吸血種

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*吸血種/Vampire [[カラシュ公国]]の支配種族である。 カラシュ以外に住まう人間たちからはさまざまなイメージが持たれるが、その多くは迷信や偏見に過ぎない。 その闇の種族に光を灯すべく、[[スルガ]]の令和教授によって現代吸血種の歴史や生態、文化が調査された。以下はその要約である。 *暗黒の神話 世界創成期〇世紀頃。 ヴァルデマールの始祖は人類種の領主であった。その一族は残虐で好戦的な領主として知られていた。 当時カラシュの地は飢饉に見舞われており、ヴァルデマールは家族を飢餓から救う手段を探し求めていた。 彼らが辿り着いた結論は恐ろしいものだった。亜人種の血肉を食すことで生きながらえようというのだ。 そうすれば作物を必要とする人間の割合は減るし、人口自体も減るだろう。 当時人類と生存領域を争っていた豚人や牛人、鶏人が犠牲となった。誘拐が行われ、あるいは軍勢を持って村を焼き、奴隷を食料として連行した。 亜人種は優れた環境適応能力を持っており、環境に応じて自分たちを造り替える特性を有していた。 亜人種を体内に取り込むことにより、ヴァルデマール家の人間たちも人間ではない存在へと変質していったのである。 飢饉と食糧難が去ってもヴァルデマール家や逸脱した貴族たちは亜人種の肉を採り続けた。もはや穀物は受け付けなくなったのである。 その肉が人肉になるのにそれほどの時間は掛からなかったが、貴族たちにとっては人肉よりもむしろ血が美味に感じられ、空腹も栄養も満足させた。 都合の良いことに吸血行為は人間を刃物で切り刻む必要もなく、血の量を気を付ければ犠牲者がそうそう死ぬことも無くなった。 こうして彼らは吸血種/Vampireと呼称されるようになった。 吸血種は広義の人類であり、広義の亜人種でもあるのである。 吸血種は人類と交配が可能である。子は吸血種か人類のどちらかとなる。 そのため、吸血貴族家に人間として生まれてくる者もいる。 *身体的特徴 -外見上は人類種と大差がない。 -牙は出し入れできる。 -犬歯は大きい。 -&bold(){鏡や写真やカメラに映らない。理由は不明。自身の姿を確認する手段が無い。その反動で身嗜みや外見への評価には非常に気を遣う者が多い。信頼できるコーディネーターに美容を任せることになる。} -新聞記事やパスポートには肖像画が描かれることになる。 -体温が冷たい。 -固形物を口にしない。胃が退化している。 -排泄しない。 -生きていくために人類種の血液が&bold(){一日に300ml}必要。 -直射日光を浴びるとアレルギーが発生する。 *カラシュの末裔 吸血種たちの多くは裕福な経済基盤を持つ地主(=領主)であり、快楽主義的で自堕落的である。衣服や芸術など、様々な娯楽を愛する。 特にパーティーを開くことは彼らにとって重要な行動である。どんな形であれ自らを教養溢れる文化人と自認している彼らは、現代のトレンドを話し合ったり、自分の新作を発表する場を常に求めているのである。 こうした集会の場では誰が誰を呼んで誰を呼ばなかったかであるとか、弁舌や作品によってどれだけ相手に印象を与えるかが、貴族社会での評価に直接繋がることになる。 綿花などのプランテーション。そして交通や情報の発達により、株式や投資などの話も活発に行われるようになった。とはいえ、それを嫌う保守派は多く、そういったパーティは若輩会と呼ばれている(古いパーティは長老会)。 *長老と若輩。家督争い 吸血種社会は男女同権であるが、家主であるか、そして後継者である長男長女であるかで大きく地位が異なる。 土地の分割相続を避けるために、長男長女が家の財産すべてを相続する。 それより下の子供は長男長女のスペアか、政略結婚の道具でしかない。家と兄のために死ぬまで無償で働く義務を負う。 家庭内での地位は家主の妻子よりも下であり、自分の甥や姪からも下男として扱われる。 そのため、兄弟間の殺し合いや家督争いは頻発している。 近年では家を離れて一から事業を興すものや、[[ヤード本国>リントヴルム朝ヤード帝国]]や[[リンディスヴァート制憲諸邦同盟]]で仕事を探すものものが増加した。彼らは「若輩」と呼称され、伝統を遵守する保守派「長老」から見下されている。 *誘拐団・密猟団 この国では有力領主はそれぞれ私兵集団を有しており、その活動はレオネッサのマフィアに類似した犯罪集団である。 彼らは吸血種の領主の食料を確保するために自領内、あるいは狩猟区と呼ばれるエリアから人間を誘拐していくのである。 そういった私兵集団を持たない吸血種は奴隷市場を利用することもある。美しい血袋には美味な血が入っているのである。 現在ではラパルナ族の密猟(国境侵犯しての拉致)がしばしば行われている。 *血の味 吸血種が犠牲者を選ぶ際には血の味が大きな理由となる。 