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『プリン』

159  軽音部員♪  [sage]  2010/06/18(金) 02:17:26 ID:EAFIliE.0 [1/5]

『プリン』

こんにちは、中野梓です。

最近の軽音部には異変が起こっています。
といってもそれほど大したことではないかもしれませんが・・・

異変というは唯先輩がティータイムの時間にお菓子を食べないんです。
といっても練習を真面目にしてくれるわけでもないんですが。

梓「先輩?今日もお菓子食べないんですか?今日は先輩の好きなケーキですよ?」

唯「う~ん・・・今日もお茶だけでいいよ・・・」

律「唯!最近お菓子食べないけど、どっか調子悪いんじゃないか?」

唯「ちがうよ~いたって元気だよ!ほれっ」

そうやって唯先輩は力コブを作って見せた。
全く力コブはなかったけど。

律「ほれほれーぃ!たるんどる!唯」

律先輩は唯先輩の脂肪を掴んで遊んでいる。
今日もまったりとティータイムを楽しむ軽音部・・・練習はもちろん・・・してない。

澪「今日も練習しなかったな・・・」

梓「明日こそは練習するです!」

紬「最近唯ちゃんが私のお菓子食べてくれなくて残念だわ~」

律「はぁ~ん・・・唯のやつダイエットしてるな?」

唯「そんなことないよ~私どんだけ食べても太らないもん」

律「ふふふ、詳しい話はまた明日だな、じゃぁまたな~!」

いつもの別れ道について唯先輩と二人っきりになったのでお菓子の事について聞いたけど、
先輩は教えてくれない。
そろそろ先輩と別れる場所まで来たとき、
私服姿の憂が見えました。晩御飯の買い物にでも行っていたのかな?
手にスーパーの袋を下げている。



160  軽音部員♪  [sage]  2010/06/18(金) 02:18:57 ID:EAFIliE.0 [2/5]

唯「おぉ~憂~」

そう言って先輩は憂を抱きしめる。
二人の頬が触れ合って、私はそれを羨ましく見つめていた。

良いな・・・唯先輩・・・憂にあんなことが出来て・・・

憂「も~お姉ちゃんったら、梓ちゃんに見られてるよ?」

唯「おぉ~そうだった!あずにゃ~ん!」

唯先輩はいつも通り私も抱きしめてくれたんだけど、
ただ私は・・・似てるけどちょっと違う、憂からギュッとしてもらいたいなって思ってしまった。

みんなにはもちろん内緒にしてるけど、
私は憂の事が好きです。
高校に入学して初めて憂を見たときから。

梓「憂、最近先輩がお菓子全然食べないんだけど、どうかしたのかな?」

憂「えへへっ実はね?お姉ちゃん・・・」

唯「憂~そのことはお姉ちゃんと二人だけの秘密だよ~?」

唯先輩はちょっと必死になって隠します。
なんか気になる・・・

梓「軽音部に隠し事はなしです!みんな仲間じゃないですか、律先輩たちも心配してます!」

唯「うぅ~でも内緒は内緒なんだよ・・・」

そう言って唯先輩の頬は膨れてしまった。
今日はもう聞けないなと思うとちょっと残念かも。
でもその時でした。

憂「お姉ちゃんったら~梓ちゃんたちなら隠さなくても大丈夫だよ?」

唯「ブー・・・だって独り占めしたいんだもん」

憂「しょうがないなぁ~お姉ちゃん。軽音部のみんなを心配させちゃダメだよ~。
  ね、梓ちゃん律さんたちには内緒だからね?」

唯「じゃ~・・・あずにゃんにだけなら良いよ~憂」

唯先輩が内緒にしてることってなんだろ?
人の秘密を知ることに少しドキドキしてきました。



161  軽音部員♪  [sage]  2010/06/18(金) 02:21:30 ID:EAFIliE.0 [3/5]

