不肖私めが謎から離れて何かを語るとすれば、やはりパズルくらいしかありません。
(「初体験以来15年間の男遍歴」は断腸の思いでボツにしました)
パズルは、謎解きイベントでもよく用いられますが、
今回はその側面は無視して、ざっくりと競技パズルをご紹介しようと思います。
■競技パズルって何?
競技パズルという言葉には、一般的な定義が存在するわけではありません。
「定められた数のパズルを制限時間内に解いて、それによって得られるスコアを競うもの」
を、ここでは競技パズルと呼びます。
競技パズルの大会は、大きく分けると2種類あります。
PC環境とプリンタが揃えば気軽に参加できます。
事前に鍵付きの問題ファイルをダウンロードし、
しかるべきタイミングで公開されるパスワードで開いて印刷、
コーヒー片手にちょちょいのちょい。
各大会ごとに独特の雰囲気があります。
会場に行って受付して席につき、
しかるべきタイミングで配布される問題を開いて、
消しゴム片手にちょちょいのちょい。
出される問題は、基本的にはナンプレやスケルトンパズルなどの論理パズルです。
大会によってはクロスワードや漢字パズルなどのワード系も入ってきます。
リアル大会の場合は、いくつかのラウンドに分かれていてその合計点で競うことが多いです。
実際にどんな大会があるのかを最後に載せておきましたので
興味がある方は覗いてみてくださいね。
■何が面白いの?
パズルは一人で解いても十分楽しい物ですが、
皆で解くと更に楽しいものです。
競技パズルの場では、他の人と切磋琢磨し、
自らの実力を知ることで、上達が速くなります。(※個人の感想です)
ラウンドの空き時間に近くの人と感想戦やパズル談義をするのも楽しいですし、
もし会場に問題の作者がいれば、感想を伝えたり作問の経緯を聞けたりしますよ。
■競技パズルの持ち物(リアル大会)
- 時計
- 鉛筆orシャーペン
- 消しゴム
- 下敷き(人による)
- 耳栓(人による)
- 色ペン(赤は採点に使われるので避けよう。人による)
- アイマスクと枕(時間が余った時に寝る用。人による)
■競技パズルを解くときの流れ
ラウンド開始から終了まで何をすればいいのか、
順番に見ていきましょう。
これらが完璧にできれば、あとはあなたのパズル力しだい!
①全体を眺めてどの順番に解くかアタリをつける
何も考えずに最初の問題から解き始めるのは得策とは言えません。
それぞれの問題の難易度は、おおむね配点に沿っているはずなので、
自分の実力と相談しながら考えましょう。
上級者になると、この時点で地雷やボーナス問題が分かるようになります。
更に上級者になると、どうせ全部解けるのでこの作業を省くこともあるようです。(要出典)
②普通に解く
実際にペンを動かして解いてみましょう。
これまでに学んだ定石や手筋でゴリゴリ進めます。
スルスルっと解けたら⑥へ。
詰まった時は③へ
③頑張るか、否か
問題を解く手が止まりました。
いまどれくらい埋まっているか、この問題の配点はどれくらいか
この種類のパズルが得意か苦手か、時間はどれくらい残っているのか、
様々な要素と相談しながら頑張るか否かを決定します。
④理詰めの道を探る
盤面全体を俯瞰で見直し、理詰めの道を探ります。
特徴的な数字の並び、作者が分かるならばその人のクセ、
大局的な解き筋、過去に解いた問題との比較、その場で編み出した新手筋、
などによって解き進められることでしょう
⑤仮定法で解き進める
適当にマスを埋めて解き進め、正解にたどり着けばラッキー、
破綻したなら最初の埋め方を変えてやり直し。
問題の種類や解く人の性格によって④と⑤の順序や比率が変わります。
⑥見直しをする
問題が解けたらその場で見直しをしましょう。
後からミスに気づいても何でそうなったから忘れていることが多いですから。
