「お姉ちゃん?」

93  名無しさん@お腹いっぱい。  [sage]  2009/12/27(日) 23:08:11 ID:XHBH/oZy

本日二発目投下…


某国民的アニメを見終えて夕飯の支度をしようとした私におもしろそうだよー、だなんてお姉ちゃんが薦めた番組は『激撮!全国警察24時!年末大捜査スペシャル』。
ちょっとだけだよ、と何気なく見ていたら思いの外熱中してしまい、気付いたら時刻は21時。

まずいな、急いで夕飯の支度しなきゃ…と立ち上がろうとする私の服の裾を、何かがグイッと引っ張ります。
まぁ何かが、と言っても霊的現象でも何でもなく、その犯人は言うまでもなく明らかなんですが。

「お姉ちゃん?」
「憂ー、もっと一緒にテレビ見ようよー」
「ダメだよお姉ちゃん、遅くなっちゃうから離して?」
「むー…どれくらいでできる?」
「えっと…す、すぐできるよ」
「すぐってどれくらい?」
「えーっと…す、すぐ!だからお姉ちゃんは先にお風呂入っっちゃっていいよ?」
「…わかった」

しぶしぶといった感じでコタツを抜け出しリビングを出たお姉ちゃん。その目は座っていて、頬はプーッと膨らんでいます。
ふてくされるお姉ちゃんもかわいいなぁー…♪…っていけない。私には私の仕事があるのでした。

夕飯のお姉ちゃんとの楽しい時間のためにも、急いで動かなければ!



94  名無しさん@お腹いっぱい。  [sage]  2009/12/27(日) 23:09:23 ID:XHBH/oZy

それから30分、大体のおかずを作り終えた私は最後に味噌汁を作っていました。
それにしてもお姉ちゃん、まだ出ないのかなぁ…と気になり始めたころ、不意に温かくて柔らかい何かが私の体を包みました。
まぁ何かが、とは言っても、霊的現象でも何でもなく、その犯人は…

「お姉ちゃん!?」
「えへへ、ういー♪」
「ど、どうしたの?」
「どうもしないよ?ただ憂にくっつきたくなっただけー♪」
「あ、危ないよお姉ちゃん、火使ってるんだから」
「はーい♪あ、じゃあ私ご飯よそっとくね?」

お姉ちゃんはそう言うと台所を出て行きました。さっきのふてくされてた顔とはまったく対照的な様子です。
それにしても、笑ってる顔はもっとかわいいなー…♪

―――――

「味噌汁できたよー」
「わーい、待ってました~♪…あ、憂の席はそこじゃないよ!」
「え?」
「今日の憂の席は、ここ!」

お姉ちゃんは腕を開いて私に手招きしました。ま、まさかそれはつまり、お姉ちゃんに抱きしめられたままで食事を取りなさいってこと…?

「憂はやくー」
「ちょ、ちょっと待ってお姉ちゃん!それじゃお姉ちゃんが食べにくいよ?」
「いいからはやくー」
「う…うん…」



95  名無しさん@お腹いっぱい。  [sage]  2009/12/27(日) 23:10:24 ID:XHBH/oZy

お姉ちゃんのかわいすぎる笑顔に負けて、私はおっかなびっくりお姉ちゃんの足の間に腰を降ろしました。
コタツの下に二人の足が重ねて入るのは少し窮屈ですが、今の私にとってそんなことはどうでもいいことでした。
なぜなら背中にお姉ちゃんが密着しているせいで、私はとてつもなくドギマギしているからです。

「えへへ…憂、あったかいねぇー♪」
「そ、そうだね!?」
「えへへ…憂、もう離さないからねぇー♪」
「そ、そうだね!?…え?」
「ふふっ、かかったね憂!これは憂を捕まえるための罠なんだよ!」
「はっ…!そういえばお姉ちゃん、よく見たらお風呂に入ってない…!?」
「そう!なぜなら…」

ここでお姉ちゃんは私の耳に口を近づけ、囁くように言いました。

「憂と、入りたいからだよ♪」
「……!!」

ダメです。負けました。完全にノックアウトです。お姉ちゃんの魅力の前に私は一発KOです…

「じゃあ憂、ご飯食べて一緒に入ろう♪はい、あーん♪」
「…あーん…ちょ、お姉ちゃんそこ鼻だよ…」
「あ、ごめんごめん」

この分だと、日付が変わる頃には、お姉ちゃんと二人のバスタイムを過ごしていることでしょう…


おわり
最終更新:2009年12月27日 23:15
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