唯「うさぎさん、かけっこで競争しましょ!」

梓「何言っているんですか……。この前やってボロ負けしたの忘れたんですか?」

唯「あ、あの時は本気出してなかったんだよ! 今度は負けないよ!」

梓「結果見え見えなんで、やめていいですか?」

唯「あぁー! 私に負けるのが怖いんだ!」

梓「いや、誰が見ても結果わかるでしょう」

唯「……やってくんなきゃやだぁ~!」

梓「だだこねないでくださいよ」

唯「やだやだぁ~!」

梓「あぁ……、もう。しょうがないですね、やりましょうか」

唯「ふふふ、私の本気見せちゃうぞ!」

梓「とりあえず、この前と一緒であの丘まで競争しましょう」

唯「よしきた!」

梓「位置について、よーい、どん!」

唯「おりゃあああぁ!」

梓(さっさとゴールして終わらせちゃおう……)

唯「あ、うさぎさんが行っちゃう! 負けるかあぁ!」

梓「早くしないと置いて行っちゃいますよ~?」

唯「うううぅ……! まだ始まったばかりだもんね!」

梓「まぁ、頑張ってください」

数分後。

梓「……ここらへんで休憩しようかな」

梓「はぁ……、かめさんがここまでくるのにどれくらいかかるかな」

梓「まったく、足が遅いこと知っているのになんで競争しようなんて言うんだろう」

梓「……」

梓「……今どのあたりだろう」

梓「……」

梓「……気長に待ちますか」

数十分後。

梓「……遅い。この前だったらもうこの辺に来てたはずなんだけどな」

梓「まぁ、かめさんだしこんなものなのかも」

梓「……」

さらに数十分後。

梓「……遅い、遅すぎる」

梓「……」

梓「何かあったのかな……」

梓「……」

梓「……こっそり見に行ってみよう」

───

梓「何処にいるかな……」

梓「……あれ、居ない」

梓「……」

梓「スタート地点まで戻ってきたのに見当たらない……」

梓「……」

梓「かめさん……!」

梓「何か事件に巻き込まれたりしたのかな……!」

梓「……ダメだ。見つからないよぉ……!」

梓「……ふにゃ!」

梓「うぅ、転んじゃった……」

梓「でも、それどころじゃない! かめさーん!」

───
──

梓「……」

唯「はぁ、おいしいお茶ですね」

おばあちゃん「そうでしょう? ささ、お茶菓子もどうぞ」

唯「いただきまーす」

梓「……何やっているんですか?」

唯「あ、うさぎさん……」

おばあちゃん「お友達?」

唯「うん。かけっこで競争の途中だったの。ケガの手当てありがとうございました」

あばあちゃん「いいのいいの。でも、もう転ぶんじゃないよ」

唯「はーい。じゃあ、行こうか」

梓「……」

唯「うさぎさん……?」

梓「……かめさんのバカ!」

唯「!?」

梓「わ、私がどれだけ心配してたと……!」

唯「わ、ごめんなさ……。あ! うさぎさんケガしてる!」

梓「だ、だって……! かめさんいなくなったから、心配で……!」

唯「転んじゃったんだ……。私のせいで、ごめんね」

梓「本当に、心配したんですからあぁ……! うわああぁん!」

唯「よしよし……」

───

梓「……」

唯「け、ケガ大したことなくてよかったね!」

梓「……」

唯「え、えっと……。あ、競争は結局うさぎさんの勝ちだったね!」

梓「……」

唯「あ、あの……、えっと……」

梓「……かめさん」

唯「は、はい!」

梓「……今度は競争じゃなくて、一緒に歩きませんか?」

唯「……え?」

梓「だって、かめさん危なっかしくて競争どころじゃないです。心臓に悪いです」

唯「でも、私足遅いし……」

梓「いいじゃないですか。たまにはのんびり歩くのも」

唯「……いいの?」

梓「そっちのほうがいいです」

唯「じゃあ、明日私のお気に入りの場所に行こうか!」

梓「いいですね。お弁当とか持っていきましょうか」

唯「ピクニックだね! 楽しみだなぁ」

梓「本当、楽しみですね」

唯「うふふ……。あーしたてんきになーぁれ!」




めでたしめでたし


  • 童話SSでも仲良しかこの2人。ふふ。 -- (あずにゃんラブ) 2013-01-04 03:28:09
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最終更新:2011年04月15日 22:20