「今日から抱きつきは一回だけにしてください!」
こう言えば少しは改善されると思った。
だけど、それは甘かった。
「そっかー、じゃあ一回で離さなきゃいいんだね!」
そういって、もう一時間も抱きついたままだ。
「あの~、そろそろ離れてくれないと練習もお茶もできないんですが…」
「やだ、離したら今日一日抱きつけないから」
そこだけ りちぎに まもらないでください
律先輩はくすくす笑ってるし、紬先輩はこっちをちらちら見ては鼻をふさいでる。
澪先輩は律先輩のほうを見てるだけで役に立たない、だめだこの軽音部。
そう悩んでる間にも耳に息吹きかけてくるし顔すりすりしてくるし…
「こっち向いてよーあずにゃーん」
「うぅ…」
なんか振りほどくのも悪いしそもそも振りほどけそうもないし…
そんなとき、澪先輩が唐突に口を開いた。
「今日は練習にならないからみんな帰ろうか。」
明らかに私のせい…
いや、唯先輩のせいだ。
今はそんなことを考えてる場合ではなくて、このひっついた先輩をどうするか。
廊下に出たのにまだ離さないのだ。
「唯ちゃん本当に梓ちゃんから離れたくないのね」
「うん、今日はこのまま離れたくなーい」
そういえばどうしてこうなっているんだろう。
あぁ、私が一回限りって言ったからだ。
だったら、それを取り消せば離れてくれる?
どうしてすぐに思いつかなかったんだろう。
「あの、唯先輩、抱きつきの話はなしで…」
「わーい、ありがとうあーずにゃーん!」
「わわっ!」
余計にひどくなった。
もうどうしようも、いや、まだ一つだけあった。
あまりやりたくはないが、仕方がない。
「唯先輩!」
「なに、あず、にゃっ!?」
私は唯先輩にキスをした。
想定通り、唯先輩は固まってしまっている。
「し、失礼します!」
なんだか恥ずかしくなって後ろも見ないで走ってその場から離れた。
昇降口まできて、自分がとんでもないことをしたと思った。
廊下で、それも同じ部活の先輩が見てるなかで…
お嫁にいけないとかそんなじゃない、明日からどんな顔して部活に行けばいいのか…
翌日。
結局一晩中どうしようとか唇柔らかかったなとか舌ちょっとだけ触れちゃったなとか。
簡単にいえば寝むれなくてしかも考えすぎて悶々していた。
校門までつくと、今一番会いたくなかった唯先輩がこちらに気づいた。
「おふぁよー、あ~ずにゅあーん♪」
「おはよ、ふわぁ!」
あいさつされたかと思うと、あっという間にお姫様だっこされた。
そして、信じられない速さで走り始めたのだ!
「ちょ、ちょっと、一体なにをするんですか!?」
言っても反応がない。
なんだかよくわからないうちに教室まで連れてこられた。
そして、私を下ろした唯先輩は、
「あ~ずにゃん、昨日のお返し!」
「んうっ!?」
なんとクラスの人が見てる前でお返しのキスをしたのだ!
そっと見るとみんなこっち見てるし、憂は写メでパシャパシャとってるし…
しばらくしてチャイムが鳴る前に唇を離して、
「それじゃ、また部室でねー」
と言い残して唯先輩は去って行った。
残されたのは、
「お姉ちゃんといつからそんな関係に!?」
「あの中野さんが…大胆ね…」
「今のどういうこと、詳しく聞かせて!」
とクラス中から質問攻めにあう私であった。
- いい展開、好みだわみんなの前とか…。 -- (あずにゃんラブ) 2013-01-21 21:51:31
最終更新:2009年11月15日 00:08