人間の往生―看取りの医師が考える
「死への実感の喪失は、自分の命は永遠であるという幻想をもたらす。その幻想の中で人は死に対する激しい恐怖にとらわれる。」
「死を見て、肌で感じ、臭を嗅ぎ、実感し、骸が自然の中で
溶解していくのを見届ける連続の上ではじめて死の実感は
安らぎとともに得られる」(坂東眞砂子氏)
山梨学院大学の影山光代准教授の調査によると、低体重・低栄養の人たちは正常体重・正常栄養範囲であった。
多く食べていても栄養を吸収できないと考えられ、身体が欲していないのに食べさせられるとむせたり、誤嚥する機会が増えると考えられる。心臓・腎臓などの機能も衰えた者に無理に食べさせることは、枯葉が静かに散るような往生は得られない。死への過程をすべて「病気化」することは、全身浮腫を増長させ、苦しませない最後から遠ざける。
マイケル・ガザニガの実験
分離脳患者に右視野に鳥の足の絵を見せ、左視野に雪景色の絵を見せ、関連する絵を指さしてもらうと、右手はニワトリのカード(左脳で処理)、左手はシャベルのカード(右脳での処理)を指さした。なぜそれらを選択したか尋ねると、「ニワトリ小屋の掃除にはシャベルが必要」と口にした(言語中枢は左脳)
別の実験
被験者にゴーグルをかけ、その三次元映像をゴーグル内に再構築する。背中をたたくと同時にゴーグル内でも同様の映像を流すと、まるで自分が後ろから叩かれているのをさらに後ろから眺めているような錯覚が得られる
おそらく認知症患者でみられる作話も今ある情報から、不安を最小限にするために脳が作り出しているものだと考えられる。
最終更新:2011年02月20日 20:51