アドバンテージ

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アドバンテージ - (2012/06/17 (日) 19:47:04) のソース

アドバンテージとは総合的な数値的優位に立つことを言う。
アドバンテージを得ることを「アドを取る」といい、また、アドバンテージを失うことをディスアドバンテージから「ディスアド」または「アド損」という

本項では、アドバンテージの理論について説明していく


&bold(){①アドバンテージの種類}
アドバンテージと一括りにしてもその中身は大きく3つに分類される
1.ボードアドバンテージ
2.ハンドアドバンテージ
3.墓地アドバンテージ

1と2は枚数がそのままに数値的にアドバンテージ分となる。
例えば、自分が手札・フィールドに計6枚のカードをコントロールし、相手は5枚持っている場合、自分の方がカード1枚分優位に立っているというわけである。

3についてはコンボにおいて発揮される場合が多い
例えば【墓地BF】では墓地に《BF-大旆のヴァーユ》と《BF-暁のシロッコ》を置けば、場に《BF-アームズ・ウィング》を出せるため、2体合わせて1枚のボードアドに相当する。
つまり、墓地の《BF-大旆のヴァーユ》、《BF-暁のシロッコ》は墓地にいるだけで0.5の墓地アドを持っていると考えることができる
また、手札の《BF-暁のシロッコ》は墓地アドを含めると1.5枚分のアドを持っていることになる。《BF-暁のシロッコ》を除外させないというだけで0.5枚のアドを守れると考えれば《ゴッドバードアタック》を使う意味も見えてくるだろう
そして、墓地にBFが落ちてさえいれば、《BF-大旆のヴァーユ》をノーコストで供給する《終末の騎士》もまた1.5アド稼げるカードとなる。【墓地BF】の強みはこの1.5アドにあるといっても過言ではない。
しかし、0.5の墓地アドのために《終末の騎士》を出し、結果戦闘破壊されてしまっては合計-0.5のアド損である。これが【墓地BF】における「初手《終末の騎士》は悪手」といわれる根本的理論である。
また、《おろかな埋葬》が入りづらいのも1枚で0.5の墓地アドを取るだけのアド損カードだからである
【墓地BF】のプレイングが難しいとされる一番の理由は0.5のアドを1単位として計算していかなけでばならないためである

また、アド損なく自身を墓地から特殊召喚できる《BF-精鋭のゼピュロス》などは墓地に置くだけで1アドが取れるパワーカードであり、《グローアップ・バルブ》が禁止になったのも汎用性だけでなくそのアド回復能力ゆえであろう
結局は墓地アドは条件を満たせばボードアドに変換できるということであり、墓地利用系デッキは墓地アドを効率的に扱うことが基本戦術となる


&bold(){②ハンドアドバンテージについて}
ハンドアドバンテージはわかりやすく言えば手札枚数のことである
相手への回答としての価値を持つため「手札が多い」というだけで相手の動きを封じることができる。上級者ほど手札の枚数をよく確認する

ハンドアドが減る条件は以下の3つ。
1.手札のカードを使用する
2.手札コストを払う
3.相手によって手札破壊される

1も2も自分のアクションによってアドを消費しているのであり、それ以外では相手のハンデス効果でしか手札は減らない。
つまりハンドアドを失うことは手札を消費することとほぼ同義である。
逆を言えば干渉しづらい場所である手札に踏み込めるカードは非常に強力である。かつての《氷結界の龍 トリシューラ》や《ダスト・シュート》が圧倒的採用率を誇り、たまに【聖刻リチュア】や【ゼンマイ】などのハンデス特化デッキが結果を残すのもこのためである

逆にハンドアドバンテージを得る状況は以下の通りである
1.ドローフェイズでのドロー
2.ドロー、サーチ、サルベージ効果
3.場のカードをバウンスする

1はノーコストで恒久的に得られるアドであり、毎ターン+1される。
2の効果は基本的に相手に依存しないものが多い。
例えば《TG ハイパー・ライブラリアン》のドローや《インフェルニティ・デーモン》のサーチは能動的に発動しやすいが、《魂を削る死霊》のハンデス効果はダイレクトを通す必要があり相手の場に依存してくる。
一般的に相手のハンドアドを減らすより自分のハンドアドを増やす方が簡単であるとされる。
自分のハンドアドと自分のハンドアドの1:1交換となる《強欲で謙虚な壺》や《成金ゴブリン》が無制限なのに対し自分のハンドアドと相手のハンドアドの1:1交換となる《ダスト・シュート》が禁止なのを見ても得る方が簡単だとわかるだろう
この観点から見ても相手に依存せずハンデスをかけられるカードの強さはわかるだろう


