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「いつもありがとう」

951  名無しさん@お腹いっぱい。  [sage]  2010/05/08(土) 23:22:45 ID:2NHIzThd0

SS書いたので投下
       「いつもありがとう」

憂「おねーちゃーん?」

自分の部屋にいるとドアの外から憂が私を呼んでいる声が聞こえた。
そして私は、もちろん返事をする。

唯「ん?なにー」

そして私が返事したあとに憂が私の部屋を開ける。

――ガチャ

憂「お姉ちゃんちょっといいかな」

唯「うん、どうしたの?」

どうやら憂は私に頼みごとがあるそうだ。

憂「実はしょうゆ切らしちゃってね、ちょっと手が離せないから
  買って来てほしいんだけど…良いかな?」

もちろん、何もしてない私は断る理由は無いよね。
少しは私も役に立たなきゃ!!っと言うことで答えは――

唯「うん、お安にご用心です!!」ビシッ

憂「じゃあ、よろしくお願いします!!」ビシッ

いつものおふざけの敬礼でその頼みを承諾しました!!



952  名無しさん@お腹いっぱい。  [sage]  2010/05/08(土) 23:24:14 ID:2NHIzThd0

――玄関

支度完了っと。
そして私は近くのスーパーに向かいます!

唯「いってきまーす」

では、いざスーパーへレッツゴ~!

憂「ちょっとお姉ちゃーん!」

って…あれ…?