吸血種は居を構えると、好みの味を探す作業を行う。 血の味は年齢や性別、体調、精神状態で微妙に変わる。 アルコール中毒者の血を吸って自分も酔いを愉しんだりもする。 アルコール中毒者の血も含め、薬物中毒者の血は吸血種にとって危険である。 血の味は犠牲者が持つ「美徳」「悪徳」によっても左右される。 そのため、吸血種は吸血によって犠牲者の美徳と悪徳を把握できる。 &bold(){【血袋/Blooddoll】} 個人的な友好関係故に、あるいは支配者への献上として、またあるいはビジネスとして、この人物は吸血種に己の血を捧げています。 *迷信であるもの -吸血種に吸い殺されると吸血種になる。 -銀の武器以外では死なない。 -胸に杭を打ち込まないと死なない。 -円十字に弱い。 -聖水に弱い。 -ニンニクに弱い。 -流水を渡ることができない。
*吸血種/Vampire [[カラシュ公国]]の支配種族である。 カラシュ以外に住まう人間たちからはさまざまなイメージが持たれるが、その多くは迷信や偏見に過ぎない。 その闇の種族に光を灯すべく、[[スルガ]]の令和教授によって現代吸血種の歴史や生態、文化が調査された。以下はその要約である。 *暗黒の神話 世界創成期〇世紀頃。 ヴァルデマールの始祖は人類種の領主であった。その一族は残虐で好戦的な領主として知られていた。 当時カラシュの地は飢饉に見舞われており、ヴァルデマールは家族を飢餓から救う手段を探し求めていた。 彼らが辿り着いた結論は恐ろしいものだった。亜人種の血肉を食すことで生きながらえようというのだ。 そうすれば作物を必要とする人間の割合は減るし、人口自体も減るだろう。 当時人類と生存領域を争っていた豚人や牛人、鶏人が犠牲となった。誘拐が行われ、あるいは軍勢を持って村を焼き、奴隷を食料として連行した。 亜人種は優れた環境適応能力を持っており、環境に応じて自分たちを造り替える特性を有していた。 亜人種を体内に取り込むことにより、ヴァルデマール家の人間たちも人間ではない存在へと変質していったのである。 飢饉と食糧難が去ってもヴァルデマール家や逸脱した貴族たちは亜人種の肉を採り続けた。もはや穀物は受け付けなくなったのである。 その肉が人肉になるのにそれほどの時間は掛からなかったが、貴族たちにとっては人肉よりもむしろ血が美味に感じられ、空腹も栄養も満足させた。 都合の良いことに吸血行為は人間を刃物で切り刻む必要もなく、血の量を気を付ければ犠牲者がそうそう死ぬことも無くなった。 こうして彼らは吸血種/Vampireと呼称されるようになった。 吸血種は広義の人類であり、広義の亜人種でもあるのである。 吸血種は人類と交配が可能である。子は吸血種か人類のどちらかとなる。 そのため、吸血貴族家に人間として生まれてくる者もいる。 *身体的特徴 -外見上は人類種と大差がない。 -牙は出し入れできる。 -犬歯は大きい。 -&bold(){鏡や写真やカメラに映らない。理由は不明。自身の姿を確認する手段が無い。その反動で身嗜みや外見への評価には非常に気を遣う者が多い。信頼できるコーディネーターに美容を任せることになる。} -新聞記事やパスポートには肖像画が描かれることになる。 -体温が冷たい。 -固形物を口にしない。胃が退化している。 -排泄しない。 -わずかな光で夜を見通す視力を持つ。 -生きていくために人類種の血液が&bold(){一日に300ml}必要。 -&bold(){直射日光を浴びるとアレルギーが発生する。長時間曝されると全身の細胞が癌化して死亡する}。 *カラシュの末裔 吸血種たちの多くは裕福な経済基盤を持つ地主(=領主)であり、快楽主義的で自堕落的である。衣服や芸術など、様々な娯楽を愛する。 特にパーティーを開くことは彼らにとって重要な行動である。どんな形であれ自らを教養溢れる文化人と自認している彼らは、現代のトレンドを話し合ったり、自分の新作を発表する場を常に求めているのである。 こうした集会の場では誰が誰を呼んで誰を呼ばなかったかであるとか、弁舌や作品によってどれだけ相手に印象を与えるかが、貴族社会での評価に直接繋がることになる。 綿花などのプランテーション。そして交通や情報の発達により、株式や投資などの話も活発に行われるようになった。とはいえ、それを嫌う保守派は多く、そういったパーティは若輩会と呼ばれている(古いパーティは長老会)。 *長老と若輩。家督争い 吸血種社会は男女同権であるが、家主であるか、そして後継者である長男長女であるかで大きく地位が異なる。 土地の分割相続を避けるために、長男長女が家の財産すべてを相続する。 それより下の子供は長男長女のスペアか、政略結婚の道具でしかない。家と兄のために死ぬまで無償で働く義務を負う。 家庭内での地位は家主の妻子よりも下であり、自分の甥や姪からも下男として扱われる。 弟や妹が独自に投資等で成功して財産を形成しても、家主は自由にこれを没収する権利を持つ。 