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アイドレス/北国人+女官長+バトルメード+侍女 - (2009/10/29 (木) 03:19:18) の編集履歴(バックアップ)


F*北国人+女官長+バトルメード+侍女

アイドレスデータ

L:北国人 = {
 t:名称 = 北国人(人)
 t:要点 = 暖かい服装,白い肌で美しい人材,白い髪
 t:周辺環境 = 針葉樹林,木もないような雪原,豊かな小麦畑,豪雪対策された家,高い山
 t:評価 = 体格1,筋力0,耐久力-1,外見1,敏捷0,器用0,感覚0,知識1,幸運0
 t:特殊 = {
  *北国人の人カテゴリ = ,,,基本人アイドレス。
  *北国人の生産 = ,,,(生産フェイズごとに)食料+1万t、生物資源-1万t。
  *北国人のイベント時食料消費 = ,,,(一般行為判定を伴うイベントに参加するごとに)食料-1万t。
 }
 t:→次のアイドレス = 犬妖精(職業),魔法使い(職業),歩兵(職業),パイロット(職業),整備士(職業),国歌(絶技),アイドレス工場(施設),寮(施設),食糧生産地(施設),バトルメード(職業),高位北国人(人)


/*/

L:女官長 = {
 t:名称 = 女官長(職業)
 t:要点 = ツンとした、恥じらい、女官服
 t:周辺環境=宮廷


/*/

L:バトルメード = {
 t:名称 = バトルメード(職業)
 t:要点 = メード服,箒型銃
 t:周辺環境 = 宮廷
 t:評価 = 体格0,筋力0,耐久力0,外見1,敏捷0,器用-1,感覚2,知識-1,幸運1
 t:特殊 = {
  *バトルメードの職業カテゴリ = ,,,派生職業アイドレス。
  *バトルメードの位置づけ = ,,,{パイロット系,メード系,若いメード}。
  *バトルメードのパイロット資格 = ,,,搭乗可能(I=D)。
  *バトルメードの援軍能力 = ,,,王女の許可がある場合、<援軍活動>を使用できる。
 }
 t:→次のアイドレス = ハイパーメードお局さん(職業),はぐれメード(職業),ガンスリンガーメード(職業),侍女(職業)

L:援軍活動 = {
 t:名称 = 援軍活動(定義)
 t:評価 = なし
 t:特殊 = {
  *援軍活動の定義アイドレスカテゴリ = ,,,特殊行動。
  *援軍活動の部隊援軍能力 = ,,,部隊単位で他国部隊として活動することができる。100%制限能力。
  *援軍活動の個人援軍能力 = ,,,個人単位で、最初から他国の部隊の編成に加えることができる。この時その藩国の国民として扱うことができる。
 }


/*/

L:侍女 = {
 t:名称 = 侍女(職業)
 t:要点 = 女官服,書類
 t:周辺環境 = 宮廷
 t:評価 = 体格0,筋力0,耐久力0,外見2,敏捷0,器用3,感覚2,知識1,幸運1
 t:特殊 = {
  *侍女の職業カテゴリ = ,,,派生職業アイドレス。
  *侍女の帝國慈愛教会投票権能力 = ,,,帝國慈愛教会(援助金15億わんわん×4)を贈る先の国を選ぶための投票権を持つ。使用制限(根源力:50000以上)。
  *侍女の出仕 = ,,,出仕可能({尚書省,帝國参謀団})。
 }
 t:→次のアイドレス = 後宮女官(職業),女官長(職業),帝國議会(イベント),王女付き侍女(職業),ノーア・フラノ姫(ACE),ヴァンシスカ・オーノール(ACE)





【継承】クオリティチェック通過済み

北国人
#周辺環境「豪雪対策された家」のみ不通過




”良薬口に苦し。甘言耳に快く、諫言耳に痛し。”
”でもね、それだけじゃだめなの”