&bold(){③ボードアドバンテージ}について
ゲーム中一番変動しやすいアドバンテージ。一度に多くのアド差をつけるのはこのアドバンテージが多い
ボードアドバンテージを得られる状況というのは以下のような状況があげられる

1.自分のモンスターで相手のモンスターを戦闘破壊する
2.相手の伏せ除去にチェーンして魔法・罠を使い無駄打ちさせる
3.《大嵐》、《激流葬》などで1:多交換をする
4.モンスター効果によって一方的にアドを取る
5.モンスターを特殊召喚するカードから4を行う
6.カードの効果でモンスターを複数特殊召喚する
7.相手がリリース、シンクロ、エクシーズなどのコストで場のカードを消費する

1はこのゲームの根幹であり、ゲーム中一番多く稼げるアドバンテージである
攻撃力の高いモンスターは戦闘破壊を達成しやすく、また戦闘破壊されづらいので単純にアドの取り合いに強い。高打点モンスターを有するデッキが強デッキとなる理由はここにある

2は使用者のプレイングスキルに依存される。
例えば相手が《サイクロン》を元から伏せてある自分の《サイクロン》に打ってきて、その《サイクロン》で相手のカードを破壊したとする。この場合、自分の《サイクロン》は1:1交換を達成しているが相手は《サイクロン》を無駄打ちしたことになり、1枚のアド差がつく。
これはフリーチェーンカードを扱う上での基本テクニックとなり、《ゴッドバードアタック》や《デュアルスパーク》を扱う【墓地BF】、【HEROビート】はこの方法でアドを取りやすい。

3は一方的にアドを取れるパワーカードによるものであり、カードゲームの理不尽な部分でもある。
逆に、複数破壊効果に対して1:2交換でカウンターできるのが《スターライト・ロード》である

4もまたパワーカードによってもたらされる。簡単に召喚できて0:3交換が可能な《ダーク・アームド・ドラゴン》がよい例だろう。
モンスター効果に対しては召喚の時点で防げることが多く、それゆえにモンスターと1:1交換ができる《神の警告》や《神の宣告》は優秀な罠といわれる。
また、1:0でアド損なはずの《エフェクト・ヴェーラー》が現環境で重宝されるのもモンスター効果を止めないとそれ以上のアドを取られてしまうからである

5は《死者蘇生》などが該当。それ自体は1:1交換でもアド回復能力のあるモンスターを蘇生すれば1:多交換が可能になる。
また、《E・HERO アブソルートZero》や《E・HERO The シャイニング》を呼び出す《ミラクル・フュージョン》もこの部類に入る。

6には《真炎の爆発》等が該当。大抵の場合デメリットを回避するためにシンクロ・エクシーズなどでモンスターの頭数は減るもののそれらがアド回復能力を持っていることも多く、やはり1:多交換となりやすい。

7はいったん相手のアドが減るものの、やはり呼び出されたモンスターによってアドを回復されてしまう。
しかし、《神の警告》などでそれを防いでしまえば相手にアド損させられる

これら以外にも情報アドバンテージやテンポアドバンテージなども存在する
情報アドバンテージというものは《墓穴の道連れ》で手札を確認したり、墓地の公開情報から得られる見えないアドバンテージである
墓地のカード枚数から確率を計算することで相手のカードを読み、召喚や攻撃を通していく。
そして召喚や攻撃が通ればアドバンテージを得られる場合が多く、結局はボードアドバンテージに結びついていく
ボードアドバンテージの概念を理解して初めて生きるアドバンテージであり、上級者ほどこのアドバンテージを上手く生かすことができる

テンポアドバンテージとは、デュエルを膠着状態にさせ、互いをアドの温存に向かわせるためのアドである
膠着状態が続けば戦闘破壊によって発生するディスアドバンテージを軽減することができる
《ナチュル・バンブーシュート》軸【ナチュル】や【里ビート】ではロックを維持することで間接的にアドを守っている
また、モンスターをためることで展開してこちらが戦闘によるボードアドバンテージを得られる状況を作るためにも用いられる
召喚権を拡張する《血の代償》や《ヴェルズ・カストル》、自身を特殊召喚できる《フォトン・スラッシャー》、《E・HERO バブルマン》等は大量展開によってテンポを取りやすい
《血の代償》は単体ではボードアドバンテージを得ることができないため実質的なアド損となるのに対しモンスター効果による特殊召喚はアド損が発生しないテンポアドである
このテンポアドバンテージも最終的にはボードアドバンテージに結びついている

