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俺がいつもと同じようにSOS団の部室(正式名称文芸部室)に入ると、

メイド服でお茶を配っている古泉と、一人でチェスをしていた朝比奈さん、

そして本を淡々と読んでいる長門がいた。

「古泉……? なんで、メイド服着てるんだよ……」

「あ、バレました? キョンくん。お話したいんです……」

古泉は俺をキョンくんなどと呼ばないという事は結構有名なんだが。

そうしていたら朝比奈さんが立ち上がって、こう言った。

「長門さんもいますし。朝比奈さん、ここでよろしいかと」

あなたが朝比奈さんですよね? ミセス?

「実は、僕たちは身体が入れ替わってしまったんですよ」

朝比奈さん。それ、なんて冗談ですか。

……いや、あの朝比奈さんがこんなニヤケスマーイルで冗談を堂々と言える訳がない。

朝比奈みくる検定一級の俺が言うんだから間違いねえよ。

「あの、キョン君……本当なんです……」

これって俺と古泉を目覚めさせるためのドッキリなのかも知れないな。うん。

「ほ、本当にこっちが古泉で、こっちが朝比奈さんなのか?」

朝比奈さんがニヤケスマイルで言う。

「ええ、おそらく涼宮さんの能力が影響したのかもしれませんね。『機関』でも調査中です」

古泉が不安な表情で言う。

「古泉くんになったら、TPDDも使えなくなって……。未来ともコンタクトできません」

そりゃそうだ。古泉は超能力者だし。ん? ということは……

「古泉、お前も神人は倒せないのか」

「ええ、お察しの通り」

朝比奈さんの身体でニヤケスマイルはやめろ。俺の鉄拳はお前に制裁を下せないからな。

「じゃあ、どうやって戻るん……」

俺は二人に言おうとしたがすぐに大丈夫だと察した。長門がいる。

「長門、二人を戻すことは可能か」

「……可能。でも情報統合思念体は今二人の精神を元に戻す事を推奨していない」

「何でだ」

「涼宮ハルヒが望んだことはできるだけ現状維持するのが主流派の意見」

「……そうか」

「……わたしという個体も二人を元に戻す事を望んでいる。でも、指令だから」

「明日なら、大丈夫だよな」

長門は、無言でコクリと首を縦に振る。

「みんなー! いる?」

おっと、団長様がドアを開けた。

いつのまにか古泉in朝比奈さんはメイド服を脱いでいて、朝比奈さんin古泉が着込んでいた。

「涼宮さん、お茶です」

お茶を差し出す。古泉のいれる茶はどんな味かぜひ一度飲んでみたい。

「ありがとみくるちゃん、いつもおいしいわ」

ハルヒは一気に飲み干した。お前が茶の味を分かるわけないだろ。

「キョンもおとなしくしてなさいよ。有希みたいに」

「へいへい、おとなしくしてますよ。団長様」

この何気ない会話が翌日の悲劇を引き起こしたと言っていいだろう。

 

 

翌日。

 

 

俺は長門の部屋にいた。

上がった記憶はない。当然、泊まってもいない。

つまり。

鏡を覗いてみる。

そこには……

長門がいた。

驚愕の表情をしている。

俺と同じ動作をしている。

俺は、長門の白い携帯電話を取り出し、俺の携帯に電話をかける。

「もしもし! 長門か?」

「…………」

「朝起きたら、俺が長門に……」

「涼宮ハルヒの情報改変能力によってあなたとわたしの精神情報が改竄された。今、あなたはわたしになっている。こちらも同様。情報統合思念体とコンタクトはできない」

「……じゃあ、戻そうとしても……戻すことは……」

「……喜緑江美里とコンタクトする。まって」

ん? 同じインターフェイスの喜緑さんとはコンタクトできるのか?

「……そう。彼になっていた。修復は……そちらも……」

電話越しに声が聞こえる。子機でも使っているのだろうか。

「……喜緑江美里とコンタクトした結果、喜緑江美里は生徒会長と呼称される人物になっていた。そちらも修復を要する。これでは修復不可能」

おいおい。喜緑さんは生徒会長かよ。

「……検索した結果、涼宮ハルヒと鶴屋と呼称される人物のデータも改竄されている」

こんな事が出来るヤツは……。

「涼宮ハルヒ。だが、涼宮ハルヒは鶴屋と入れ替わりたいと望んでいない。これは朝倉涼子の判断」

「はい? 朝倉は消えたんだろ?」

「”意識”は情報統合思念体に帰属した。その後、意識洗浄が実行された」

「じゃあ……」

「朝倉涼子は天蓋領域の能力を借りて復活し、混乱を起こすためにわたしたちを入れ替えた」

「マジかよ……」

次の長門の言葉は深く胸に刺さった。

「気をつけて。今のあなたは情報統合思念体とコンタクトし、ヒューマノイド・インターフェイスとしての能力を使用する事ができる。その分ねらわれる可能性も高い」

「ああ、ありがとな、長門」

「それと、もう一つ。今から言う言葉を自分の口で発して」

「ん?」

「THEREデータベースNUMBER1928474、情報改竄修復要請、涼宮ハルヒと鶴屋」

「あ、ああ」

「じゃあ」

電話が切れた。

さっきの言葉を言ってみる。

「THEREデータベースNUMBER1928474、情報改竄修復要請、涼宮ハルヒと鶴屋」

だっけ……?

 

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最終更新:2010年03月17日 20:26