424 名前: 774RR [sage] 投稿日: 2007/12/14(金) 21:37:24 ID:2OORJ0kZ
 「泣けた」と言うか、自分が勝手に心に残った話で恐縮なのだけど…。

 例の震災の時の話。俺の住んでたとこも、壊滅的な打撃では無いにしろかなりの被害を被った。
 当時の俺は、バイクになんか何の興味も持ってなかった小学校の高学年。
 自宅は辛うじて原型を留めてはいたものの、余震の恐れもあって避難所暮らしを余儀なくされていたものだ。
 漠然とした不安を抱えながら毛布にくるまって震えていたのを今でも昨日の事の様に思い出す。
 で、その避難所で3日目を数えた朝、表の方から何やら聞き慣れないエンジン音が聞こえてくる。
「…?」窓から覗いた俺の目に、妙に腰高で野暮ったいバイク(その頃はまだ『オフロードバイク』という言葉すら
知らなかったのw)に跨った5~6人ほどのライダーの姿が映った。

「自分たちに手伝えること、何か無いですかね?」
 聞くところによると、伊勢・志摩近辺をツーリングしてたバイク乗りの一行が矢も楯もたまらずに駆けつけてくれたらしい。
 正直、そうした勝手連的な外部ボランティアに出来る行動はごく限られたものだったのかも知れないが、まだ傷跡も
生々しい瓦礫の中で、救援物資を積み込み避難所やら連絡所やらの間を何度も何度も縦横無尽に駆け回る彼らの
姿は、舗装路を風の様にかっ飛んでいくレーサーバイクの何十倍もかっこ良く、そして頼もしげに感じられたものだ。
 結局その人たちはふた晩滞在して帰路についた。で、帰る前の晩に炊き出しの鍋を前にリーダー格らしい人と一通り話を
したのだけど、東北訛り?っぽい口調で語ってくれた彼の最後のひと言が今でも忘れられない。
「あんまり役に立てなくてごめん。でもさ、バイクは…いいよ!君もいつかバイクに乗れる日が来たら、俺らのとこに遊びに
おいで。そして一緒に走ろうな!」

それから10年以上もの月日が流れ、俺も今じゃあバイク乗り。しかもあの日の彼らの印象が強烈だったせいか、乗ってる
バイクはオフ車です。スポーツツアラー乗りの友人には「ダッサイなあ、自分w」なんてバカにされてるけど、そんな事は気にしない。
 あの時に奔走してくれた人たちももういい歳なんだろうな。連絡先をメモった紙も無くしちゃってもう彼らに再び出会う術も無いの
だけれど、彼らに会わなければバイク乗りとしての自分も存在しなかった様に思う。

 あ~、これ書いてたらふらっと旅に出たくなってきたよ。チラ裏・長文ごめんw



451 名前: 774RR [sage] 投稿日: 2007/12/16(日) 20:18:52 ID:/wQZR/5D
≫424です。2日振りにこのスレを覗き、意外にも拙文にレスして下さる方々がいらして汗顔の至り。
「各方面に働きかけて捜してみろ」とのご助言まで頂き、甚だ恐縮しています。
ん~。でもね、お会いしたいのは山々なんですけど、不思議なもので現在の自分としてはむしろ彼らに
「今もあの日のままで走っていて欲しい。そしてかつての俺みたいなバイクのバの字も知らない子供に
『バイクっていいもんだな』という憧れを抱かせる存在であり続けていて貰いたい」と願う気持ちの方が
大きいんですよ。自分にとっての『一期一会の存在』であって欲しい…とでも言いますか(言葉足らず、申し訳ない)
だってこんなん、今考えると数多ある被災地のうちの一つで、ガキが何気なく遭遇したたった2日間のうちの一コマでしかありませんし、
そんな個人的な感慨で他人様のお手を煩わせるのも気が引けますしね。
(何よりも、今更ながら再会した時「え~っと、あんた誰だっけ?」って言われるのが一番怖い←半分冗談w)

でもホント、皆さんからのレスを頂き嬉しかった。バイク板っていい人、多いね。
自分の書き込みへのレスに貰い泣きする…ってのも妙な構図だけど、
俺もあの日の彼らの様な『他人の心を揺さぶる事の出来るライダー』になりたいな!との思いを新たにした所存です。
その日はまだまだ遠いけど、それまで何とか持ち堪えてくれ、俺のオンボロDR-Z!
(これまたウザったい長文でご容赦をば)

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最終更新:2008年02月07日 20:10