782 軽音部員♪ [sage] 2010/08/12(木) 00:34:00 ID:fJMibELQO [1/3]
風もない昼下がり。ちょっと動けば汗をかくような、そんな日。
遠くで蝉が鳴くのが聞こえる。風鈴の音は聞こえない。
氷を浮かべたオレンジジュースのグラスには水滴が浮かんでは流れていた。
うちは冷房をいれないから、扇風機が頑張っていた。
団扇もいたるところに放置していた。
…いつでも、あの人を仰げるように。
「うーいー…あついー」
うだる姿も可愛い…だとか。本当に、私は…。
純ちゃんに、梓ちゃんにからかわれて気付くことも多いけれど、最近は自分でも意識するようになった。
なんで私って、こんなにも大好きなんだろう。
「うーいー…扇いでー」
本当に今日は暑い。じっと動かない方がいいと思ったのは私もお姉ちゃんも一緒だった。
「強?弱?」
「強で!…と言いたいけど…中で」
強、は強めに扇ぐ意味だし、弱もまた然り。
「なんで?」
「だってー、あんまり激しいとうい疲れちゃうでしょー?」
「…大丈夫だよ。強くても疲れないよ」
「そうなの?」
「うん」
…嘘。本当は疲れちゃうよ。
でもね、お姉ちゃんのためならいくらでも仰ぐよ。
…なんで、そんなに頑張れちゃうのかな。
お姉ちゃんのため、ただそう思えば。
783 軽音部員♪ [] 2010/08/12(木) 00:35:30 ID:fJMibELQO [2/3]
「…あ、じゃあ…」
床に寝転がっていたお姉ちゃんは、おもむろに起き上がって、ソファーの上にあった団扇を手にした。
「扇ぎっこ、しよ」
「え?」
「ういも…涼しくなろー?」
…そう、お姉ちゃんがいつもの笑顔で言ったから。
ああ…そっか。
今まであった疑問、少しだけどわかった気がした。
「うん…扇ぎっこしたい」
「えへへ、じゃあいくよー」
そうだ、多分。
お姉ちゃんと、こんなやりとりしてて、はっきりとはわからないけど。なんとなくだけどわかった気がした。
お姉ちゃんが私に、何かを届けてくれるから。
何が届いているのか、私にもよくわからないけど…確かに私はそれをいつも貰っている。現に、そう、今だって。
「うい、すずしい?」
「…あったかいかな?」
「え!?あったかい!?」
「あ…ううん。涼しいよ」
貰ってばかりの私も、お返しにお姉ちゃんを扇いだ。
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- テスト -- (管理人) 2010-08-12 17:48:58
最終更新:2010年08月12日 17:48