94 名前: 774RR [sage] 投稿日: 2007/10/29(月) 23:44:38 ID:c7qEaDRs
高校3年間+大学一年間付き合った彼女と別れた。
彼女はずっと夢見てきた海外に留学することを決めた。
別れた原因はもう会えないから・・・との事。
別れの朝、愛車のビラーゴで、彼女と日の出を見にいった。本当に綺麗だった。
「もう二人で見れないね」
彼女が泣いた。俺も泣いた。
ビラーゴのクロームメッキが、光り輝いていた。
あれから3年経ち、就職先もほぼ決まったようなものだ。
ふと朝日が見たくなり、俺はあの思い出の場所へと走らせた。
ふらふらになりながらも着いて、ふと看板の裏側に目が留まった。
○月×日:□□が好きだよ
○月×日:□□ー!!
○月×日:□□ごめんね、私が馬鹿だったんだ。
彼女は毎年帰省していて、この山に来ていた。
俺は時間を改め彼女の実家に電話をかけた。
お母さんが出て、名前を言ったら、「あら、久しぶりねー。元気だった?」
軽く世間話をした後、俺は彼女はどうしてますか?と尋ねた。
・・・愕然とした。
彼女は半年前に交通事故で亡くなっていた。
この朝日を見にきた帰り道、トラックと衝突して。
俺は彼女の実家を訪ね、線香をあげた。
ふと胸の奥で留めていた想いが溢れ出た。
泣いた。彼女と、彼女の母親の前で泣いた。
俺もずっと好きだったんだ。
でも会えないんだから、と自分に嘘をつき続けた。
彼女が乗っていたのは、俺と同じビラーゴS。知らない間に免許も取って買ってたんだな。
これで俺とツーリングできるね、なんて話をしていたそうな。
でも、もう会わないと言ったのは私だし、と帰省してる間も連絡をとろうとしなかったらしい。
お母さんが、彼女がつけていたというお守りをくれた。
それは俺が別れの日、彼女にあげたものだった。
後日、俺はまたあの朝日を見に行った。
クロームメッキが眩しいくらに輝いていた。
最終更新:2008年02月06日 16:15