深更、月が佳かったので縁側に出て独酌と洒落こんだ。 焼酎の水割りをちびちびやっていると、人の気配がした。 なんだ、高橋か。 「あぁしも飲む!」と言うので、薄くして作ってやった。 一杯ですぐまわったらしく、ケラケラ笑い出した。 「うるせーよ。みんなが起きちまうだろ」 「だってー」 ほら、誰か来たぞ。 「何シテルノ?」 「あ、ジュンジュンだぁ(笑」 だからうるせーって。 ジュンジュンも一杯くれというので、仕方なく(?)分けてやる。 高橋よりはるかに強いようで、くいくいっと飲んじまった。そんくらいにしとけよ。 「オ月サマキレイ」 「だな」 立ち上がって庭におりて行った。 「おい、危ないぞ。池に落ちるなよ」 「コレ スクエナイカナー」 水面に映った月に見とれて手を池に差し入れた。 さすが、李さんだな。太白と呼んでやろう。