125 軽音部員♪ [sage] 2010/09/02(木) 00:03:55 ID:Gvw7RASkO [2/6]
憂にキスしたいと思いながら、今日も一日が終わった。
あのぷるんとした唇。
やわらかい白い肌。
ふわふわ跳ねるポニーテール。
それらを見る度、いや考える度に悶々と落ち着かない気分になっちゃう。
姉をこんな気持ちにさせるなんて罪作りな妹なんだ。
でも直接「キスしよー」なんて言っても……憂ならしてくれるかもしれないけど、やっぱり恥ずかしい。
それにからかってるなんて思われたら最悪だ。
わたしの憂へのこの想いはそんな生半可なものじゃない。
ああ、ちゅーしたい。ちゅーしたい!
そうしたらわたしは昇天してしまうかもしれないけど、それでもしたい!
そのためにはやっぱり、雰囲気を作らなきゃ。
憂だって、空気は読める。
それっぽい雰囲気にしてしまえばこっちのもんだ。
よし、そうと決まれば早速やろう。
「よーし!」
……でもどうやって……。
なんだか喉も渇いた。
とりあえずなにか飲み物を飲もうと冷蔵庫を開けた。
「!」
その時、エジソンさながらのインスピレーションが舞い降りた。
126 軽音部員♪ [sage] 2010/09/02(木) 00:17:06 ID:Gvw7RASkO [3/6]
リビングを除くと、憂はソファに座ってテレビを見てた。
息を整え、呼び掛ける。
「うい~」
「?あ、お風呂あがったんだね」
「うん」
憂へと近づき、隣に座る。お風呂上がりのわたしよりいい匂いがした。
でも今はそんなことより。
「ねえ憂、ジュース飲む?」
「え?」
「お風呂はいったら喉渇いちゃって、憂も一緒にどうだい?」
「うん、じゃあもらうね」
待ってましたと言わんばかりに見えないように持っていた大きなコップを取り出す。
「ほい」
「えっそんなに飲むの?それにわたしのは……」
憂の言葉を遮るように、ストローを二本コップに突っ込んだ。
「こうするの!」
「へ?」
憂は、どんな反応するかな?
「……」
固まったまま、動かない。
でも知ってるよ。そしたら憂は……3、2、1
「っ!」
ほら、真っ赤になっちゃった。
でもここで緩めちゃだめ。
憂は押しには弱いんだから。
「ほらほら」
「え、えと……むぅっ!」
待つより先に、ストローを憂の口へと差し込んだ。
127 軽音部員♪ [sage] 2010/09/02(木) 00:18:11 ID:Gvw7RASkO [4/6]
「じゃあ飲んでいいよ~」
わたしもストローを加え、ずびずびとジュースを啜るけれど、ようやくストローを掴んだ憂はまだ真っ赤。
でも、計画通り。
「憂飲まないの?」
「の、飲むよ」
「ほんとに?」
「……うん」
それでも憂の口元は一向に動かない。
ふふふ、そろそろいいかな?
「もー全然飲まないじゃん!」
「え?ま、まだ……」
「憂ったら飲む気ないんでしょ!」
「違うよ!そうじゃなくて……」
言いかけて憂はそのまま俯いてしまった。
かわいいのぅかわいいのう。
「そっか、いやだよねこんなの……」
「へ?……ち、違うよ!だって……」
「ほんとに?」
「う、うん」
憂の性格だもん、恥ずかしいのはわかってるよ。
だからちょっとずるいかななんて思ったりしたけど、やっぱりキスしたいんだ。
「じゃあ……」
「お、お姉ちゃ……」
憂と額をくっつける。
真っ赤な憂のおでこはちょっぴり熱かったけど、気持ち良い。
128 軽音部員♪ [sage] 2010/09/02(木) 00:19:01 ID:Gvw7RASkO [5/6]
「わたしが飲ませてあげる」
「お、お姉ちゃん!?何言って……」
憂の目はぐるぐるまわって今にも倒れてしまいそう。
だからしっかり憂の肩を抱いた。
「憂、いや?」
「へ?あ、あのその……」「いやだったら、やめるよ?」
「……い、いやじゃ、ない……けど……でも……んっ」
その瞬間、憂の口を塞いだ。
唇で感じる唇は、思ってたよりもずっとやわらかくて、あたたかい。
憂は、さっきよりもっと真っ赤になっちゃったけど、わたしは離さない。
そんな憂を見ていたらもう我慢出来なくて、口を開いてゆっくり流し込んだ。
しばらくして、ようやくわたしが口を離すと憂の息は荒くなってた。
目も虚ろでどこか色っぽい。
憂、きれい。
憂、かわいいよ。
じっとわたしを見つめる憂。
雰囲気のまま憂を抱き締めたわたしは、理性を保ってはいられなかった。
おしまい。
感想をどうぞ
- 最後の4文字が見えない -- (名無しさん) 2011-05-01 01:02:20
- 続きがあれば・・・・ -- (名無しさん) 2010-09-22 01:37:54
最終更新:2010年09月02日 19:01