隠居した元女官長の言葉



ここに一人の少女がいる。
名を佐藤かなめという。

白すぎて白銀に見える二本の三つ編みお下げをぶら下げ、銀縁眼鏡をかけた北国人の少女。
かなめはメード候補生であり、藩国寮であり研修寮でもあるあやめ荘にて日々、正式な宮廷付きメードとなるため訓練の日々に明け暮れていた。
だが今日は天高く広がる秋の空に薄いうろこ雲が広がる下、あやめ荘ではなく同じ藩国寮の中の一つ、ゆきしずく荘にいた。
この寮は犯罪、戦争などで行き場をなくした子供達が住んでおり、その面倒を国のメードたちが見るというシステムがとられているため、宮廷からも派遣が行われていた。
しかし、面倒をみるといっても、情勢によっては200人を超す規模の子供達の世話になってくる。そうなれば、いくら熟練のメードといえども目の届かない場所ができるため、人手が必要となった。
とはいえ、割ける人員にも限界はある。そこで白羽の矢が立ったのがあやめ荘の研修生たちである。ある程度の仕事を学ばせた中で成績優秀者を選抜し、正規メードの部下として子守や寮整備にあてることで人員の不足の解消と実地研修を兼ねさせるのだ。メードの仕事の一つとして乳母の仕事もあり、その経験を積ませようというのである。

今日はその研修の日で、かなめは子供たちの遊び相手をまかされた。
PTSDなどにかかることもある彼ら彼女らの相手は普通の子供を相手にするのとはまた違った困難さがある。
一人にしない、安心できる言動をする、スキンシップを大事にする、フラッシュバックをおこしたときはあわてない、怒らないなど、注意点は多く、それらは事前研修にて学んでいたが、実際に相手にするとなると勝手が違う。
近くには監督としてベテランの乳母がついてるとはいえ、度重なるトラブルに神経は磨り減り、普段はしないようなミスをしてしまう。そのたびに監督メードがフォローしてくれるのだが、それがまた、かなめの中で重くのしかかった。

どうして、私のいうことをきいてくれないのだろう?
どうして、こんなに迷惑かけてしまうんだろう?
どうして、練習はしっかりできたのに本番はうまくいかないんだろう?
私は正しいことをしてるはずなのに・・・・・・。

研修寮では常に優秀とされ、実地研修にまで選抜された自身と現状のギャップ。
こんなはずじゃないのに。
日の暮れる頃には心身ともにボロボロだった。
一日が終わる。


夜、かなめはゆきしずく荘の屋根の上にいた。

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理由はない。
なんとなく夜風にあたりたくなった、それだけである。

訓練用の箒型模擬銃を抱え足を屋根からプラプラとさせて空を見上げている。
瞬く星、満ちた月、夜の輝きを呆然と見ていた。
屋根は豪雪に耐えるくらいには頑丈にできているので、少女一人くらいラクに支えている。

ひゅうう。

秋の夜風がかなえのリボンを吹き飛ばし三つ編みがほどく。
でもどうでもいい、そんな気分だった。

昼間の疲れが効いているのかもしれない。普段なら周囲に注意している就寝時間破りを自分でやってしまっている。

「みんなもこんな気分になるからやってたのかな」

注意された後輩たちのばつの悪そうな、だけどこっちにだって事情もあるといいたげな眼差しを想い起こした。
あのときもそうだ、正しいことをいってるはずなのに、自分のほうが悪い気がしてきて、それがイライラして、余計に厳しくあたってしまって・・・・・・。

「どうしたの?そんなところで」

不意に声をかけられた。
「え?」
足元をみると窓からこちらを見上げる顔がみえる。
それは昼、彼女を監督していた妙齢のメードであった。
「もう、就寝時間は過ぎてるはずだけど?」
「え。え?」

注意されることはあってもされる立場になることはなかったかなえにとってそれは不意打ちといっていい経験である。なんと答えていいのかとっさには言葉が出てこない。こんなときに、いいわけがスラスラでる後輩たちがすごいように思えてきてしまった。
「・・・・・・」
とまどい、まだ言葉が出ない。

そんなかなめを見て、メードはニコリと微笑む。
「秋風は冷えるし、腰を冷やすわ。お茶でもいれるから下りてこない?」
そう声をかけると、窓から首を引っ込めて廊下を進すんでいく。

