アットウィキロゴ

唯ちゃんの成人式

55  名無しさん@お腹いっぱい。  [sage]  2010/01/11(月) 18:06:27 ID:Ri22ef4p

今日は休日。
普段の疲れを癒すべくのんびりと二度寝を楽しんでいると、不意にノックの音が聞こえた。

「お父さーん」

どうやら憂のようだ。
こんな時間に声を掛けてくるとはどうしたんだろう。
普段なら気を遣ってくれるのか、私が起きてくるまで放っておいてくれるのに。

「ごめんな憂、お父さん疲れてるからもう少し寝てたいんだ」
「うん、わかってるんだけど…お姉ちゃんがどうしてもお父さんに見せたいものがあるんだって」

見せたいもの…?一体なんだろうか。
最近は大学やバンド活動で忙しいのか、以前に比べ話すことが少なくなった唯だが…もしかして何かプレゼントでもくれるのだろうか?
私は少しうきうきしつつ、憂に言われた通りリビングにやってきた。そこにいたのは……

「あ、お父さん!」

一瞬、その女性が誰か分からず、私は面食らってしまう。
どなたですか?と聞きそうになりつつも、『お父さん』の言葉でようやくその人物の正体を理解する。

「ゆ、唯…」
「えへへ、似合うかな?」

それは、華やかな振り袖に身を包み、薄く化粧をした唯だった。
いつまでも子供のままで変わらないと思っていた娘の変化に、私は父親ながらドキッとしてしまう。




57  名無しさん@お腹いっぱい。  [sage]  2010/01/11(月) 18:08:01 ID:Ri22ef4p

「成人式に行く前にどうしてもお父さんに見せたくってね、頑張って早起きしたんだ。美容院が混んでて忙しくなっちゃったけど」
「そ、そうか…」
「お母さんには先に言ったんだけど…お父さん、今まで育ててくれて、ありがとうございました!」

――出張で家を離れる私に、言っちゃやだと泣きついてなかなか離れなかった唯。
そんな唯が、笑顔で私を送り出してくれるようになったのはいつのことだっただろうか。

気付かないうちに、この子は少しずつ大人になっていた。私がそばにいなくても笑顔でいられるほどに、強くなっていたのだ。
そしていつかその笑顔を、私ではない誰かに向けて送り出すようになるんだろう…

「……」
「あれ、お父さん?」
「あ、あぁ、何でもない。そ、それより時間はいいのか?」
「あ、大変!じゃあいってきます!」
「あぁ、いってらっしゃい。あまり浮かれすぎないように気をつけるんだぞ」
「うんっ♪」

まったく私は…せっかく娘が晴れ姿を見せてくれたというのに、顔を背けたままろくに見送ろうともしないなんて。

だが許してくれ、唯。
今の私の顔は、お前に見せるにはあまりにも情けなさすぎる…

(【けいおん!】平沢唯50うんたん【出番だよギー太】より)
最終更新:2010年01月11日 21:05
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。