「もう、先輩じゃないんだよ~、ないんだよ~ないんだよ~」
そう言いつつ、唯先輩は部室から出て行ってしまった・・・

はっ・・・
そしてまたホテルのベッドの上で目が覚めた
これで3度目。胸の奥が少し痛い気がする
でも、同時に夢の中で抱きしめられた記憶も蘇ってきて暖かさを思い出してドキドキもしてる

唯先輩の方を見ると夢をみてるのか、なにか寝言を言っているようだ
ちょっと気になって私はベットから降りて唯先輩の方に近づいた

「・・ずにゃん、にゃん・・むにゅ」
あっ?私のこと? なぜか胸の高鳴りを感じる
その高鳴り、なぜと自問したときに不意に気がついてしまった自分の気持ち・・・
私は、唯先輩の留年が心配ってだけで何度もあんな夢をみてたんじゃない
もちろん留年は心配だけど、だけど、もう一年一緒に居られるかもと期待もしてたんだ
唯先輩ともう一年、二人だけの軽音部、二人だけで一年間の部活
だめだ、ドキドキが止まらないどうしよう

気がつくと私は唯先輩の顔に手を伸ばしていた
先輩の頬をそっとなでる
かわいい寝顔、胸の奥から愛しさがこみ上げてきた


「ぎ~太~ むちゅ~」
今度はギー太を可愛がっている夢を見ているのか、唯先輩は可愛く唇を突き出している
いつもギー太ばかりじゃなくって、たまには私にも・・・今ここにいるのはギー太じゃなくって私なんですから
そう思った途端体は動いて

先輩の唇に自分の唇を重ねていた・・・

夢中だったので、唇の感触とかはよく覚えていない
ただ、ほんのり香る先輩の甘い体臭が気持ち良かったのは覚えている

ええ?私ななななにを!
自分で、自分が信じられず慌てて唇を引き離した
そして、一目散に自分のベッドへ潜り込む
ね、寝ぼけてるんだ私、いや違う寝ぼけてなんかいない、二人の私が心の中でいがみ合う
早く寝よう、もう一度寝よう!寝て忘れてしまおう

しかし、胸のドキドキは収まるはずも無く、そして寝付ける訳もなく
下半身に違和感を感じて、そっと手を伸ばすとそこは濡れていた・・・
「糸・・・引いてる」
唯先輩が隣に居ると思うと悶々とした気持ちは治まらず、また近づいたりしたら自分が何をするかも分からず
結局2度も自分を慰めてしまい、朝まで寝ることができなかった


翌朝、眠そうにしている私に唯先輩は優しく心配してくれたが
私は恥ずかしさが先に立ってつれなくしてしまった
いつか私は素直にこの気持ちを伝える事が出来る日がくるだろうか
先輩はこの気持ちを受け止めてくれるだろうか



  • 続き書いて欲しいな -- (名無しさん) 2012-06-21 17:19:58
  • 是非、続きを! -- (名無しさん) 2014-04-25 05:03:49
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最終更新:2012年06月21日 00:35