(ちなみに私はよく忘れます)
⑦次の問題へ
順調に言っているなら①で決めた順番でよいでしょう。
想定していた難易度と差がある場合や、
予定より時間がかかった場合、気分が変わった場合などは、
計画の変更を迫られることとなります。
⑧タイムアップ
②から⑦を繰り返し、時間が来たら終了です。
もし、タイムアップより前に全部解き切ったときには、
あと一周だけ見直しをしましょう。すごいね。
あ、そうそう、ネット大会の場合は、
「専用のフォームに解答を入力して送信する」という手順が発生しますから、
①や⑦⑧のあたりでそこらへんも考慮に入れましょうね。
■世界パズル選手権について
年に一度、世界中のパズル好きが集まるのが世界パズル選手権/世界ナンプレ選手権です。
世界最大の競技パズル大会といえます。
開催国は年によって異なりますが、ヨーロッパが多いですね。
この大会にはワードパズルは出ませんが、大会のルールなどは英語が基本です。
パズルのルールや例題が載ったインストラクションが事前に公開されているので、
英語が苦手な選手は事前に読み合わせをして大会に臨みます。
世界パズル選手権の強豪国はドイツ、アメリカ、日本
世界ナンプレ選手権の強豪国は中国、チェコ、日本
日本チームはねえー、強いは強いのだけれどもねえー、
個人や団体での優勝があんまり無くて、
表彰台の左右を暖め続けて…いた!けど!でも!今年は!
どちらの大会でも優勝を連発!嬉しい!すごい!みんな強い!偉い!わーっ!!
詳しい結果などは
こちらのページをご覧ください。
世界大会に向けた日本予選も行われておりまして、
最近の私は、この日本予選を開く側としてかかわることが多いです。
インドで行われた今年の大会には、
日本選手団の付き添いとして、私も久しぶりに参加してきました。
いやー、みんな若い。ぴちぴち。しかもめっちゃ解ける。
年を経るごとに日本予選突破に必要な実力が上がってる気が致しますね。
日程の合い間や行き帰りの飛行機で選手たちがやること、何だと思います?
パズルですよパズル!ストップウォッチ持って!バインダー使って!
あ、ここは昔のおいらと同じだわ。伝統ってやつだね。
あとはカードゲーム。ごきぶりポーカーとSETをやったかな。
何年か前には6ニムトで夜通し遊んだこともありました。
インドはね、料理が最高!
インドは料理がうまい!カレーしかないけど。
カレーしかないしカレーには飽きてるんだけど一口食べたらもう止められない。
あとインドは男前ちゃんが多くて困ったなあ。
作りものじゃない日焼けって、いいよね、うん。
なんか、日本で見かけない髪型がインドでは流行ってるみたい。
横刈ってて上はブロッコリーみたいになってるやつ。
ブロッコリー、ひと口食べてみたかったなあ(遠い目)
にゃ
■おわりに
今回紹介した競技パズルで用いられる問題は、
紙とペンで解くために作問されたもので
ペンシルパズルやリトゥンパズルと呼ばれます。
そのほかにも、世の中には様々なパズルがあります。
- 寄木細工やルービックキューブなどの立体パズル
- キャンディクラッシュや対戦ぱずるだまなどのパズルゲーム
- 新聞配達経路やガチャのコンプ確率などの身近な数理パズル
- 今なら忘年会のスケジュール調整で悩んでる人もいるでしょうね。
いずれも、苦労して取り組むほど、解けたときの感動が増すものです。
ちなみに、私が二丁目の飲み屋で時々言われるセリフがこれ。
「そんなにパズルばっかやってないで人生のパズルを解きなよ。」
競技パズルを続けていけばいつかそれも解けるのでしょうか。
…というか人生のパズルって何?
皆様も一度や二度は何かしらのパズルを解いたことがおありかと思います。
競技パズル、いかがでしょう?
最終更新:2017年12月01日 20:12