唯「ん?どしたの?憂?」

憂「財布と自転車の鍵忘れてるよー」

唯「!!あっ、忘れたてた~」

うっかり、肝心なものを忘れてた。これじゃあ買い物にならない。
それにしても…自転車に乗るのも久しぶりだなー。

唯「へへ、ごめんごめん…」

憂「もー、じゃあ、よろしくね」

唯「はーい」

そうして私は、行ってきますと一言憂に行って玄関を出た。
外はすでに夕暮れで、でも暖かいポカポカした夕方の6時だった。



953  名無しさん@お腹いっぱい。  [sage]  2010/05/08(土) 23:26:43 ID:2NHIzThd0

唯「えっと確かヤ○サ新味しょうゆの特売の138円を2本だっけ」

憂に言われたことを私は口にする。まあ、確認としてね。
そして私は自転車の鍵を開け自転車に乗る…。

唯「そういえば本当に自転車に乗るの久しぶりだなー」

走りながら私はふと思っていた。私は自転車に乗れるようになったのが遅かった。
確か、小学校の4年のこの時期だったなー。親は忙しくて。

私は自転車をこぎながらふと昔のことを振り返る。
今は何事もなくスイスイと自転車をこいでいる。でもこれは、自転車に乗れるようになったのは

唯「あっ、ここだよねー」

ふと公園の前で足を止める…

唯「…ここで確か初めて乗れるようになったんだよねー」

そう
――あの時、憂が――



954  名無しさん@お腹いっぱい。  [sage]  2010/05/08(土) 23:29:06 ID:2NHIzThd0

~~~~~~

確か小学校4年の春。

憂『じてんしゃに乗れるようになりたい?』

唯『うん…私、まだ乗れないままでしょ。それでねお母さん達も休みの日忙しいし
  ういはもう乗れるんだよね…』

あの時、憂は小学校に入ってすぐに乗れるようになってたんだよね。
本当に何やらしてもすぐにできちゃう子だったなー
憂はあの頃から本当にできた子だった。

唯『今度、出かけるときに少し遠くに出かけるからみんな自転車で行くって言ってて、
  それで自転車に乗れないって言ったらびっくりされちゃったんだー』

確かそんな理由だった。

憂『おねえちゃん確かあの時あきらめちゃったんだよね…』

唯『うん…それでね、来週のどようびまでに乗れるようになりたいの
  だから、お願い!手伝ってほしんだー』

小学校に入ったころ、確か自転車に乗れなくて一回あきらめたんだったよなー
転んじゃって足に血がいっぱい出て…おお泣きしちゃって…。

憂『うん!いいよー乗れるようになるといいね』ニコッ

唯『ありがとう!私頑張るよ!』

あの頃から私はお姉ちゃんらしく…なかったなー。



955  名無しさん@お腹いっぱい。  [sage]  2010/05/08(土) 23:32:01 ID:2NHIzThd0

次の日から学校帰りに二人で特訓がはじまったんだ。

唯『ういーは、はなさないでね~』

憂『大丈夫、怖がらなくていいよーずっとつかんでるから』

唯『う、うん…』

自転車恐怖症?気味な私の体を憂はゆっくり支えてくたんだよねー

憂『大丈夫、少し重いけど、ちゃんと支えてるから』

あの時の憂の手がどんなに――

憂『一歩ずつ、そう、あせらないで』

温かくて――

憂『もっとハンドルを動かして』

頼もしくて――

憂『きちんとペダルを勢いよくこがなきゃ』

安心できたか。
私はあの時の憂の手の優しさを覚えている。いや忘れられない。
ずっと憂がそばにいてくれる、ついててくれる、支えてくれる。

…それだから、あんなに安心できたんだ。




956  名無しさん@お腹いっぱい。  [sage]  2010/05/08(土) 23:35:05 ID:2NHIzThd0

学校は終わってはこの公園で特訓をした私と憂。
今と同じ夕暮れの中憂と一緒に頑張っていた。あの日。

でも、また…

憂『いいよ、いいよ、バランスが取れて来たねー』

あれは確か金曜日で明日が約束の日だったんだよね。

唯『う、うん、大丈夫そうだよ!』

憂『は、はなすよ―』

そして、憂の手が離れた。

唯『だいじょうぶ、だい…じょうぶ、だ、だ、あ、あれ!?グラグラする~
  ハ、ハンドルが上手くう、動かせないよぉ~』

憂『あっ、お、おねえちゃん!!』

確か、不意にバランスを崩しちゃって――

ガシャーン!!

憂『おねえちゃーん!!??』

唯『…………』

…また、思いっきり転んじゃうんだよね。



957  名無しさん@お腹いっぱい。  [sage]  2010/05/08(土) 23:38:17 ID:2NHIzThd0

憂『だ、だいじょうぶ~お、おねえちゃん?』

唯『………ふぇ…もぉ~むりだよぅ~わ、私にはむりなんだよぉ~うえぇぇぇえん~』

なぜか弱気になってべそかいちゃって…。
乗れない悔しさと、情けなさと焦りと不安がいつものボジティブな私を上回って…。

唯『うぇ、グスッ、うぅ、グスッ』

憂『立って、お姉ちゃん…!』

座ってうつむいて泣いている私の前にそっと小さい手が――

憂『だいじょうぶ!一回失敗しただけだよ?私がずっとついてるから…だいじょうぶ。
  おねえちゃんはやればできるんだから!』

唯『……』

憂『ねっ!だから…がんばろ!』ニコッ

唯『ぐす…うい…』

あの時の憂の顔は今でもくっきりと覚えている。夕焼けに照らされて、少し赤い光を浴びてて
満面の笑みで優しくてとっても安心できて、何よりも元気になれる最高の笑顔だった。

唯『……うん、ご、ごめんね…私、頑張るよ!』

そうしてごしごしと涙を拭いて憂の手を握って立ち上がった。
あの時の憂の手はとっても大きく感じて、元気が出てくる感じがするほど、強かった。



958  名無しさん@お腹いっぱい。  [sage]  2010/05/08(土) 23:41:13 ID:2NHIzThd0

また、私は憂につかんでもらって…

憂『うん、もうだいぶバランスが取れて来たね~もう少し』

