42 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2010/09/20(月) 01:18:21 ID:3bJ66YiOO [1/5]
大好きだよ。
そんなセリフ、いつだって簡単に言えたはずなのに。
この想いを胸に秘めたまま、明日はもう一人暮らし。
同じベッドに横たわる憂の手を絡ませると、憂がこちらを向いた。
「…そろそろ寝よっか」
憂は、いつもと変わらない。
わたしは、まだ憂といたい。
「……やだ」
「どうして?はやく寝なくちゃ明日起きられないよ」
「寝ちゃったら……もうこういうこと、できないから……」
困ったように眉をひそめる憂。
困らせてるのはわかってる。
「…会えなくなるわけじゃないんだから」
それもわかってる。
でも、今まで過ごしてきた憂との日常はもう明日からはなくなっちゃう。
それがいやでいやで悲しくて、また目が滲んだ。
「……は、離れたくないよぉ…うい…」
「……わたしもだよ」
今しか、今しかないかもしれない。
明日はどんなにいやでも来てしまう。
だから今、言ってしまおう。
この想いを全部。
43 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2010/09/20(月) 01:19:20 ID:3bJ66YiOO [2/5]
「……憂、わたしね…」
「……」
「憂のこと、妹とかじゃなくて……」
ふと、憂の指先が唇に触れる。
「…お姉ちゃん」
「……憂?」
しっかりと、でも悲しそうにわたしを見つめる憂の目も少し、滲んでいた。
「憂、言わせて…わたし……」
「だめだよ」
「……どうして…」
胸から溢れるこの気持ちを抑えきれなくて、伝えてしまいたいのに。
これ以上我慢はできないのに。
「私たちは、姉妹だから」
「そんなのっ!関係ないよ……」
「ううん、だめなんだよ」
わたしは、憂と姉妹でよかったのかな?
姉妹じゃなかったら、憂とわたしは……
「やだ、やだよ……お願い憂……」
「ごめんね……だから」
「…?」
「今だけ、ね?」
ゆっくりと触れる唇からは、憂の吐息がわたしにかかる。
目の前の憂は目を瞑る。
わたしは離したくなくて、憂を精一杯抱き締めた。
姉妹だなんて、そんな壁なかったらよかったのに。
でも今だけ、今だけは憂とひとつになれる。
だからわたしは、ただ憂にすがるようにまた唇を重ねた。
これからのことなんて、忘れるように。
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- せっ切ないっっっっっ!!! -- (唯憂は素晴らしいとは思わんかね?) 2010-10-18 21:10:34
最終更新:2010年09月20日 18:28