憂「実はね、梓ちゃん。お姉ちゃん私・・・」

秘密の核心に迫ったとき、ちょうど甲高い音が響きます。憂のスーパーの袋から缶ジュースが落ちていました。

憂「・・・プリンが好きなんだ!私のプリンが大好きで、最近毎日食べてるんだ。
  お姉ちゃん毎日2つとも食べちゃってまだ欲しいっていうんだけど・・・
  私もお姉ちゃんのプリン食べたくなるんだけど我慢してるんだよ?」

憂は落ちたジュースを拾いながら言います。

梓「私の・・・プリン・・・2つしかない・・・我慢してる?」

私の頭の中には変な想像ばかり巡ります。

唯「そうなんだよあずにゃん!憂のプリン最高なんだよ~!2つしかないけどさ・・・
  憂は優しいから2つとも食べさせてくれるんだ!てっぺんにはサクランボもあるんだよ~」

憂「もうお姉ちゃんそんなにおっきな声で言わないでよ~私恥ずかしくなっちゃうよ~」

う・・・憂?なんで顔赤くなってんの?
それにサクランボは1つに1つ?そ・・・そうだよね。
私も1つに2つはついてない。

梓「サ・・・サクランボ?・・・サクランボ2つ・・・?」

唯「2つ?ダメだよ~あずにゃ~ん、そんなことあるわけないじゃん!
  1つに1つだからいいんだよ?」

憂「そうそう梓ちゃんお姉ちゃんね、この前なんか帰ってきてすぐ着替えもしないで私に迫ってきて・・・
  急いで出して食べちゃうから制服汚しちゃったんだよ?
  あんなに美味しく食べるの見てると私もお姉ちゃんのだけど食べちゃくなっちゃうんだよね」

梓「せ・・・制服のままで・・・制服汚しちゃったんだ・・・」

プリンプリンって二人は言うけどもうこれはそういうことだよね。
この姉妹はもうそんなとこまで進んでいて私が憂に入る隙間なんてないのかな・・・?
でも唯先輩の一言私は救われ・・・た?

唯「そうだ!!あずにゃん!今日暇だったら今から食べに来るといいよ~憂のプリン!」

梓「そ・・・そんな・・・私にはまだ早すぎて・・・その心の準備が・・・」

唯「準備なんていらないよ!食べたくなったらその時がチャンス!
  明日になったら私がわけてあげるかわからないよ~」

憂「そんな・・・お姉ちゃん!私恥ずかしいよ、最近始めたばっかりだからまだ他の人には・・・
  私も心の準備が必要だよ」

不敵な笑みを浮かべてる唯先輩。

唯「大丈夫だよ~憂のは美味しいしよ!見栄えも悪くないし!」

私も出来るならそのプリンにありつきたい・・・。
願ってもないチャンスじゃないか。
唯先輩と二人でというのは気が引けるけど明日はもうこんなチャンスあるかわからないんだから。

梓「わ・私決めたです!今日・・・憂のプリン食べるです!!!」

憂「梓ちゃん・・・私恥ずかしいよ!また今度にしよ?」

梓「その今度はいつ来るかわからないです!今日食べるです!」

唯「その意気だよ!!あずにゃん!!!でもこの事はりっちゃんたちには絶対秘密だからね?」

梓「わかってます!先輩!!私もとられたくないです!!」

憂「もう・・・二人とも好きなんだから」

憂の顔はまだ赤みを帯びててちょっとドキっとした。



162  軽音部員♪  [sage]  2010/06/18(金) 02:24:04 ID:EAFIliE.0 [4/5]

