398 軽音部員♪ [sage] 2010/09/13(月) 23:42:04 ID:HSHz/4.kO [4/6]
一人暮らし。
憂と夜にいちゃいちゃできなくなって、早一週間。
寂しい。ものすごく寂しい。
憂と暮らしてた頃はいつでも憂を抱きしめてもふもふできたし、くんかくんかできたし、ちゅっちゅもできた。
でも今は憂がいない。
それは毎日、毎時間電話やらメールでコミュニケーションをとってるけど、やっぱりスキンシップがないと落ち着かない。
ああ、あの優しい甘い匂いを嗅ぎたい。
あのやわらかい暖かさをこの身で確かめたい。
正直、欲求不満だった。
そんなわたしがそのことに思い至るまで、そう長くはかからなかった。
二週間。
部屋にはアイドルの写真集が散らばっている。
もちろんそんなものには興味はない。
ただ憂の顔写真を貼ってそれっぽく仕上げただけのもの。しかしやはり憂にはほど遠くて全部段ボール行きとなった。
三週間。
憂を求めて部屋を徘徊するほどだ。
しかしもちろん憂はいない。ゴロゴロしながら憂を呼び続ける。
憂に似ているから買った抱き枕もやっぱり役には経たなかった。
一ヶ月。
そろそろ限界だ。
たまに家の前まで行って干してある洗濯物を眺めたりピンポンダッシュしたりした。
出てきた憂をさながらパパラッチの如く激写してしかしばれないように去る。
とりあえず写真で命は繋ぎ止められた。
399 軽音部員♪ [sage] 2010/09/13(月) 23:43:06 ID:HSHz/4.kO [5/6]
四十日。
憂エナジーが足りなくて今にも事切れそうだ。
なんとなく通販で買った盗聴器が目に入り思いついた。
そうだ、憂の家に設置しよう。
憂が出払っている隙を見計らってなんとか仕掛けた。
コンセントに接続するタイプだから気づかれなければ半永久的に盗聴できる。
思わずぐへへと声が漏れてしまったけれどわたしの心は晴れやかだ。
わたしの部屋には憂の鼻歌が洩れる。
五十日。
スピーカーから流れる憂の麗しい声といっしょに歌っていると、突然ぶちっと通信が途絶えた。
くそう、安物め。
仕方ないので監視カメラを買いに出掛けた。
六十日。
念入りに計画を立て、いざ憂の家に突入する。
カメラ設置箇所はまずリビング、それに憂の部屋、脱衣場、お風呂、トイレ…
勢いよくドアを開け、中に突入……
憂がいた。
400 軽音部員♪ [sage] 2010/09/13(月) 23:43:14 ID:HSHz/4.kO [6/6]
唯「う、うい?」
憂「あ、お姉ちゃん?どうして……」
唯「ういー!」ダキッ
憂「わ…く、苦しいよお……」
唯「んふふー」スリスリ
そうだ、始めから会いに来ればよかったんだ。
憂はこんなにも純粋で綺麗でかわいい。
そんな憂にわたしはなんということをしようとしていたのだろう。
言おう。今までの考えてたことを、全部。
唯「……ねぇ、憂」
憂「ん?」
唯「わたしね、憂に言わなきゃいけないことがあるんだ……」
憂「なあに?」
唯「わたしね……」
唯「憂のこと、愛してるっ!!」
意味がわからんけど終わり。
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最終更新:2010年09月14日 20:54