331 憂が大人になった日 [sage] 2010/02/13(土) 21:41:38 ID:ZZb9rzm6O
「ただいまお姉ちゃん♪」
「おかえりー。ねー憂、なんか荷物が届いてたよ?えっと…パソコン部品…?」
「はっ!!お、お姉ちゃん!」
「へ…わっ?」
次の瞬間、私はお姉ちゃんから箱を引ったくっていた。その動きはまさに神速(カンムル)。
あっけにとられた表情のお姉ちゃんを背に、私は自分の部屋に向かう。
ごめんねお姉ちゃん、さすがにこの中身を知られるわけにはいかないの…
「憂?パソコンなんてないのに何買ったの?」
「ちょっとね…夕飯の準備、もう少ししたらするからね」
「う、うん…」
パタン…
部屋に戻ると、そっと箱を机の上に置く。
ついに…ついに届いたんだ…予約してから数ヶ月、待ちに待った「それ」が!
無心で箱を空け、余計な包みを全て取り除くと、「それ」の姿が露になる。
本物と違わぬ滑らかな肢体、引き込まれるような笑顔、胸の膨らみ、黒タイツに包まれた太もも…。
お姉ちゃんの、figma!
「うふふ…お姉ちゃん…♪」
と、とりあえずこの姿をゆっくりと堪能しなきゃ。
本物のお姉ちゃんをこんな風にまじまじ見るなんてなかなかできないもんね。
はっまずい、お姉ちゃんを机の上に立たせるとそのかわいさに目眩が…さすが!
332 憂が大人になった日 [sage] 2010/02/13(土) 21:43:24 ID:ZZb9rzm6O
「えへへ…お姉ちゃんかわいいなぁ…♪」パシャパシャ
携帯のカメラで軽く30枚ほど写真を撮ってから、私はひたすらにfigmaを眺めた。
どうしよう、かわいすぎて目が離せない…あ、あれ?お姉ちゃんが私のことを見てる?
いやまさか、これはフィギュアなんだよ?そんなはず…
いや、やっぱり見てる!お姉ちゃんが私のことを見てる!私たち、見つめ合ってる!
やっぱりお姉ちゃんはお姉ちゃんなんだ!フィギュアだろうと、お姉ちゃんは私のことを見てるんだ!
「はぁ、はぁ…お、お姉ちゃん…誰も見てないし大丈夫だよね…」
私はお姉ちゃんfigmaを手に取った。そして…
「お…お姉ちゃんのパンツ…はぁはぁ…」
も、もしかして今お姉ちゃんはこれと同じの履いてたりするのかな…
そう考えると私は今、間接的にお姉ちゃんを…
「はぁはぁ…は、鼻血出ちゃった…えへへ…も、もうちょっと、お尻を…」
ガチャ
「ういー、もう7時過ぎてるよ?早くご…は……」
「…!!お、お姉ちゃん…」
お姉ちゃんは今にも泣き出しそうな顔をしていた。無理もない。
なぜなら今の私といったら鼻血を垂らしながらぶつぶつ呟いて、お姉ちゃんのfigmaをいじくり回していたのだから…
333 憂が大人になった日 [sage] 2010/02/13(土) 21:46:43 ID:ZZb9rzm6O
「う、憂…」
「ち…違うのお姉ちゃん!これは…そう!擬似的に健康診断を…」
「ううん、いいんだよ…憂もお年頃だもんね。そ、そういうことしてたって変じゃないよね…」
「あぁ、そんな笑顔を向けないでお姉ちゃん!痛い!視線が痛いよ!」
「ごめん…私何も見てないからー!」ダッ
「待ってお姉ちゃん!おねーちゃーん!!!」
――今度からフィギュアを触る時は、部屋に鍵を掛けよう。私はそう、心に深く刻んだのだった。
338 憂が大人になった日 [sage] 2010/02/13(土) 23:55:33 ID:ZZb9rzm6O
気まずい雰囲気で夕飯を食べ終えると、お姉ちゃんは真面目な顔で言った。
「…ごめんね憂」
「お、お姉ちゃんが謝ることないよ。私があんなことしてたのが悪かったんだし」
「ううん、私が悪いんだよ。もっと早く気付けてればよかったのに…」
「え?気付けてれば…って?」
お姉ちゃんは椅子から立ち上がった。どういうわけか、その顔は赤く染まっていた。
「ごめんね…私が鈍感だから憂のお願いに気付いてあげられなかったんだよね」
「えっと…な、なにを言ってるのお姉ちゃん?」
「でももう安心していいからね。私、これからは憂のために頑張るから!」
「ちょ、な、なんでスカートを掴むの!?ていうかなんで着替えてないの!?」
「憂が見たいなら…いくらでも見せてあげる!」バッ
お姉ちゃんはスカートを勢いよくまくった。
いつの間にか黒タイツを脱いでいたその中身から覗くのはまぶしい太ももと、美しいピンクの三角形――
339 憂が大人になった日 [sage] 2010/02/13(土) 23:58:01 ID:ZZb9rzm6O
ブシュッボタボタ…ドサッ
「あぁっ!?憂?だ、大丈夫!?は、鼻血がこんなに…!!」
「はぁ、はぁ…お…ねぇ…ちゃん……?」
「なに?大丈夫?ごめんね、やっぱり上も脱いだ方がよかった?」
「…それもいいけど……あの…ね、一つだけ…言いたいことがあるの…」
「な、なに?」
「タイツは…履いたままの方がいいよ…」ガクッ
「ういー!!」
――あぁ、私は黒タイツフェチなんだ…
それをはっきり自覚した、冬の夜のことだった。
終
最終更新:2010年02月14日 00:24