言われてみればたしかに少し寒い、それにほかにやることがあるわけでもない。
かなめはメードの誘いに従い、メードの部屋へと入っていった。

部屋のつくりはかなえが泊まる部屋とあまり変わりがない。違いがあるとすれば、ベッドが一つしかないことくらい。
鏡台兼用の机、窓の淵には一輪挿しの花瓶、水場にはコンロ一つ。

すこしまっててて、とかなめを椅子に誘うと茶缶を開け、湯を沸かしお茶の準備をしていくメード。その手際は昼の仕事ぶりと同じく、流麗で無駄がない。見ているだけで娯楽になるくらいに、見ほれてしまう。

ぽぅっとしていると、
「できたわ。さ、どうぞ」
目の前にティーカップが差し出された。立ち上る湯気からはかすかに甘い芳香。

「リンデン、菩提樹のお茶。寝る前に飲むとよく眠れるの」
「・・・・・・あ、ありがとうございます」

メードは自分もカップをもちベッドに腰を下ろす。
「冷めないうちにどうぞ」
そういって口をつけた。
つられるようにかなめも口をつける。
「甘すぎない?蜂蜜いれてみたんだけど」
「大丈夫・・・・・・です」
「そう」

言われてみればたしかにお茶の爽やかさの中に砂糖とはちがった甘味がある。
暖かく、優しい味。
口から胃へ流れ落ち、広がっていく。
胸の奥が暖まる。

「どう?落ち着いた?」
「はい、ありがとうございます」

おもったよりすんなりとお礼が言えた。

「そう、じゃあ飲み終わったら部屋にお帰りなさい、明日も早いから」
「へ?」

かなめは小言の一つでも来るのかと身構えていたがそれもなく、お茶をご馳走になっただけでおわりということに肩透かしを食らった心持ちだった。
なので、思わず、
「お説教とかないんですか・・・・・・?規則違反してるのに」
聞いてしまった。

すると逆にメードのほうが面食らった顔をする。

「?してほしいの?」
「いえ、してほしいんじゃなくて・・・・・・その・・・・・・」
「なに?」
「いいのかな?って気になって・・・・・・」
「ふ~ん・・・・・、そっか」

メードはカップから口を離し手元におく。
「じゃあ、説教ってわけじゃないけど、話きかせてくれるかな?」

と、今日一日の話をメードは求めた。
かなめは、今日感じたこと、やってしまった失敗、いままでの自分のことをつらつらと語る。
メードは何も言わず、相槌を打ち、ただ聞いていた。
「だから、私これでいいのかなって。正しいことをしてるはずなのにそれが悪いことに思えてきて・・・・・・」

一通り話し終えると、ようやくメードが口を開いた。

「良薬口に苦し忠言耳に逆らうって聞いたことある?」
「えっと、いい忠告は耳が痛い話でもちゃんと聞きなさいって意味でしたっけ」
「うん、そんな感じ」
「それが何か?」
「あなたのやったことはたしかに正しいかもしれない、だけど相手にしてみればどうおもったんだろうね」
「耳が痛い?」
「・・・・・・かもしれないし、そうじゃないかもしれない。でもまあ、どうせ聞くなら、どうせ飲むなら、甘い薬のほうが飲みやすいんじゃないかってね」
「甘い薬ですか?」
「そ、あま~いそのお茶みたいなの」
「あ・・・・・・」

かなえはカップに目を落とす、メードは言った、このお茶は寝る前に飲むとよく眠れる、と。
それは甘い薬ではないか。

「ただ正しいことやってもなかなか人って聞いてくれかなったりするからね」

メードくすっと笑み、
「どうせ、いいこというならちゃんと聞いてもらえるようにしたいじゃない。せっかくいいこといってるんだから」
「そう、ですね・・・・・・」
「私はツンツンしてるのもカワイイとおもうけど、たまには優しくしてみるといいかもね」
「そ、そんなかわいいなんてっ!」
「恥ずかしがっちゃって。カワイイっ」
ぎゅ~っと抱き締められる。

