「ああ、怖かった、、、、、。」
「一般道はちょっと自信ないなあ。地図ちょっと見てきただけですからね。」
「ああ、線路沿いに行ってみるか。標識の方向に行けば着くだろ。」
「そううまくいきますかねえ」
「っていうか、古泉なんであんないいタイミングで来れたんだ?」
「長門さんから電話がありました」
「へえ」
「それと、走るあなたを見たんです。祭りからの帰り道で」
「ふーん、結局行ったのか祭り」
地図を取り出し、俺はそれを読む。
「海と線路の間を走ってれば着くだろう。多分」
「じゃあ、ナビをよろしくお願いします」
「うん」
ブーン
バイクっていいな
ええ
海の音が聞こえた気がした。暗く広い海は少し怖かった。砂浜を右に、駆け抜ける。
ねえ、お前なんでバイク買ったの?
好きだからです
ブーン
「キョンくん、こっちでいいんですよね?」
「うん。海岸が右にあるならオッケー」
「まだ過ぎていませんか?」
「あの岬は覚えてるから、平気」
ブーン
「キョン君。あなたはなんで、普通じゃないものを求めたんですか」
「うーん、一言じゃ説明できない」
ちなみに、相当ゆっくり走っている。声はかなり大きめである。
「俺が生きていることが、すごいことに感じられたから、、、かな」
「だから、それを無駄にさせないために、、かな。何かに反抗するやつってのは、みんなそうなんじゃないかねえ。自分とともに生きてるんだ。だから自分のために何かをできる。」
「なんか、ハルヒみたいに必死な奴ほど、生きてるって感じがするんだ。俺は、そういうやつらが好きなんだ。自分が好きなやつがさ」
「へえ」
「かけがえのないものなのにさ、なんでこんなに簡単にハルヒを諦めちまったんだろうな」
「諦めないってことは、精一杯生きてるってことですからね」
「年かなあ、、。やだやだ」
「キョン君。戻ってきましたね、自分が。」
「そうかもね」
「着いたらどうするんです?何か手がかりはあるんですか?」
「トラックだけだな。見つからないようだったら、今日はこの辺に止まるよ。金貸してくれ」
「ええ」
ブーン
「キョン君。」
「なんだ」
「あなたは、涼宮さんにとって、特別な存在です」
「、、、、ああ」
「あなただけが言えることがあります。他の誰にも言えないこと、、。わかっていますよね」
「もちろん」
「もう躊躇いませんね?」
「ああ」
「僕はあなたに手を貸します」
「、、うん。ありがとう」
「もし失敗したら、僕が送っていってあげます」
「、、、そうならないようにするよ」
「掴んでてください。加速します」
「あの岬だ!古泉!止まってくれ!」
「はい!」
「よし、後は俺に任しとけ。お前はどうする?帰るのか?」
「いえ、手伝います。ところで、長門さんの逆算によると、駅から1キロ以内だということは確実だそうです。」
「なるほど。じゃあ、どうしよ。」
「バイクで住宅地を走ってみましょう。」
「なるほど、そうだな。今、何時だ?」
「九時半ですね。多分トラックが来てからそれほどは経っていないでしょう。すぐ見つかるかもしれません。覚悟はいいですね」
「うん」
「いました!」
「早いな!」
「前方100メートル。間違いないです。」
ぶろろろん。ろん。
「ここからは一人で行きなさい」
「そのつもりだよ」
2
結局
キョンはこなかった。
これでよかったのかもしれない
でも、なんだか周りのものが味気なく見える
なんでだろう
あいつのこと、好きだった
私は、それをつたえようとした
でも、だめだった
私は逃げてしまった
あのとき、私泣いたんだ
帰り道、泣いてしまった
勇気のない自分に
勇気、、、か、私が
不思議なものが好きなのは
わたしが、勇気がなかったからかな
わたし、また、一人になっちゃったなあ
わたしの好きなもの、どこかへ行ってしまうんだ
だれかを好きになると、どこかにいってしまうんだ
キョンは
違うと思ってた
「あ、流れ星」
なにか願うことあったかな
Desire,,,.
もうひとりになりたくないよ
もうひとりになりたくないよ
もうひとりになりたくないよ
「、、、、、キョン」
「ひとりに、、なりたくないよ」
忘れられるかな、あんたのこと
追いかけてきてくれていたりして。
おっちょこちょいだからな
今頃見つけて、あたふたしているかもね
好きって、気持ち、大きいね、キョン
「さて、荷物だそう」
「なんか思い出のあるもの詰まってたら嫌だなあ」
「また泣いちゃうよ」
あっ、そうだ
あの岬に、行ってみようか。
外の空気、吸いに。
行ってみよう。
もう暗いけど、まだ大丈夫でしょ。
「ハルヒ!久しぶり!」
「?」
「俺、お前のこと好きだ」
「諦めないからな!」
「絶対離さないから!」
「、、ばか」
そのころ、窓の外。
「さて、帰りますか。」
「やれやれ、とんだ脇役でしたね。僕」
「わすれちゃいけねえ気持ちだってあるんだぜ。ハルヒ」
「なに言ってんのよ、あんた」
「ばか、これから始まるんだから、いろんなこと話さなきゃ」
「、、、、、、、、、、、、、、そうね。」
終