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「え?お姉ちゃんの嫌いなところですか?」

693  軽音部員♪  [sage]  2010/08/04(水) 23:28:35 ID:lO5y45n20 [1/3]

「え?お姉ちゃんの嫌いなところですか?」
「そうそう、いくら憂ちゃんでも、1つくらいはあるだろ?」

こんにちわ、平沢憂です♪
今日は梓ちゃん、淳ちゃんとお買い物です。
みんなそれぞれに好きなものを買って、ちょっと疲れたので
近所のファストフード店休憩している最中に偶然律さんに会いました。

律さんは澪さんが講習で暇をもてあましてぶらぶらしていたところ
私たちを見つけてお店に入ってきたようです。

「やっぱさ~、唯は憂ちゃんに迷惑かけまくってるしなぁ。あるだろ?」
律さんは嬉しそうに身を乗り出しています。
ちなみに、席は壁を背にした窓側に梓ちゃん、その向かいに淳ちゃん、その隣に
律さん
その正面に私という席順です。

「あ~、それ、私も興味ある!どうなの憂!?」
淳ちゃんは左手に持ったジュースをバンッと勢いよくおきます。
あぁ~、淳ちゃんそんなに力強く置くからジュースがちょっとテーブルの上にこ
ぼれてるよぅ。
そのままにしておくと淳ちゃんが服を濡らしてしまうので側にあった紙ナプキン
でさりげなく拭いておきます。

「いや~、憂の唯先輩への愛情を考えたらそんなのないんじゃないですか?」
梓ちゃんは興味なさそうにストローを加えています。
でも、梓ちゃん、心なしか椅子が近づいてるよ。
やっぱり梓ちゃんも興味あるだね・・・。

「う~ん、そうだなぁ・・・」
皆の期待にこたえられるように色んなお姉ちゃんを思い出してみる。

「ほら、やっぱりないんですよ」
「えぇ~、1つも?」
「さすが憂ちゃん、うちの弟にも見習ってほしいもんだ・・・」

みんなそれぞれ好き勝手なことを言っているなぁ。
でも、みんなの期待に応えなくちゃ!

「・・・嫌いなとこっていうか、こないだちょっと困っちゃったことはありまし
たけど・・・」
少し小さめな声で言ったその言葉はみんなにとっては結構衝撃が大きかったよう
です。

「ええええ!!どこどこどこ!?」
淳ちゃん、焦りすぎ!
「憂にも唯先輩の苦手なとこあるんだ・・・私は・・・ある・・・けど、でもそ
れは嫌いとかじゃなく・・・」
梓ちゃん、心の声が大きいよ。
「だよな~!兄弟で嫌いなとこが1つもないなんてことないよなぁ!」
律さん嬉しそう。弟さんと何かあったんですか?

「えぇ~っと。こないだのことなんですが・・・」



694  軽音部員♪  [sage]  2010/08/04(水) 23:32:25 ID:lO5y45n20 [2/3]

「憂~見てみて~」
「ごめ~ん、お姉ちゃん、今手が離せないからちょっと待ってて」
私は素早く作業をひと段落させ、
エプロンで手を拭きながらキッチンからリビングへ向かいます。
あんまり待たせるとお姉ちゃんが可哀想です。

「お姉ちゃん?どうしたの?」
チラッと見た限りではリビングにお姉ちゃんの姿はなく、その代わりに大きな緑
の物体がありました。

      • お姉ちゃん?
「あ、憂~これみて!!さわちゃんがくれたんだ~」
緑の物体が振り向くとそこにはお姉ちゃんの顔が。
「いや~、どう?自分でも結構似合ってるかなぁと思うんだけど♪」

か・・・・かわいい!!!
お姉ちゃんは恐竜のキグルミを着ていました。
そう、ド○キでよく売っている全身恐竜のキグルミです。
恐竜の頭を模したフードまでかぶって、もうすっごく可愛いんです!

