773 名前: 774RR [sage] 投稿日: 2008/01/09(水) 17:29:48 ID:U3sA4tk7
んじゃまぁ、皆も気をつけろよ…という警句も込めて書かせてもらう。
まず初めに断っておくが重い話になるので、嫌ならヌルーで。
何処かの漫画の台詞ではないが、年を取ってからのバイク病は重いという言葉は本当だ。
18の頃に某変態製のSSを見て以来ずっと乗りたいと思っていた。
大学卒業後に中免、2年後に大型を取得、ねんがんのジーエスエックスをてにいれたぞ!
その頃職場に中途でやって来たAもバイク乗りと言う事で話は弾みよく夜中に二人で出かけている(現在進行中)
しかしそのAはその道ではかなり名の知れた、所謂”走り屋”というヤツで俺なんかではとてもついていけない。
その日もAと一緒に夜中にふらふら~と出かけて行き、高速をかっ飛ぶAの姿はあっという間に見えなくなった。
しばらく走ると急に高速の流れが悪くなった。
高速で流れが悪くなる事=事故だ。
左右に止まるクルマを縫うようにバイクの特権すり抜けで道路を進むと、目の前にはAが駆る車体が転がっていた。
うわああああああ!!!
ヘルメットの中で俺は絶叫していた。二人揃って貧乏な俺達はバイクを走らせる金を捻出するのも精一杯で
その日のAは「もうそろそろタイヤがやばい」と言っていたのを思い出した。
ふと前方に目をやると赤いアルファロメオ、黒い国産(?)セダンが止まっている。
どっちだ!?ぶつかったのはどっちだ!?それよりAは何処にいる!?
俺は単車を止めて道路を探すとAと思しき人間が仰向けに転がっている。
A!!叫びながら駆け寄るがピクリとも動かない。
しかし…よく見るとツナギを着ていた筈なのにツナギ姿では無く、ヘルメットも違う。
どうやら別人のようだ。緊張の糸が切れてへなへなと地面に座り込む。
が、すぐさま我に返る。
目の前で転がっているこの男性、事故を起こしてどれくらい経つ?応急処置をした形跡は全く見えない。
知っている人も多いだろうが、心配停止後の5分以内に蘇生処置が行われるか行われないかで被害者が助かるか
助からないかが大きく分かれる。
俺は迷わずヘルメットに手をかけた。
「素人が触るな!」
黒いクルマのドライバーと思しき中年の男が怒鳴った。予想もしていなかった方向からの声に一瞬肩がビクリと震えた
が俺は中年を睨み付けて
「僕には目の前で死に掛けている人を見殺しにする事は出来ません!」
と言い放ちヘルメットに再度手をかけた。
ちなみに俺は素人ではない。
事情があって医者の道を諦めたがその業界の人間として常人より多少は医学や応急救護の心得はある。
すると傍らにいた赤いアルファロメオの中年の女性ドライバーが俺に声をかけた。
「私が見つけた時には既に心配停止状態で意識もありません。鼻からの出血という事は脳の底部を強打している可能性が高いです」
一瞬何を生意気なこの女…と思ったが話を聞く限りただの通りすがりではなさそうだ。
「私もERでの勤務経験がありますからお手伝いしましょう」
成る程…この女医者か、ならば話が早い。
ドクターの連れが頭部を押さえ、俺はヘルメットを脱がす。
ヘルメットの下の男は目を閉じたままピクリとも動かない、血は鼻だけではなく口からも出ていた。
勿論自発呼吸は無い。
口元から溢れる血を拭おうにも生憎タオルと言ったものの類は持ち合わせていなかったが、俺より先に現場にいたメガ
スポーツの人がタオルを貸してくれた。
赤黒い血を拭い、男の首を少し動かして彼の鼻を押さえると俺は大きく域を吹き込んだ。
男の胸が吹き込んだ息で上下する。
が、同時に鼻から吹き出る血…血?違う、血はこんな鮮やかなピンク色はしていないし小指の先程の塊なんて出ない。
脳だ。転倒した衝撃で頭から壁に突っ込み脳挫傷を起こした結果の脳漿だった。
流石にもう助からないのはわかったが、それでも彼をこのままにしておくのは忍びない。
俺は血と脳漿を浴びながらドクターと心配蘇生措置を行った。
それから少しして救急車がやって来た。後は彼らに任そうと思ったが、この男の名前も何もわからない。
そんな時に男の携帯電話が鳴った。相手は交際相手らしい。
サイレンと騒音の中で俺は言った。
「突然の事で驚かれるでしょうが、落ち着いて聞いて下さい。今この電話の持ち主の方が意識不明の重態です。
この方のお名前とご家族の連絡先を教えてください」
「え?」
相手は状況が把握出来ないようだ。俺は同じ言葉を繰り返した。
二回目には「私はどうすればいいんですか?」と泣き崩れてしまった。
その後どうにかして男の氏名と住所を確認出来たので、疲れ果てた俺はAに連絡を入れて今日はもう帰る…と言ったのだが、
事故を起こした男の事が気がかりだった。
明け方の午前3時くらいに救急隊から搬送先の病院が告げられた。
行ってどうにかなるワケではないが、動かずにはいられなかった。
しかし病院までの道がわからないので運助を捕まえその後についていく事にした。
到着後、救急外来の待合室に青い服を着た公僕がいるのを見つけ、事故の事を問い合わせてみた。
やはり彼は死んだ、それも即死の可能性が高かったという事だ。
ヘロヘロになって家に着いたのが午前10時過ぎ。
案の定2chには件の交通事故でのスレがいくつか建ち言いたい事ばかりが書かれていた。
そして事故の当事者が生前に出入りしていたスレッドに一つのレスがついた。
774RR 投稿日: 2007/06/11(月) 00:11:15 ID:ZVtIzEeO
≫331
彼がここをよく見ていたので、もしかしたらと思って探してしまいました。
そんな状況で諦めないでくれて、本当にありがとうございました
俺はこの出来事を忘れる事は無いだろう。
お前らも無事に朝日が拝める感謝の気持ちを忘れずにライディング・ライフを送ってくれ。
最終更新:2008年02月06日 20:23