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 玖珂晋太郎さん

(玖珂晋太郎さん/亀助)


―白いマントの青年は囁く様に唄をうたう―

世界全てのリューンに語りかける様に、静かに声を紡ぐ。
すると青年の周りのリューンが反応を起こした。
始めはユラユラと揺れる様に―
そして、一気に螺旋をえがきながら、白いマントの青年へと集まって行く。
ソレは魔法。世界を、国を、否。ただ、人を守りたい。その気持ちが紡ぎ出す、心の像。
リューンの嵐の中心でマントの青年―玖珂晋太郎―は声を高らかに、唄い続ける。

しかし、集まるリューンの密度に胸が痛む。重さに腕が震える。喉の奥からチリチリと痛みがはしり、血の味がする。
今の玖珂晋太郎が使うには、多過ぎるリューンが晋太郎の身体にのしかかる。
全身の骨が〈ギシリッ〉と鳴った気がする。
でも、玖珂晋太郎は唄う事を、魔法を止めない。
〈自分が犯した罪、奪ってしまった命。ソレと同じ人々、いやその倍。いや、それ以上の人を、命を救わなくてはならない。〉
―でなければ、弟に会わせる顔が無い―
そう思いながら、魔力を行使する。
この国の人々を守る力を―。
さらなるリューンを集めようと、声を上げる。
指先から血が流れる、毛細血管が破裂している様だった。
激しい頭痛に襲われる、額に流れる汗をぬぐい、気力で唄を続ける。

―この国を、人々を守れる様に―
―いつか、弟と出会えた時に胸をはれる自分でいられる様に―
〈終り〉

(亀助)
最終更新:2007年08月05日 18:41