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<恋>なんていうものは、いつか必ず冷めるもの。
冷めないことなんて、在る筈がない。
だから、決して“本気”になんてなりやしない。
「大佐、入るよ?」
コンコン、という小気味の良いノックの後に、
鋼の錬金術師・・・こと、エドワード・エルリックは、返事を待たずにロイ・マスタング大佐の執務室へと入った。
「何のようだね?鋼の。」
そんなエドの態度を気にするそぶりも見せずに、ロイはエドに用件を訊ねた。
「・・・ん、コレ。」
エドはそう言って左手で持っていた書類を指差した。
その内容は多分、国家錬金術師になったら定期的に提出しなくてはならない、報告書などの類だろう。
「わざわざ直接私の所に持ってこずとも、ホークアイ中尉に渡せばいいのに・・・」
ロイは、そこまで言っていったん言葉を区切った。
そして、わざとエドの顔を覗き込むようにして、
「そんなに私にあいたかったのかね?鋼の。」
もちろん「そんな訳ねぇだろ。」と軽く流すか、もしくは「自惚れてんじゃねぇよっ!」などと、叫ぶかと思っていたのに、
「・・・まぁ、そんなとこかな。」
と、上の自分の予想とはおおきく外れた答えだった。
あまりに驚き、まじまじとエドを見てしまった。
「・・・んだよ・・・何じろじろ見てんだよ。」
エドにそう言われて、はっ、とようやく我に返った。
「いや、あまりにも君がかわいらしくてね。」
といったら、
「うるせぇ。男が男にかわいいって言われてもうれしかねぇよ。」
と言葉を返し、ぷいとそっぽを向いた。
ロイはエドに気づかれない様に静かにクスリと笑った。
(私は、その反応までもが、可愛いと思うのだがね・・・。)
「ところで、だ。」
「で?」
何が言いたいのか解らない、といった風にエドは小首を傾げた。
「君は一体、何を私に言うためにわざわざ此処へ?」
そう言った瞬間、エドの表情から笑顔がピタリ、と止まった。
そしてまた直に、にぱっと笑顔が戻る。
もちろんロイは、その一瞬を見逃すはずはなく…
「・・・なにか、あったのか?」
静かに、しかし“大佐”という称号の威厳をもった声で尋ねた。
そういえば、今日は
考えてみれば、部屋に入ってきた時から
『何か』違和感があったのだ…。
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小説―鋼] - &trackback() - 2006年12月12日 21:25:27
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最終更新:2006年12月12日 21:27