116 平沢姉妹のお正月 [sage] 2010/01/02(土) 03:59:08 ID:21hmv5ol
世間はまさにお正月。
テレビを着ければ特番三昧だし、外は買い物や初詣に出かける人でにぎわっていて、何か日本中が浮かれたような気分でいるようだ。
こんな独特な雰囲気に、私は毎年不思議とわくわくしてしまうのだけど…
「ふわ~あ…ねむーい…」
「……」
お姉ちゃんはいつもと変わりない様子。
まぁ、それがお姉ちゃんらしいといえばらしいんだけど…
「あの…お姉ちゃん?」
「んー?」
「初詣行かない?今日は天気いいし」
「今度皆で行くからいいよー…」
「じゃあ…買い物に行こう!」
「今日は近所のお店お休みだよー…」
「じゃ、じゃあ…散歩に…」
「寒いからいいよー…」
「そっか…」
どうにもお姉ちゃんはその気になってくれない。お正月ボケって言葉もあるくらいだし、だらだらしちゃうのは仕方ないと思う、けど…
お姉ちゃんいつも部活のことで忙しそうだし、せめてお正月くらいは二人きりでゆっくり出かけたかったな…
ま、しょうがないか。こうして一緒にいられるだけでも幸せだって思わなきゃバチが当たるよね…
「……」ジー
「…さ、それじゃおもちでも焼こうかな!」
「…憂」
「ん?なに?」
「…気が変わった!」
「え…?」
117 平沢姉妹のお正月 [sage] 2010/01/02(土) 04:03:05 ID:21hmv5ol
「今から初詣、行こう」
「え?な、なんでいきなり?さっき皆で行くって…」
「いいから!立って立って!」
「わ、お、お姉ちゃん?」
結局、私たちは初詣に行くことになった。あんなにだらけてたのに、どうして…
色々と考えながら近所の神社に向かって通りを歩いていると、お姉ちゃんは不意に私の手を握った。
「…お姉ちゃん?」
「憂、ごめんね」
「え?な、なんで謝るの?」
「だって、さっきすごく寂しそうな顔してたから…それって私のせいでしょ?」
「うっ、ううん!違うよ?あれはただ私が…」
ここまで言って、私は口ごもってしまった。
私がそういう顔をしていた理由は確かにお姉ちゃんにあるわけで、そうじゃないなんて取り繕うのはなんとなく不自然な気がしたのだ。
そして同時に、素直にお姉ちゃんに甘えたいような…そんな気がしたのだ。
「憂?」
「…お姉ちゃん」
「なに?」
「私たまには…甘えてもいいのかな」
「え?」
「な、なんていうかその…私が寂しい気持ちになったのはお姉ちゃんのせいだ、だなんて言っても…いいのかな」
「…もちろんだよ」
お姉ちゃんは立ち止まって私の両手を優しく包んだ。手袋越しに、ぬくもりが伝わってくる。
118 平沢姉妹のお正月 [sage] 2010/01/02(土) 04:09:35 ID:21hmv5ol
「遠慮なんかしないでわがまま言っていいんだよー。だって憂は私の妹なんだもん」
「うん……ありがとう、お姉ちゃん」
「だから…私もわがまま言って憂に甘える~♪」
「きゃっ?お、お姉ちゃんこんなとこで抱きついちゃ…」
「いいんだもーん♪私は憂のお姉ちゃんなんだからっ♪」
「も、もう…結局甘えるのはお姉ちゃんの方なんだから」
「えへへー♪ところで憂は初詣の願い事、何にするの?」
「…内緒だよ♪」
「え~、教えてくれたっていいじゃーん!」
…ごめんねお姉ちゃん、こればっかりは言えないかも。
『大好きなお姉ちゃんと、たくさん一緒にいられますように』だなんて言うのは、いくら素直になっても恥ずかしすぎるから…
でも、その代わり…
「お姉ちゃん♪」
「あれ、憂もなんだかんだ抱きつくんじゃーん」
「いいんだもーん♪だって私はお姉ちゃんの妹なんだからっ♪」
おわり
あけおめSS投下!
一応正月ネタということで書いてみました
最終更新:2010年01月02日 10:50