ああ、この人は始めから判ってたのかもしれない。
だから何も言わず、お茶だけ出してくれたんだ。

メードはひとしきりぎゅ~を堪能し、
「じゃあ、私の話はこれでおしまい。おやすみなさい」
と離してくれた。

「はいっ」
かなえは胸にお茶の温かさ、皮膚にメードの温もりを感じつつ床に付く。



翌日。

「おはよっ、みんな。今日も一日はりきっていこ~」
そういって足取りかろやかに走り往く少女。
「お、おはよ・・・・・・」

研修生仲間がきょとんとする中、昨日のベコ凹みは幻かといいたくなるほどのテンションで仕事へと向かうかなめの姿がある。
「さって、ガンバルゾー!!」
編みなおした三つ編みお下げと眼鏡に朝日が煌いていた。



/*/


パタリと日記を閉じる。
ここは王城の一室、女官長の私室である。

「どうされましたか?お疲れですか?女官長」
「いえ、なんでもないわ。ちょっと昔をね・・・・・・」
「はあ?」
女官長と呼ばれた銀縁眼鏡の女官服の女性は窓の外、天高く広がる秋の空をみていた。
あの日の空に似た薄いうろこ雲が思い出させたんだろうか。

「さ、休憩時間もおわったことだし仕事に戻りましょう」

遠くを見詰めていたのも一瞬、気分を切り替え日記を書棚に戻しお付の侍女を従えて、宮廷の執務室へと向かう。
「これからの予定は?」
「こちらになります」
歩きながら侍女から書類を受け取った。
「ふむふむ、今日もやることは多いのね。はりきってきましょう。おわったらお茶いれるわ、よろしくね」
「はいっ!」

二人がいなくなり無人となった女官長の私室、閉じた日記から一枚の写真がはみでている。
そこには銀縁眼鏡の三つ編みお下げの北国人のメード服を着た少女が写っていた。
たくさんの仲間と子供達と一緒に。




【女官長とは】

女官長、長と名の付くとおり、藩国王城においてはメードと侍女を統括する存在。
王城の管理整備、I=Dパイロット、王女許可の下に行われる援軍を司るメードたち、尚書省、参謀府(現在は帝國軍にその機能は移されているが)への出仕、藩国での政務補佐、帝國慈愛協会の投票権をもつ侍女たち、それらを束ね管理する立場、それが女官長である。藩国を運営するに当たり欠かせない彼女たち、あるいは彼らたちの長もまたその責は重大なものである。


【女官長の資質】

女官長ともなれば王や尚書省の幹部にもあう機会もあり、その意見をもとめられることもある。そんな折、それが民のためになるならば、あえて苦言も呈することができることは大事なことだ。それを聞くものにはどんなに耳が痛くとも受け入れる度量は必要ではあるが。
とはいえ、ただどんなに正しい忠言でも聞き届けられなくては、徒労におわることもある、そしてそれはひいては民のためにもならない。よっていかに話を聞いてもらうのかという機知も求められるのだ。
それは一例としてはこんなものがある。
  • まず、相手に対して尊敬の念などの好意をもっていることをまず伝え相手の気持ちを乗せてから言うべきことをいう。
  • 無理に自分の意を通そうとせず、相手に合わせた伝え方をする。
  • その上でいうべきことははっきりという。
などである。
ツンとした態度と恥じらい交じりの好意の使い分け、それもまた重要なのである。


【女官長の今の仕事】

シーズン2に入り内政も重要となってきた昨今、女官長の仕事の重要性も増している。
長として王城のメードと侍女の統括に始まり、内政政務補佐から国内外の賓客のもてなしなども仕事にあげられた。
また、国の賓客でもあるノーア・フラノ姫のお世話もその仕事の一つであり、ホーブにて現地住民との折衝、当藩国での内政協力、ノーア姫自身の国の政務など多忙な彼女のサポートも仕事に含まれている。国のためひいては民のために助力してくれる、あの犬の姫を想い起こさせる少女への感謝の気持ちを込めて。



テキスト:よんた
イラスト:坂下真砂