このようにアドバンテージというものは最終的にボードアドバンテージに収束していくものである。
ハンドアドバンテージが重要とされるのも最終的にボードアドバンテージとなりうるからである。
ボードアドバンテージの概念を理解すれば自然とハンドアドバンテージも得られるようになるだろう。

上級者になってくれば手札にカードが残った状態で負けることが多くなってくる。これは常にアドバンテージを保持しようとした結果である
カードを使い果たして負けるのではなく、ボードアドバンテージを取り合った結果ライフが尽きて負けるのが上級者らしいベストな負け方であると言えよう

これまでのアドバンテージとは一線を画すアドとしてライフアドバンテージが存在する
ライフアドバンテージというのは自分の数値的アドバンテージを犠牲にライフを得る行為である
《レインボー・ライフ》や《非常食》などカードの効果によるものや、戦闘破壊されるにも関わらずダメージ軽減のためにモンスターをプレイする等があげられる
このライフアドが重要視される場面というものは切羽詰まった場面や遅延に意味がある場面などで発生する
ライフアドバンテージのみ、ボードアドバンテージを失うアドバンテージであるため特殊なアドバンテージといえる
エクストラターンに置いてもっとも重要視されるアドバンテージである


&bold(){④アドバンテージの計算方法}
カードパワーとしてのアドバンテージという概念がある。
例として《サイクロン》の発動について考える。ハンドアドを犠牲に、自分の魔法罠のボードアドを獲得する。そして発動が通れば効果が発動し相手からボードアドを奪う。
結果としては自分がハンドアドを失う代わりに相手のボードアドを奪っている。これが1:1交換となるものである
《サンダー・ブレイク》の場合ではこれに手札コストを要求されるため1:2交換となる。こちらの2枚消費に対し相手の損失は1枚のみである。これではアド損となってしまう
《カオス・ソルジャー -開闢の使者-》はハンドアドを犠牲に召喚することで1ボードアドを獲得。召喚が通れば相手のモンスターを除去できるので相手から1ボードアドを奪う
ハンドアド分の1がボードアド分の1に変換された後に相手のボードアドを奪っているため0:1交換のパワーカードとなる
《鳳翼の爆風》などのドローロックの効果が絡む場合では概念が少し異なる。
「相手のデッキトップに戻す」というのは「相手モンスターをバウンスする。次の相手のドローをスキップする」とほぼ同意であると言える
2:1交換に変わりはないのだがテンポアドを得る効果であると考えることもできるのである。

このように自分のカード消費と相手の損失を天秤にかけてカードパワーを計算していく。自分の消費が少ないほど強カードとされる

遊戯王はマナなどのテンポを作るコストが存在しないためアドゲーとなるところがある。そのためパワーカードで構成されたデッキは強いデッキとなりがちである
これが遊戯王の良い点であり悪い点でもある
しかしアドバンテージを取り合うのを楽しいと感じるならばゲーム序盤からアドの取り合いができるこのカードゲームを楽しむことができるだろう
アドバンテージを学び、上級者とも戦えるようになれば、ぜひ一度大会に出てみてはどうだろうか?きっとスリリングで楽しい戦いが待っていることだろう




コメント欄
- おもしろい項目だけどちょびっと論点がずれています  -- no name  (2012-02-16 12:14:25)
- これは凄いな  -- 名無しさん  (2012-02-22 17:45:30)
- 墓地BFはプレイングの教科書  -- 名無しさん  (2012-02-23 23:59:22)
- 参考になります  -- 名無しさん  (2012-02-24 17:03:05)
- ずれたところもいつの間に修正されてるな  -- 名無しさん  (2012-02-24 19:16:40)
- ライフアドは特殊だし別にページ作ってもいいと思う、2000切ったら警告使えないとか4000切ったら兎に殺されるとかまとめて  -- 名無しさん  (2012-02-24 22:42:52)
- ↑賛成です  -- 名無しさん  (2012-02-29 02:43:48)
- 現環境だとこのテクニックが生かせないから面白くない  -- 名無しさん  (2012-04-18 21:40:53)
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