732 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage]
雪が降る。しんしんと。
ここは、思い出の場所。ずっと、ずっと昔にあった出来事を、いまでもちゃんと覚えてる・・・お姉ちゃんとの想い出の場所。
そんな場所に、私はただ、ただ立っていた。
涙を、流しながら。
今日はクリスマス、聖なる夜。だけど、隣にはあの人、お姉ちゃんはいない・・・
告白なんか、しなければよかった。
好きだなんて、言わなければよかった。
今日という日にけいおん部のみなさんとクリスマス会をした・・・けれど・・
梓ちゃんとずっと話しているお姉ちゃん。そして、楽しそうにお姉ちゃんと話している梓ちゃん。
その二人は、まるで恋人同士のようだった。
そんな二人を見て、私は・・・・気づいたら、嫉妬し、怒りにまかせて告白まがいのことを言ってしまっていた。驚く、お姉ちゃん、そしてけいおん部の皆さん。私はもうそこにいることができなくて、気付いたら、家を飛び出していた。
告白なんか、しなければよかった。
好きだなんて、言わなければよかった。
こんなにも悲しい想いをするなんて・・・
雪が降る。しんしんと。
私はただ、ただ、たたずむだけ。
涙を、流しながら・・・あたりはもう随分と雪が積もり、白銀の世界を作っていた。
2010/12/25(土) 01:34:46 ID:m3tRuFV+0 [1/4]
733 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage]
「憂!」
どれくらい、たっただろう?涙はもう乾き、体はとうに冷え切ったころ、お姉ちゃんの声が聞こえた気がした。
「憂!やっと、みつけた・・・」
「おねえ、ちゃん・・・?」
ギュッと、後ろから抱きしめられた。その温もりは、まぎれもないお姉ちゃんのもの。
その温もりを感じた時、なぜだろう・・?乾ききったはずの涙が、再び、零れ落ちた。
「おねえ、ちゃん・・・!」
「憂・・・」
私はお姉ちゃんにきつく、きつく抱きついた。ほんとうは、ずっと、ずっと、この温もりがほしかった。ずっと、ずっと傍にいてほしかった。
「どうして、ここがわかったの・・?」
「憂は、何かつらいこと、悲しいことがあったら、いつもここに来ていたから・・・」
「覚えて、くれてたんだ・・・」
「もちろんだよ。・・・だけど、今日その悲しい思いをさせたのは、私だよね・・・ごめん、ほんとうにごめんね・・・」
泣きながら、謝るお姉ちゃん。ちがうよ、ちがう。お姉ちゃんは少しも悪くない。だって、全て私が悪いんだよ・・・
実の姉を好きになり、告白なんかしてしまった、私が悪いんだよ。
2010/12/25(土) 01:37:28 ID:m3tRuFV+0 [2/4]
734 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage]
「お姉ちゃんは悪くない!全部、全部私が悪いの!」
「憂は何も悪くないよ!私が悪いんだよ!」
「どうして?!お姉ちゃんを好きになって、告白した私が悪いのに!」
「・・・憂!」
「な・・・っ?!
強く、お姉ちゃんは私の名前を呼んだ。そして、くちびるにあたたかい感触。目の前には、瞳を閉じたお姉ちゃんの綺麗な顔。
「え・・?おねえ、ちゃん・・?」
「・・・すきだよ」
「・・・え?」
「憂が、大好きです」
「ほん、とうに・・・?」
「ほんとう、だよ」
呟きながら、お姉ちゃんは再び私にキスをした。ああ、ほんとう、なんだ・・・
ぽろり、と涙がほほを伝うのを感じた。
「憂・・・悲しい思いをさせて、ごめん」
お姉ちゃんは私の涙をぬぐってくれながら、言葉をつづけた。
「憂の気持ちに気づいてあげられなくて、ほんとうにごめん」
「おねえちゃん・・・」
「もう、二度と悲しい思いをさせないから。ずっと、傍にいて守り続けるから・・・だから、どうか・・・私と付き合ってください」
「お姉ちゃん・・・はい、喜んで・・」
「憂・・・ありがとう・・」
お互いの顔を見ると、その顔は涙でぬれていて・・・だけど、その涙は今まで見たどの涙よりもきれいだった。
雪が降る。しんしんと。私とお姉ちゃんはしばらくお互いを抱きしめあっていた。大好きな人の温もりを感じながら。
おわり
せっかくのクリスマスにシリアスなものですいません。
2010/12/25(土) 01:38:30 ID:m3tRuFV+0 [3/4]
感想をどうぞ
- ウアアッ………涙ボロボロこぼしてしまいました。もう素晴らしかったです、最高の話をありがとう御座いました。2人には何時までも幸せでいてほしいです -- (百合信者) 2012-12-03 17:44:11
- 唯ちゃんイケメンだねー。 -- (ルーラーシップ) 2010-12-26 02:52:34
最終更新:2010年12月25日 18:08