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放課後唯憂ティータイム

190  放課後唯憂ティータイム  [sage]  2010/01/11(月) 22:28:48 ID:Ri22ef4p

今私は、軽音部の部室の前に立っている。
というのは、家庭科の時間に作ったクッキーをお姉ちゃんに差し入れるためなんだけど…

憂「うぅ…」

私は自分の服装を見た。…メイド服だ。それはもう見事なメイド服。
なぜ私がこんな格好をしているのか。それは…

10分前

憂(お姉ちゃん、クッキー喜んでくれるかな~♪)
さわ子「あら、そこにいるのは憂ちゃん!ちょうどよかったわ、ちょっとこっち来て!」グイッ
憂「え、な、なんですか?私これから用事が…ていうかなんで更衣室なんかに!?」
さわ子「実は一着メイド服が余ってるの~♪捨てちゃおうかと思ってたんだけど…うふふ♪」
憂「せ、先生?や、やめ…」
さわ子「堪忍しなさ~い♪」ババッ
憂「きゃ…きゃあああー!」

…結局私はさわ子先生に無理矢理メイド服に着替えさせられた。
先生が制服を持ったまま会議に行ってしまったせいで、しばらくはこの格好でいざるを得ないという状況になり…現在に至る。
ここまでは誰にも見られずに済んだけど、さすがにこのまま帰るわけにはいかないし…
うん、皆さんも同じ格好してたし、見られても大丈夫!

私は覚悟を決めて扉を開けた。そこにいたのは…



191  放課後唯憂ティータイム  [sage]  2010/01/11(月) 22:29:45 ID:Ri22ef4p

唯「あれ、憂ー?」

驚いたように声を上げたのは、椅子に座って頬杖をついたお姉ちゃんだった。
周りには誰もおらず、どうやらお姉ちゃん一人だけみたいだ。ホッとしたような、余計恥ずかしいような…

唯「どしたのその格好!?」
憂「え、えっと…色々あって」
唯「へぇー…すっごくかわいいよ♪」
憂「あ、ありがとう…」

お姉ちゃんにかわいいと言われて、私の体はカーッと熱くなる。
さわ子先生に無理矢理着替えさせられたのは、あながち不幸なことじゃないのかも♪

…はっ、いけないいけない、ここに来た本来の目的を忘れるところだった…

憂「そ、それでね、今日はお姉ちゃんに差し入れ持ってきたの」
唯「え、なになに?」
憂「これ…なんだけど」
唯「わぁ、美味しそうなクッキー!これどこのお店で買ったの?」
憂「買ったんじゃなくって、作ったんだよ。家庭科の授業で」
唯「ホント!?これ、憂が作ったの!?」
憂「う、うん…」
唯「憂すごーい♪ねね、食べてもいい?」
憂「うん、いいよ。あ、じゃあお茶入れるね」

紬さんの道具を借りて紅茶を入れると、準備は万端。私たち二人だけのティータイムの始まりだ。

「いただきまーす♪サクッ」



192  放課後唯憂ティータイム  [sage]  2010/01/11(月) 22:30:48 ID:Ri22ef4p

クッキーを食べたお姉ちゃんは、瞳を爛々と輝かせ、とろけるような笑顔を浮かべた。

唯「んん…」
憂「ど…どう?」
唯「おいひ~♪ホント最高だよ憂!」
憂「あ、ありがと…あのね、お姉ちゃんが食べやすいように砂糖多めに使ったんだよ。
 あとお姉ちゃんが好きなチョコチップクッキーもあるの!あと…」
唯「憂、ホントに頑張ってくれたんだねー♪」
憂「え?あ…」

えらいえらい、と私の頭を撫でるお姉ちゃんに、私の胸はほわっと心地よくなる。
もしかしたら私は、こんな風に褒めて欲しくて頑張ってたのかもしれない…

唯「こんなにおいしいんだから憂も食べなよ、あーん」
憂「わ、私はいいよ」
唯「憂のことだから、味見しただけであんまり食べてないんでしょ?」
憂「う…」
唯「図星なんだー。ダメだよ?ちゃんと食べなきゃ。はい!」

だって、できるだけたくさんお姉ちゃんに食べて欲しかったんだもん…と言おうとする私の口を、甘いクッキーがふさいだ。

唯「ね、おいしいでしょっ♪」
憂「うん…おいしい」

自画自賛になっちゃうけど…確かにおいしい。それも、味見した時よりずっと。
それは、お姉ちゃんに食べさせてもらってるからなのかもしれない。



193  放課後唯憂ティータイム  [sage]  2010/01/11(月) 22:33:23 ID:Ri22ef4p

ガチャ

さわ子「さー♪今日のお菓子は…あらあら?」
唯「あ、さわちゃーん♪」
憂「先生!」
さわ子「あんたたちが二人でお茶なんて珍しいわねー♪じゃあメイド憂ちゃん、私にもお茶を…」
憂「先生、その前に制服を返してください!」
さわ子「わ、わかったわよもー」
憂「もう…」

まぁ何はともあれ、ようやく普段の格好に戻れる。
お姉ちゃんにかわいいって言われたのは嬉しいけど、さすがに澪さんたちにまで見られるのは恥ずかしい。

唯「え、憂着替えちゃうの?」
憂「うん、いくらなんでもこんな格好、これ以上はできないから」
唯「残念だな、メイド服すっごく似合っててかわいいのにー…」
憂「先生、やっぱり制服は結構です♪」
さわ子「えっ…?」
憂「あとこの服いただいてもいいですか?大事にしますね♪」
さわ子「あ、うん…」
憂「お姉ちゃん、メイド服って最高だよね♪」
唯「うん、憂のメイドさんは世界一かわいいよ♪」
憂「もー、お姉ちゃんったらぁ♪」

二人で楽しく話すメイド服姿の私とお姉ちゃん。そして呆然と立ち尽くすさわ子先生。
梓ちゃんの話によれば、そんな3人を見た律さんたちは、中に入るのに数分ほど躊躇したそうです。

おわり
最終更新:2010年01月11日 22:45
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