「どうどう?」
お姉ちゃんは嬉しそうに私のそばによってきて全体を見せるようにその場で一周
します。

そのしぐさがまたたまらなく可愛くて私の心臓に矢が刺さりまくりです!
「ねぇ~、憂?」

柔らかい尻尾が足に当たってやっと我に返って返事をします。
「か、可愛いよお姉ちゃん!!」
その言葉を聞くとお姉ちゃんはにへ~といつもの柔らかい笑顔になりました。
「でしょ!私今日はこれ着て寝る!」
いつものようにふんすっと自慢げにふんぞり返る姿もまた一段と可愛いです。

「でも、それじゃあんまり疲れが取れないんじゃな・・・」
「あ!憂!今日は一緒に寝ようよ!恐竜と一緒におやすみだよ!」
言いかけた言葉をさえぎってお姉ちゃんは私の手を握りながら嬉しそうに笑いか
けます!
「ね、憂♪」
「・・・うん」
あまりの可愛さに思わず頷いてしまいました。
凄く顔が熱くて多分真っ赤になっているはず。
ちょっと恥ずかしいです。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「・・・ということがあって・・・、結局その日はお姉ちゃんが可愛いすぎてあ
んまり眠れなくて」

「「「・・・・・・・」」」

あれ?皆の様子がおかしいです。
どうしたんでしょう?
皆下を向いて何かを我慢しているようです。

「「「ただのノロケじゃん!!」」」
一斉に顔をあげて私に突っ込む皆さん。
ノ、ノロケって///////
だから嫌いなとこじゃなくって少し困ったところだって言ったのに・・・



705  軽音部員♪  [sage]  2010/08/06(金) 00:22:09 ID:scUOG2A20 [2/5]

694の続き
結局特に甘いのもなく、ゆるい感じで終わりました。
すいません↓↓



「う~ん、さすがに嫌いなとこはハードルが高かったか」
「そうですね、憂にはちょっとハードルが高かったかもしれません。」
律さんと梓ちゃんがちらちらとこっちを見ながらなにやら相談しています。
さっきの回答はどうやらダメだったみたいですね。

「じゃあ!じゃあさ、直してほしいとこは?」
さっきからジュースのストローをくわえながら無言で何か考えていた純ちゃんが
急にひらめいたみたいです。
あぁ、またそんな力強く置くから勢いで紙ナプキンが床に落ちちゃったよ。
これは後でお店の人のお掃除が大変なので、拾っておきます。

「おっ、良いねぇ!それ行こう!どうでしょう、憂さん?」
かがんで紙ナプキンを拾い、顔を上げると律さんが手をマイクのようにして私の
目の前に差し出してきました。

う~~ん、お姉ちゃんに直してほしいとこかぁ。

「どう憂?」
考え込んでいると隣の梓ちゃんが、妙に真剣な顔で聞いてきました。

梓ちゃん、いつのまにか一番積極的に聞いてくるようになったね。

「例えば、朝早く起きてほしいとか、たまには家事を代わりにやってほしいとか
♪」
私が考えやすいように色々提示してくれる律さん。

そうだなぁ・・・

「・・・えぇっと、朝早く起きるのはお姉ちゃんが遅刻しなくなって良いかもし
れないですけど、
 毎朝お姉ちゃんを起こしに行くのがなくなっちゃうと少し寂しい気もしますね

 家事は・・・、出来るようになったらお姉ちゃんにとっては良いかもしれない
ですけど、

 私はお姉ちゃんのお世話するのが楽しいのでやっぱり寂しいかなぁ。」

せっかく律さんが提示してくれたけど、やっぱり私には、どうしてもお姉ちゃん
に直してほしいとは思えませんでした。

「・・・う~む、手ごわい」

律さんは困ったような顔をして、腕を組みながら考え込んでしまいました。
うぅぅ、ごめんなさい。

「じゃあ、あとは・・・ほら、誰にでも抱きつくのをやめてほしいとか!」

「「あっ」」
なぜか純ちゃんの言ったことに思わず声が出てしまいました。

「おぉ!純ちゃん今日は冴えてるね~。」
「えへへ、それほどでも~♪」

それは・・・どうかな?
嫌・・・なのかな?
う~ん。


う~ん、色々考えたけど、でもやっぱり!

「でも、お姉ちゃんのあったかさを他の人にもわかってもらえるのも嬉しいです

 他の人にばかり抱きついて私に抱きついてくれなくなっちゃうのは寂しいけど

 お姉ちゃんの良さをみんなにもわかって貰えるのも嬉しいですよ!」

「へぇ、そうなんだ!」
あれ、予想外に梓ちゃんが一番反応しています。
というか、さっき私が思わず声を出しちゃった時梓ちゃんも一緒に反応してたね

梓ちゃんはよくお姉ちゃん抱きつかれてるもんね。
ちょっとだけ、羨ましいかな?


