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女は非常に警戒した様子で俺を見つめてる。
あれ、この子かわいいじゃん。
「うっ助けて…くれ…」
どこからか中年男性の声がした。
声がした場所は、この場所から1階分下にあるロビーだった。
あれ、今回の標的じゃない?
すでに銃で撃たれているみたいで、身体から血が出ている。
もしかして……
「もしかしてあそこにいる死に損ないが今回の標的?
……もしかして、君が殺したの?」
そんなわけないよなとか思いつつ、
でもさっきの発砲音は確かにここからだったし。
その女の手を見てみると、確かに銃が握られていた。
笑顔を絶やさなかった俺の表情が、少し口角が下がった。
何者だ?こいつ。
「……それがどうしたのよ」
俺の目の前にいる女は強気に言う。
でも、彼女の目には、恐怖とイライラの感情が現れていた。
ふふ、かわいいじゃん。本当は怖いんだろ?
座って、両手をついて、上目に見てくるこの女。
かわいすぎる。食べちゃいたいぐらい。
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最終更新:2010年05月20日 20:24