時計が6時半を回っていたのを覚えている。

唯『うん!だ、だいじょうぶ…かも』

そうして――

憂『せーーのっ!!』

パッと憂が手を離した。私が一人で進んでいくのが分かる。
そう、いつまでも憂に手を差しのべられて、助けてもらうわけにはいかない…

――そう、私は、一人で、行かなきゃ!!!

唯『あ、あ乗れてる、進んでる~』

憂が走って私の10メートル手前あたりで、

憂『ここまで…頑張って…ほらっもう少しだよー』

一歩…一歩…あと少し、もう少し、一人で一歩ずつ!!

唯『ういーー!!』

バッ――

憂『へへ、おねえちゃん届いたね…乗れるようになったね!!おめでとう!!』

唯『うん!!』

あの時、憂に届いた瞬間の握った憂の手は私にとって
すごく、嬉しくて、そしてやっぱり安心できる

――優しくて、温かい手だった



959  名無しさん@お腹いっぱい。  [sage]  2010/05/08(土) 23:45:02 ID:2NHIzThd0

そうしてしばらく練習して、完璧に乗れた時は7時が過ぎてたなー。
私と変わらない体の大きさだったのに私をずっと支えてくれた。

――憂……。

本当にありがとね…!

そして、私は公園に別れを告げて、スーパーへと向かった。

買い物が終わった帰り道にふと、見慣れた顔に出会った。

律「よーす!唯!どうしたんだ~」

りっちゃんだった。

唯「えっとね買い物の帰りだよー」

律「えー何買ったんだ~?」

ガサゴソ

りっちゃんは憂のお気に入りマイバックを覗き込んで…

律「しょうゆかーつまーんなーいのー」

唯「まあ、憂の頼まれ物だけだからねー」

律「おつかいかーおお、なかなかえらいぞー」



960  名無しさん@お腹いっぱい。  [sage]  2010/05/08(土) 23:49:23 ID:2NHIzThd0

まあ、そんなに大したことはしてないんだけどね…
そんなことより無性に憂の顔が見たい、声が聞きたいそんな気分だった。

律「今晩憂ちゃん何作るの~」

唯「今日はにくじゃがっていってて、それでしょうゆ切らして忙しいから買って来てってね
  頼まれたんだー」

律「へーそれでー」

唯「りっちゃんは何の用だったの?」

律「いやー私は親の付き添い」

唯「へー」

でも、なんで外の入り口にいるのは聞かなかった。

律「いいなー私も憂ちゃんの手料理食べたいなーうらやましいぞこの~」

唯「へへへへ~」

うん、私は本当に幸せ者だ。あんなにもいい妹をもって、優しくていい妹を持って。
――私は本当に幸せだ。

律「憂ちゃん、私にくれよ~」



961  さるくらったID:2NHIzThd0  [sage]  2010/05/08(土) 23:54:37 ID:iZwpk2oIP

そして私は、

唯「憂は私の自慢の妹、私の大切な大切な妹だから、
  りっちゃんにはあげられません!」

はっきりと言った。まありっちゃんは冗談で言ってるのは分かってたんだけど、今はどうしても
憂の事を褒めたくて。だって、憂は私の大切な――

世界でたった一人の私の妹だからね。

律「ははっ相変わらず仲いい姉妹で何よりだー」

唯「ありがとう。じゃあ、私は帰るねー」

律「おう、また月曜なー」

そうして、りっちゃんと別れた。

今は会いたい、憂に会いたい私の大好きな大好きな憂に…。
今はそんな気持ちだった

私は急いで家に帰った。



962  ID:2NHIzThd0  [sage]  2010/05/08(土) 23:57:26 ID:iZwpk2oIP

憂、憂ー

ガチャ――


そして、

憂「お帰り~」

大好きな声が帰ってくる
パタパタとスリッパの音が近づいてくる。

そして愛くるしい顔が私の前に…

唯「憂……」ギュウ~

私は憂に抱きつく。

憂「ちょ、も~どうしたの?」

今はひたすら愛くるしくてしょうがない憂と一緒にいたくて…

唯「もう少し…もう少しこのままでいさせて……」

憂「もう、甘えん坊なんだから~」

そう言って私の頭をなでてくれる。
その手は本当に昔と変わらず温かくて、優しくて…。



963  名無しさん@お腹いっぱい。  [sage]  2010/05/09(日) 00:00:02 ID:StPQNMbJ0

唯「憂ー」

憂「ん?」

唯「いつも…いつもありがとう…」

本当に、いつもありがとうね。

憂「もーいきなり改まってどうしたの?」

理由は無いよ。ただそれが今の憂に対する正直な気持ち。

唯「んーん…なんとなくそんな気分だったから」

今、私は高校3年生。いつかは家事を覚えてこんな私でも自立して生きていくようになると思う。
いや、ならなくちゃいけない。だから、いつか、憂とも別々になる日がきっと来る。

それがいつになるか分からないけど、その日まで、また迷惑かけちゃうかもしれないけど、
その手に甘えちゃうかもしれないけど……

その時まで、これからも、よろしくね…!

いつもいつも本当にありがとう!



fin.



964  名無しさん@お腹いっぱい。  [sage]  2010/05/09(日) 00:11:26

あとがき!!
クリスマスイブ以来の投下で久しぶりさが半端なかったわ。
以前書いた「そのときが来るまで」の唯バージョンって感じで書いてみた。
(覚えてる人いるかな?)
自転車に関しては、前スレあたりで話題になっててネタにさせてもれった。
憂が唯のことを考えてるのはよくあることだけど、唯が憂の事を考えてるのって
そんなにないよなーって感じでとにかく唯の憂への思いを書いてみた。
それにしても、5話の憂可愛すぎるw何よりも良かったのは唯が憂に
こまめにメールを送っているのに感心した。早くU&I回が見たい!!

次回は憂のポニテ(リボン)についてネタを考え中!
では失礼しました。
最終更新:2010年05月09日 00:41
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