろ。
A:だいじょうぶ。
白:うるせぇ!

白木、A子を盾に取る。

白:腹を裂かれる痛み、知ってるか?知るわけねえよな、友達ゴッコで自殺したクソ女が!
  くそう、復讐だ、復讐だ、復讐だ!天国だって、地獄に変えてやる!
A:知ってる。
白:あぁ!?
A:心が裂かれる痛みなら、知ってる。
白:…俺は、おれは、オレハ、マチガッテナドイナイ!

蝉時雨、進の回想シーン。父(白木)、母(A子)、そして幼いころの進少年(ゴリ)。

父:てめぇ、このクソ女。ぶち殺してやるっ
母:やめて、あなた。落ち着いて!
父:おれは、まちがってねえっ、あくま。
母:やめて…進、進…
少:やめてよ、やめてよ、やめろ、やめろ、やめろ、やめろって言ってるだろおおおお

蝉時雨が止む。

進、白木に飛び掛り棍棒を振り下ろす。倒れる白木。

進:…!

再び棍棒を振り上げると、A子が身を挺して白木を庇う。

A:(ただ、強く進をみつめる)
進:おれは、セイギだ。

また振り上げられた棍棒。ゴリがそれを奪い返す。

ゴ:(様子が変わって)気は済んだか?

再び皆が俯き、静まり返った法廷。今度は誰も笑うものなどいない。

閻:あれー、みなさーん、まだ決まってないんですかー?

Q江が首を上げ、閻魔を睨み据える。

Q:閻魔、どうしてる?
閻:はいー?
Q:私の息子たちは、どうしてる?
閻:修羅の地獄に。貴女の仏前で永劫の殺し合いを。
Q:案内しろ。そこに。
閻:よろしいのですか。過酷なものですよ。
Q:母親の棺桶から金を失敬してったんだ、尻叩くぐらいじゃ気が済まない。
  てめえのガキのケツくらい、てめえで拭くわ。
閻:…畏まりました。では、こちらへ。道行(みちゆき)お供致しましょう。
Q:(振り返り、ここで全体へと名台詞。)

Q江、閻魔と共にハケル。しばらくの間。意を決したかの様に賢人が立ち上がる。

賢:僕は、賢いんだ。引き際ぐらいは心得てるさ。

賢人、ハケテいこうとする。

綺:待って。

賢人、振り向く。

綺:私も、連れてって。
賢:有り得ない。お前は、来るべきじゃない。
綺:だって、上のひとたち、いいひとばっかなんでしょ?きららのことなんて、判りっこないよ。
賢:…
綺:ね、いいでしょ?勉強、教えてよ。
賢:…くく。
綺:え?
賢:俺にも九九、教えろよな。
綺:じゃあ。

賢人、すたすたと先に進む。弾む様についていくきらら。しばらくして我関せずを
決め込み目を瞑っていた光、かっと目を見開き、立ち上がる。

光:娘は渡さーんっ!

光、駆けながらはけ、そして転ぶ。立ち上がると恰好を取り繕い、皆の側を向く。

光:ゴリ、ヒーロー野郎にマッチョバカ、それに、お嬢さん。よき決断を。アデュー。

光、取り繕うのを止め「きららーっ!お父さんすぐ行くぞー!」と叫びながらハケル。
またしばらくして、白木が立ち上がる。

白:わが道を行こう。これでこそ、地獄だ。
A:待って。
白:…うるせぇ。

白木、全てに目を背けながらも全てを納得したようにハケル。取り残されたA子
と進、そしてゴリ。進もまた、立ち上がる。

A:いっちゃうの?
進:…悪を地獄の底まで追い詰めるのは、正義の仕事ですから。
進:(ここでゴリに名台詞)

進、何も変わったことなどないかの様に、どこからともなく聞こえる
ウェストサイドストーリーの調べと共にハケル。取り残されたA子とゴリ。

A:ねえ、おさるさん。
ゴ:ウホォ。
A:おさるさん、ふたりのこと、助けてくれたんだよね。

ゴリ、不機嫌そうにそっぽを向く。A子、ゴリの頭を優しく撫でる。

A:みんなのことも。ありがとう、おさるさん。
ゴ:ウッホォ…。
A:じゃあ、わたし、もう行くね?

A子、ゆっくりとハケていこうとする。すがる様に泣くゴリ。振り返るA子。
A:(ここでゴリに名台詞)

そして誰も、いなくなった。独り残されたゴリ。何かを真剣に考えているよう
で、何も考えていないようである。そこQ江を送り届けた閻魔が再来す。閻魔
、舞台上を見回す。

閻:やはり、こうなった…

閻魔、ゴリの足元に駆け寄り膝まづく。

ゴ:ウッホ?
閻:お楽しみ戴けましたか?

ゴリ、悟理へと早変わる。

閻:神よ。
悟:楽しませて貰ったよ。
閻:如何でしたか?
悟:ああ、人は救いがたい。ばかばっかりだ。産み増えることに熱心で、死ぬことを忘れたがる。土くれにすら戻れない
  塵芥ども。こごえて身をすりよせるのに、息苦しくて互いの首を絞めあう。全く、救いがたい。
閻:では、やはり。
悟:ああ。我が孫娘、大地から人を掃き捨てる手筈は整ったか?
閻:はい。ここに書類が。二千と四十八年、人は己の首をしめます。あらゆる価値は無価値に。ひとのいとなみは久しく
  絶えて…(慙愧の念を堪えきれずに俯き嗚咽す)
悟:よろしい、渡しなさい。

EMMA、震える手で悟理に渡す。

悟:全て、白紙だ。

悟理、書類を破り捨てる。

閻:えっ?
悟:そして愛しい孫よ、すまないが急ぎの仕事だ。ひとをよーく見張れ。勝手に滅びたりなどせぬように。
閻:それではっ
悟:私もここに残ろう。興味が湧いた。(上手を向き)あいつらが(面を向き)そいつらが!生まれ変わったら
  どうなるか、さいごまで見届けてやろう。
閻:おじいちゃん!え、でも(天を示し)あっちは!
悟:心配ないさ、それにあいつら

悟理、ゴリへと早変わる。

ゴ:いいこちゃんばっかで、たいくつなんだ。ウッホ。

ゴリ、舞台から駆け去る。

蝉時雨。

閻魔、蜘蛛の糸のもとに立つ。蜘蛛の糸を断つと、蝉時雨が止む。

閻:愛してる。

堂々と一礼。みな同じ道をすすみ、そして暗転。
最終更新:2012年08月20日 08:10