そのため、兄弟間の殺し合いや家督争いは頻発している。 家を離れたものは「若輩」と呼称され、伝統を遵守する保守派「長老」から見下されている。 カラシュの平民たちは吸血種を恐れているため、若輩の吸血種がまともな仕事に就くことは難しい。 正体を隠して平民と混じって暮らすにも、太陽光アレルギーという致命的な体質がこれを阻む。 そのため、[[ヤード本国>リントヴルム朝ヤード帝国]]や[[リンディスヴァート制憲諸邦同盟]]で仕事を探すものものが増加している。 &bold(){【長老/Elder】} エルダー。カラシュの秩序に組み込まれた者。自身が長老でなくてもこのタグを使う。 &bold(){【若輩/Ancilla】} アンキッラ。長老派の秩序から離反した者。 *誘拐団・密猟団 この国では有力領主はそれぞれ私兵集団を有しており、その活動はレオネッサのマフィアに類似した犯罪集団である。 彼らは吸血種の領主の食料を確保するために自領内、あるいは狩猟区と呼ばれるエリアから人間を誘拐していくのである。 そういった私兵集団を持たない吸血種は奴隷市場を利用することもある。美しい血袋には美味な血が入っているのである。 現在ではラパルナ族の密猟(国境侵犯しての拉致)がしばしば行われている。 *血の味 吸血種が犠牲者を選ぶ際には血の味が大きな理由となる。 吸血種は居を構えると、好みの味を探す作業を行う。 血の味は年齢や性別、体調、精神状態で微妙に変わる。 アルコール中毒者の血を吸って自分も酔いを愉しんだりもする。 アルコール中毒者の血も含め、薬物中毒者の血は吸血種にとって危険である。 血の味は犠牲者が持つ「美徳」「悪徳」によっても左右される。 そのため、吸血種は吸血によって犠牲者の美徳と悪徳を把握できる。 *血袋 &bold(){吸血種に血を吸われた犠牲者は性的快感・恍惚感・幸福感を感じる。脳内ではドーパミンとセロトニンが分泌され、強烈な快感のラッシュに襲われる。} これはある種の麻薬と同様の作用であり、繰り返し吸血行為を受けることで依存を形成する。 この依存に陥った人間を、吸血種は&bold(){血袋/Blooddoll}と呼んでいる。吸血への渇望は血袋の精神で猛威を振るう。多くは主従のような関係となり、身体や財産を貢ぎ、家族や配偶者も捨て、虐待されても吸血を懇願するようになる。 吸血種から離れ、期間を経ることで依存は低減するが、個人の意思で吸血種から離れることは困難であり、「檻の力を借りない限り打ち克てない」と言われる。 離脱症状としては吸血への渇望、無気力、不安、不安定な感情、不眠症が認められる。幸いなことに身体依存は発生しない。 一度血袋に堕ちたものは完治することはない。吸血種に会えば吸血を期待するし、求められれば断れない。 &bold(){【血袋/Blooddoll】} 個人的な友好関係故に、あるいは支配者への献上として、またあるいはビジネスとして、この人物は吸血種に己の血を捧げています。 *私生児 ケイティフ。父親不明、あるいは認知されていない吸血種。 吸血種と人類種の間には約3/4の確率で人類種が、約1/4の確率で吸血種が産まれるが、婚外子である場合などでは認知されないことがある。 私生児は吸血種社会の最下層に位置する。多くは自分の体質への情報不足や周囲の人間の感情、そして経済的な問題から成長せずに死ぬことになる。 ヤーディシア大戦後では国外に流出した若輩による私生児の増加が問題になっている。 *独自の用語 -棺桶 …寝具。日光避けのために使用される。薔薇を敷き詰めたりする。 -公子 …都市の吸血種としての主。 -謁見 …都市や他人の版図に入った際に公子に挨拶すること。 -宮廷雀 …噂や品評、ゴシップを好むもの。彼らによって吸血種社会での地位が左右される。 -賤民 …人類種のこと。 -狂乱 …血不足に陥って暴れること。恥とされる。 -セラー …都市の中で公子によって狩りが許されている場所。 -下り物 …帝国製品。 -くだらないもの …帝国以外の製品。 -接吻 …吸血行為のこと。 -嫡子 …長男長女。 -版図 …私有地。 -俗物 …人類種の流行に流されるもの。 -愚図 …領民の無礼に寛容なもの。 -騎士 …軍人。特に空軍パイロット。 -デイウォーカー …吸血種家に生まれた人類種。名誉吸血種扱いとなり独特の地位や役職に就く。 -ピュア …単独の吸血種しか知らない血袋。 -インピュア …複数の吸血種に血を吸われたことがある血袋。吸血依存が進行し、失血死の危険がある。 *迷信であるもの -吸血種に吸い殺されると吸血種になる。 -銀の武器以外では死なない。 -胸に杭を打ち込まないと死なない。 -円十字に弱い。 -聖水に弱い。 -ニンニクに弱い。 -流水を渡ることができない。

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