唯先輩の家に着いて居間に入る。

唯「憂・・・私もう我慢できない」

梓「憂、私も我慢できない」

憂「もう・・・二人ともせっかちだね。すぐ準備してくるね」

私の心臓は今までになく脈をうってて、
額にはうっすら汗をかいていた。

唯「ふふ~落ち着かないなぁ~あずにゃん」

梓「初めてだったらみんな落ち着くわけないじゃないですか」

唯「好きだっては思ったけどそんなに好きだったんだね?あずにゃん」

梓「せ・・・先輩には関係ないです・・・」

唯「まだまだ子供だねぇ~あずにゃんは」

梓「先輩もまだ子供ですっ!」

唯先輩は今まで知っててこうしたんだろうか?
私は顔が赤くなるのを感じた。

憂「二人とも待たせてごめんね?準備出来たから。お姉ちゃん、ドア開けてくれる?
  ちょっと手・・・離せなくて」

唯「ほーい!じゃぁあずにゃん・・・あける・・・からね?」

梓「・・・どんとこいです!!」

唯先輩がドアを開ける。

そこには私の念願の・・・念願の憂のプリンが・・・

あった・・・見るからに柔らかくて、ほど良い大きさで、
それでいててっぺんには綺麗なサクランボがのっていた。

梓「・・・」

唯「これが憂特製のプリンだよ~サクランボも綺麗だねぇ~もう我慢できないや」

憂「友達に食べて貰えるの初めてなんだ?美味しくなかったらごめんね?梓ちゃん」



163  軽音部員♪  [sage]  2010/06/18(金) 02:25:35 ID:EAFIliE.0 [5/5]

でもそれは私の想像していたプリンではなくて、
本当のプリンだった。

唯「そんなことないよ~私が保証するよ!このために最近はムギちゃんのお菓子も我慢してるんだ」

梓「ちがうです・・・ちがうですー!憂の胸は2つしかなくってそれを私と唯先輩で半分個するって・・・あっ・・・」

顔から火が出るというのはこういうことだろうか?
そんな卑猥なことを考えていた自分が恥ずかしくなる。

唯「ほえっ?あずにゃんどうしたの?」

憂「大丈夫?顔真っ赤だし体調悪いの?」

あの時、缶ジュースの音で聞こえなかったけど、
私の作ったプリンって言ってたんだろう。
考えればすぐわかることじゃん・・・私。

梓「だ・・・大丈夫、何もないから心配しないで
  それと・・・憂」

憂「うん・・・?」

梓「なんでプリン2つなの?」

憂「お姉ちゃん、お菓子大好きだからイッパイ作っちゃったらご飯食べなくなっちゃうから・・・」

梓「じゃぁなんで唯先輩の見てたら憂も食べたくなるの?」

憂「だってほら・・・ダイエット・・・最近ちょっと気になってお菓子食べてないから・・・
  あんなに美味しそうに食べるお姉ちゃん見てたら私も我慢できなくなっちゃう」

やっぱり・・・私のバカッ!
変なことばかり考えて、先輩が憂にそんなことするわけないじゃん。
そしてそれに期待した私も私だ。
流れる汗が顔の熱に反してなんだか冷たく感じる。

憂「やっぱり梓ちゃん、体調悪いんじゃ・・・」

唯「あずにゃ~ん!憂のプリンを食べれば熱も吹っ飛ぶよ~」

幸せそうな顔をして憂のプリンを食べている唯先輩・・・

梓「うわぁーん!食べてやるです!全部残さず食べてやるです~!!」

唯「あずにゃ・・・それっそれは私の・・・」

梓「知らないです!憂の2つのプリンもサクランボも全部私のです!!」

憂「泣きながら食べてる・・・梓ちゃん」

唯「私のプリン~・・・」

憂「こんなに喜んで食べて貰えて嬉しいな。ありがと!梓ちゃん」

唯「プリン~・・・プリンッ・・・グスッ」

憂「も~お姉ちゃんは泣いたらダメだよ、お姉ちゃんは今夜もプリン食べられるでしょ?」

初めて食べた憂のプリンは舌がとろけるように甘くて、
それでも少ししょっぱくて何だか不思議な味がした。

私もこのプリンの話は秘密にしなきゃ、今日の話が先輩達にばれてしまったら
なんて言われるかわからないし。

数日後、軽音部のティータイムにプリンが出てくるのが日常になるんだけど、
それはまた別のお話し。

  • 終わり-


最終更新:2010年06月19日 01:42
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