      • あれ?他の二人はし~んとしちゃいました。
下を向き、ふるふると体を震わせています。

「ほ、本物や!この子本物やで純ちゃん!」
「憂!憂が憂のお姉ちゃんを愛する気持ちは本物だよ!」
急に泣きまねをしながら大げさに頷きあう律さんと純ちゃん。
なんだかいつのまにか律さんと純ちゃんの友情が深まっているような・・・?



706  軽音部員♪  [sage]  2010/08/06(金) 00:24:14 ID:scUOG2A20 [3/5]

結局その後も、お姉ちゃんの話題で結構盛り上がっちゃいました。

軽音部でのお姉ちゃんの様子とか、たくさん聞けて嬉しかったです☆



ふと窓の外を見るとだんだん空もオレンジ色になってきましたね。
そろそろ帰って夕飯の準備を始めなくちゃ。
なんだかお姉ちゃんの話ばかりしてたら、
ちょっとだけお姉ちゃんに会いたくなってきちゃいました。

「あの、すいません、そろそろ帰って夕飯の準備を始めなくちゃいけないので・
 良ければみなさんもうちで一緒にご飯食べていきませんか?」

みんながいるとお姉ちゃんもたくさん笑顔になります。
二人で食べるご飯ももちろん美味しいけど、みんなと食べるご飯も美味しいもん
ね♪

「おぉ~!!いいの!?憂ちゃんのご飯美味しいからなぁ」
「行く行く!!」
「憂が迷惑じゃないなら・・・」

よし、今日は5人分の夕飯です!
はりきらなくちゃ。
そうと決まれば早速帰る準備を始めます!

「じゃあ、スーパーによってちょっとだけ材料を買い足してから帰りますね」

~~♪
お店を出るときに、ちょうど私のケータイがなりました。
誰だろう?

「あ、お姉ちゃん!」
ぴくっ。
ディスプレイを見ると『お姉ちゃん』の文字でした。

私の声に少し反応したのは梓ちゃん。

「おっ、噂をすればだな~。あいつ、変なとこでタイミング良かったりするから
なぁ」

律さんの言葉に、少し笑顔になりながら通話ボタンを押します。

「もしもし?」
「憂~~」
ケータイから聞こえてくるお姉ちゃんの声は少し元気がないみたい。

「どうしたのお姉ちゃん?」
「・・・すぅ~」

「えっ、何?よく聞こえないよ?」
どうしたんでしょう?
お姉ちゃん、何かあったのかな?

「憂~、冷凍庫からあいすがいなくなっちゃったよ~」
半分泣いているような、他の人が聞いたら情けないと思っちゃうような声を出す
お姉ちゃん。
私にとってはこれもまた一段と可愛いらしく聞こえます。

「ごめ~ん、アイス切らしちゃってるんだ~」
元気のない原因がアイスだとわかって少しほっとして、
でもやっぱりアイスを切らしちゃった罪悪感も少しありました。

「えぇ~、そっか~。でも、それなら仕方ないね・・・。」
あぁ、お姉ちゃん悲しそう。

「待っててお姉ちゃん!今買って帰るよ!」
そんな悲しそうなお姉ちゃんを私がほっとけるわけありません。

「えぇ~、良いよ良いよ!
 今日はあずにゃんたちと遊んでるんじゃなかった?大丈夫!今日はアイスは我
慢するよ!」
お姉ちゃん、多分家の中で一人でふんすってやってるんだろうなぁ。
子供の頃からずっと一緒なので、声ですぐにどんな様子かわかってしまいます。

「ううん、ちょうど今スーパーによって帰ろうと思ってたところだから」
「おぉ!ないすたいみんぐ!じゃあ、お願いします!」
「はい、待っててね。あ、今日は梓ちゃんと純ちゃん、律さんがうちで一緒に夕
飯食べるって」
「わ~い♪・・・って、りっちゃんも?」
「うん、さっき偶然会ったんだ。」
「そっか~、それはラッキーでした!じゃあ楽しみに待ってるよ!」



急いで買い物を済ませて帰らなくっちゃ。



凄い速さでスーパーで買い物を済ませる私にみんな少しびっくりしていたけど、
いつも行ってるスーパーなので何がどこに売っているかはわかってるだけなんで
す。

そりゃあ、お姉ちゃんにアイスを届けなくちゃいけないからいつもより速めに買
うように心がけたけど、
そんなに驚く速くないと思うんだけどなぁ。



707  軽音部員♪  [sage]  2010/08/06(金) 00:29:50 ID:scUOG2A20 [4/5]

「どうぞ、あがってください。」
「「「おじゃましま~す。」」」

みんな礼儀正しく玄関の前で挨拶をして家の中に入ってきます。

「ただいま~、お姉ちゃ~ん?」
家の中に響くようにお姉ちゃんを呼ぶと、階段からドタドタと降りてくる足音が
しました。
お姉ちゃん、2階にいたんだ。
ギー太でも弾いてたのかな?

「おっかえり~~!!」
あ、お姉ちゃん今日は恐竜さんだ!!
降りてきたお姉ちゃんはさっき話した恐竜のキグルミを着て、
尻尾を引きずりながら階段を降りてきました。

「ゆ、唯、なんだその格好!?」
さっき聞いていたとはいえ、急にあの格好で出てきたら誰だって少しびっくりし
ちゃいますよね。

「え、これ?さわちゃんに貰ったんだ~。可愛いでしょ!
 せっかくみんな来るって言うから正装でお出迎えしようかと!
 りっちゃん隊長いらっしゃい!」

ビシッといつものように敬礼するお姉ちゃん。
      • 敬礼する恐竜さんかぁ、可愛いぁ。


「あずにゃもいらっしゃ~い♪」
お姉ちゃんが梓ちゃんに抱きついて嬉しそうに頬ずりします。
梓ちゃん、固まっちゃってるよ。

「純ちゃんもいらっしゃい!!」
お姉ちゃんは、梓ちゃんに抱きついたまま純ちゃんに手を振っています。
      • 良いなぁ、梓ちゃん。



708  軽音部員♪  [sage]  2010/08/06(金) 00:57:54 ID:scUOG2A20 [5/5]

って、羨ましがってる場合じゃありませんでした!
アイスが溶けちゃう。

「お姉ちゃん、アイス買って来たよ。
 今食べる?食べないなら冷凍庫にしまっちゃうけど・・・」
「おぉ~、待ってたよ!ありがとう憂!!」
お、お姉ちゃん!
嬉しいけど、抱きついたらアイスが渡せないよぉ。

「お姉ちゃん、アイスアイス!」
おぉっと声をあげ私から離れて受け取った袋の中身をごそごそと確認するお姉ち
ゃん。


「ほう、これはまたナイスなチョイスですなぁ。」
お姉ちゃん、気に入ったみたいで良かったです。
「うん、お姉ちゃんが食べたそうなやつだなぁって思ったから」
「さすが憂♪も~、私はこんな妹を持って幸せだよ~。ずっと私の側にいて欲し
~なぁ」

お、お姉ちゃん///////
お姉ちゃんは急にこういうことを平気で言うのでちょっと照れてしまいます。
もちろん、凄く嬉しいですけど!

「わ、私もお姉ちゃんみたいな姉がいて幸せだよ!」
「えへへ~、ありがと~」
嬉しそうにまた抱きつくお姉ちゃん。
「えへへ」
私も嬉しくなって思わず笑顔になってしまいます。
やっぱり今日もお姉ちゃんは、ほんわかあったかいです。






「うちら、完璧忘れられてるよな・・・」
「はい、なんか二人だけの世界って感じですよね・・・」
「恐竜・・・かわいい」

「・・・あれさ、可愛いか?」
「・・・どうですかね、見方によっては可愛いと思いますけど」
「恐竜さんかぁ・・・あんな恐竜さんだったら、うちで飼っても良いかも・・・


「・・・さっき言わなかったけどさ、朝、早く起きて欲しいよな」
「私だったら置いていくかも・・・というか、
 そもそも私なら一緒に寝坊しちゃいますけど・・・」
「尻尾が、尻尾がたまりません!」


「・・・さっき言わなかったけどさ、家事、してほしいよな」
「ですよね・・・、家事、してほしいですよね」
「あ!フード取っちゃった!髪がぐちゃぐちゃになってる。・・・仕方ないなぁ
唯先輩は」



「・・・アイス、自分で買ってほしいよな」
「・・・アイスがなくて妹に電話かけるのも珍しいですよね」
「あ、やっぱり、憂が直すよね。そ、そうだよね~」

なんて、毎日色々ありますが私は今日もお姉ちゃんと楽しく日々を過ごしています。
では、みなさんまたお会いできる日を楽しみにしています♪
平沢憂でした!

最終更新:2010年08月06日 19:17
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